あらすじ
最終決戦の秋(とき)が訪れる。童貫(どうかん)はその存在の全てを懸けて総攻撃を仕掛けてきた。梁山泊は宋江(そうこう)自らが出陣して迎え撃つ。一方、流花寨(りゅうかさい)にも趙安(ちょうあん)が進攻し、花栄(かえい)が死力を尽くし防戦していた。壮絶な闘いによって同志が次々と戦死していく中、遂に童貫の首を取る好機が訪れる。史進(ししん)と楊令(ようれい)は、童貫に向かって流星の如く駈けた。この国に光は射すのか。漢(おとこ)たちの志は民を救えるのか。北方水滸、永遠の最終巻。
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Posted by ブクログ
1ヶ月強で水滸伝19巻を完走。我ながら暴走族。面白かった、小説を読んでこんなに泣いたのは初めてでした。
今回は最初に解説コーナー
読みながら憤りしか生まれてこない解説だった。最終巻なのに。この感想の最後に怒るのは嫌だったのでここで成仏させておく。イイオトコばかりの北方水滸伝は女の桃源郷だと。笑わせんな。よし。怒るのはこれでおわります!
感想
「呉用殿を好きでも、嫌いでもない。それは他の人でも同じです。そういうことは、考えないようにしているのですよ」と言う燕青に、好きだ、と思われたい。(ここにきてリアコ発動)
王家で育った史進と楊令の兄弟弟子の戦場でのやり取りが良かった。負けた楊令に喝を入れる史進。これでこそ漢よ!!!
恐怖を抑えて眠る童貫と星を見る宋江という対比に震えた。二人に性格診断してみてほしい。
「宋江は、星を見ていた。」この一文だけで胸がぎゅっとなる。星の下で自分の存在意義を、死んで行った同志たちを想う宋江。空のように高いその心がみんなには必要なのだから。
ここまではメモとりながら読めてたんですよ。
でももう居た堪れなくなって、静かな場所を求めて近所の公園へ。星が綺麗だった。
流花寨。
趙安まで惜しかった。流花寨はできた時からずっと苦しかったよね花栄。防壁が破られて、もう無理だと判断した花栄が出す「散れ」という合図。方々に散るっていう令ではあるけど、花栄が流花寨と共に散ることを決意した場面。流花寨を奪われるということは、命を奪われることと同じ。絶対にそうするって分かってた。秦明と同じことをするって。最期に弓を使う手を切り落とされても流れなかった花栄の執念。花は栄えど枯れなかった。
童貫との戦い、苦しかったね。どうしても呼吸を止めて読んでしまった。休む間も無く童貫がしつこく攻めてくるのが本当にしんどかった。将校たちも数多く死んで行ったけど、それぞれが戦い抜いたのを見届けられて良かった。王英!最期かっこよかったで!!!
梁山泊。
職人達が死んでいくのが本当に悲しかった。凌振、かっこよかったよぉぉ。泣
李雲も湯隆も戦わんと逃げてほしかった。
大大大好きな安道全も弟子達に託して…薛永とは絶対に良いペアになるって一巻で私確信してたの!その通りやったね。。。薛永が剣を振るう姿、かっこよかったよぉ。李逵。李逵。李逵が死ぬはずないと思ってた。武松と一緒に生き延びるって。泳がれへん水の中で怖かったやろうな。李逵。李逵が料理するところも人と上手くやれないところも石を割るところもずっとずっと見たかったよ。悲しすぎる。
呉用と宋江は梁山泊の一部だったから、もう死ぬしかないとは思っていた。
すぐに顔に出ちゃう呉用の嘘。ずっとずっとずーーーっと、文句を言われようが全てに目を配って戦い続けた呉用。裏で嫌われる呉用を見るのが辛くて目を背けてしまっていたなぁ。
そして、最期まで自分の弱さと向き合った宋江。それが強いんやけど。替天行道という志を楊令に受け継いで死んで行った宋江。
楊令と宋江の会話、何度でも読み直したい。最期まで宋江が宋江らしくて救われた。
二人の存在の素晴らしさは讃えきれない。
二人だけじゃない、百八人の豪傑たちが見せてくれた生き様と死に様がこの物語にはある。自分の中にも志を。豪傑のような生き方を。全う出来ずともその姿勢であり続けたい。
推しの生存率が高めで嬉しかった。
楊令伝、いくぞー!!!!!!!!
