あらすじ
楊志(ようし)を失った梁山泊(りょうざんぱく)は、その後継者として官の将軍・秦明(しんめい)に目を付けた。秦明を梁山泊に引き入れるため、魯達(ろたつ)は秘策を考え出す。また、蔡京(さいけい)は拡大する梁山泊に危機感を抱き、対策を強化するため青蓮寺(せいれんじ)に聞煥章(ぶんかんしょう)を送り込む。聞煥章は李富(りふ)が恐怖を覚えるほどの才覚を持っていた。聞煥章が最初に試みたのは、宋江(そうこう)の捕縛である。強力な探索網が宋江を追い詰めていく。北方水滸、緊迫の第六巻。
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Posted by ブクログ
六巻です!
前巻の楊志の死があったことで、どんな要人でもそうなる運命の人もいるのか・・・とまたもや大物が狙われる展開に苦しくなりました。
楊志の後任として、青州軍の秦明将軍が加わり(魯智深改め魯達の活躍の賜物ね)、大きな戦力増強となったことは好材料。史進も成長したし。
と言いながら敵も参謀の聞煥章という強敵が出現するし、楊志のマイナスは大きいから、敵の方が有利だな。
そして、緊迫した情勢が続く中、宋江だけは毎度おなじみのんびり諸国放浪中。
宋江のカリスマ性を理解できない私は、おいおい、そんなことをしているから敵に囲まれ絶体絶命じゃないか。これで武松が死んだら許さないよ、と叫びたくなる。頼むからこれ以上誰にも迷惑掛けずに梁山泊に入ってください。
Posted by ブクログ
秦明の活躍が主体
以下
ネタバレ
秦明と公孫勝の会話
秦明 なぜ戦うのか
公孫勝 お前は?
秦明 自らの誇りの為に
公孫勝 誇りなどというものは河水に流した、
人に語る理由などなど、私には無いのだ
あまり細かく描写してない
文字数が少ないページなのだけど
でも涙する、忘れない光景
「それから林沖は竹の棒を捨て、楊令の小さな躰を抱きしめた」
Posted by ブクログ
史進先生の様子を少し垣間見れて良かった。
林冲や魯智深など初期メンバーの動きが見れる今巻。新たに加わった秦明将軍の強さにも惚れ惚れした。ただ、地味な段景住の馬医者探しのくだりが好きだったりする。
一気読みしたくなる面白さだが、一気読みすると内容を忘れがちにもなるから難しいところ。
Posted by ブクログ
楊志が死んだことは、読者にも大きな影響を与えることになる。
なぜなら、あれだけ大きなポジションを占めていたというのにあっさり死んでしまったのだから、ほかの人たちだって予断は許さないわけだ。
『ハイカラさんが通る』の紅緒さんが「主人公は死なない」と言っていたが、この群像劇では誰が死ぬこともありというわけだ。
というわけで、宋江。
大丈夫だよね。
彼は全然追い詰められていないけど、彼を守っている、「死ぬために生きている」武松なんかがそのまま死んじゃいそうで、心配でたまらない。
第一巻に登場した時は、人間味のかけらも見せなかった李富が、自分の恋情を正当化するために梁山泊追及の手がゆるくなってしまっている今、降って湧いたような聞煥章の登場。
これは李富の命も風前のともしびか…。
秦明将軍だって、結構ないい年という設定なのに恋ですか?
この話、恋愛がからむとどちらかが、または両方が死ぬよ。
ああ、もう。
官軍にあって、腐敗を断じることを恐れなかった秦明将軍。
自分が清廉であれば、処断されるはずがないと信じて官に留まっていたが、魯達の言動に心を動かされる。
“人は、信で繋がっていなければならない。”
“志があるから、信じられる。それは確かなことです”
物語として大きな動きはなかったけれど、秦明将軍と魯達の会見がひとつの核になるのだろう。
Posted by ブクログ
楊志がいなくなるとやっぱり寂しい。
宋江が大きな魚を釣ったと晁蓋に自慢の手紙を送ったというのが微笑ましくて面白かった。
解説の吉田伸子さんが北方水滸伝の良さを語ってくれている。「登場する男たちが惚れ惚れするほどカッコよかったから」
まさにその通り。
呉用や宋江の身を心配しつつ次巻へ。