Posted by ブクログ
最初から最後まで、胸熱な巻。涙を流さずにはいられなかったです。
いきなり梁山泊メンバーがバタバタと死んでいってしまうのが、とても切ないです。特に、楊春。そして、せつえい。せつえいの最後は、超絶切なかった。
童貫に負けたことによって、楊令までも、心に黒いものを抱えてしまうのはうわーと思いましたが、さすが宋江様というか。
宋江様は、いつでも皆の道を示したり、光のある方をさしてくれる人なんだなと、最後の最後で改めて思いました。
そしてこの先は楊令伝へ。
早く、楊令伝が読みたくなりました。
Posted by ブクログ
まずは恒例の各章のサブタイトルとその星が表す豪傑の名前の列挙からです。
地満の星: 玉旛竿・孟康
天威の星: 双鞭・呼延灼
地醜の星: 石将軍・石勇
地明の星: 鉄笛仙・馬麟
天捷の星: 没羽箭・張清
天魁の星: 呼保義・宋江
この巻単体で物語の評価をするなら正直なところ KiKi にとってはさほど面白い本ではありませんでした。 過去にも似たような記述を読んだような気がする戦闘シーンが全体に占める割合が多く、さもなければ続編に続く布石の物語のオン・パレードという印象なんですよね。 滅びの物語だから仕方ないとは言え最後の3巻ぐらいは好漢たちの死にざまの描写もどこか淡々としているし(まあ数が多いうえに戦場のお話だから仕方ないとも言えるけど ^^;)、周辺情報の描き方も物語の最初の頃に比べるとやっぱり雑さ加減が散見されます。
よくよく思い出してみるとこの印象は2周目だから・・・・・というよりは初読の時にも感じていたような気がするんですよ。 ただ初読の時はこの世界全体の結末がどうなるのか早く知りたくて、どうせ革命第一世代の物語は残念な結果に終わってしまうことは見え透いていたので最後の方は KiKi 自身が半ば飛ばし読みしていたような気がするんです。 つまり北方さんもそうだったのかもしれないけれど読者である KiKi 自身の気持ちの方もとっくに「楊令伝」に飛んでいた・・・・・そんな気がするんですよね。
でもね、今回は2周目の読書なわけです。 そういう意味ではこの「水滸伝」の世界、革命第一世代の物語をもっともっと堪能したいと思って2周目に手を出したはずなのに、途中から「楊令伝」への布石のお話(しかもそれが結構唐突だったりする)がボロボロと出てくると、何て言うかちょっと冷めちゃうんですよ。 特にこの最後の最後に至っていきなり子持ちであることが判明する花栄とか呼延灼の話なんかは、「はぁ??」っていう感じ・・・・
楊令君の描き方に関しては前巻の Review でも触れたけど、それでも彼の場合は楊志に拾われ、楊志の死にざまを目撃し、二竜山で育ち、その後子午山で修行し、魯達から遺言を受けと絵に描いたような「革命第二世代」としての育てられ方をストーリー上もされているからまあよしとして、父親とずっと離れて梁山泊とはある意味隔絶された環境で育った花栄や呼延灼の息子たちのお話は、どこかいただけない・・・・・。 もっとも初読の際にはそれが花栄という人、呼延灼という人の人となりを表すエピソードかもしれないと割とスンナリと読んじゃった(そしてそんなことを唐突に語られたことを忘れちゃっていた)ことは白状しておきますけどね(苦笑)
でもね、結局そのお話に深みはほとんどなかったし、「楊令伝」を一読した今となって感じるのは「なんだ、これも布石かよ。」っていう感じ?(苦笑) それに同時に別の疑問が KiKi の心に沸きあがってきちゃったんですよ。 つまりね、「彼ら子供世代が本当に幼い頃はともかくとして、どうしてある程度の年齢に成長した時、彼ら父子はそれでもず~っと別居状態を続けなくちゃいけなかったんだろう??」っていうこと。
ま、それはさておき、案の定というか何と言うか「童貫軍 vs. 梁山泊の決着は次の『楊令伝』でね~。」という終わり方をしてしまった北方水滸。 ありえないほど強くなっちゃった2人の英傑の物語は「楊令伝」に引き継がれちゃったし、さらに言えば本家本元の「水滸伝」(100回本や120回本)では語られる方臘征伐のお話も「楊令伝」に引き継がれてとうとう宋江さんまで死亡。 こうして魯達のみならず宋江さんからも遺言を受け取ってしまった重荷背負いまくりの楊令君なのでした。
はぁ、それにしても長かった。 この「北方水滸」(&「楊令伝」や「楊家将」や「血涙」)に最初に手を出したのが今年の2月。 「水滸」だけは2周目も含めてだけどほぼ7か月を北方節とお付き合いしてきたことになります。 超娯楽歴史もの大作としてかなり楽しめたのは事実だけど、今はちょっと No More Kitakata-Bushi っていう感じです。 このブログではそのうち「楊令伝」の Review も書いておきたいとは思っているけど、とりあえず暫くは北方節からは離れてみたいと思います。 恐らく次の Book Review は初心に戻って(それに宮崎駿さんもアニメ映画から引退するらしいし)「岩波少年文庫」にいくことになるだろうと思います。
Posted by ブクログ
後半、李逵まで死んでしまって、すごくショックを受けて、そこからずっと泣きっぱなし。
安道全など、ほとんどの人間が死んでしまった…。だけど、楊令が生き延びたっぽいので、楊令伝も読もう。
「男がいかに生き、いかに死んでいくのか」が描かれきってて、すごい本だった。
Posted by ブクログ
梁山泊陥落
双頭山、二竜山に続き流花塞が落ちた訳で梁山泊の陥落は時間の問題でした。
しかし、そんな逆境の中でも楊令の騎馬隊の指揮、花栄の剛球、李逵の通り名のとおりの黒旋風、史進の棒術、其々の個の活躍には胸踊らされます。
それにしても、残念な結果でした。
今、振り返ってみると楊志が死んだ辺りから常に梁山泊は防戦をしていた様な気がします。
そして、いつも今あの人が生きていたらが悔やまれます。
関羽の末裔大刀関勝
棒を持たせたら時代別No. 1の豹子頭林冲
水毛剣は伊達じゃない青面獣楊志
などなど・・・
でも、楊令が皆んなの仇をとってくれるんだよね?