あらすじ
楊志(ようし)は盗賊に襲われた村に遭遇する。人々は惨殺され金品は奪い尽くされていた。何も手を打とうとしない政府に衝撃を受けた楊志は、魯智深(ろちしん)と共に盗賊の根城・二竜山(にりゅうざん)に乗り込む。そして初めて吹毛剣(すいもうけん)を抜く。一方、国を裏から動かす影の組織・青蓮寺(せいれんじ)は、梁山泊の財源である「塩の道」を断とうと画策する。それに対抗するため、公孫勝(こうそんしょう)率いる闇の部隊・致死軍(ちしぐん)が動き出す。荒ぶる北方水滸、灼熱の三巻。
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Posted by ブクログ
テンポの良い展開に引き込まれて、3巻もあっという間に読み終えてしまいました。
本巻では、宋の裏の支配者である袁明の心中について触れられており、国を思う気持ちもわかったし、彼以外の首脳陣も私利私欲のために権力を利用しているばかりではなく、彼らなりに国を立て直したいと考えていることがわかりました。方向性や手段が違うだけで目指すものはそんなに違っていないはずなのに、この大きな隔たりが・・・なんというか複雑な気持ちになりました。それでも梁山泊を応援してるけどさ。
面白かったけど、本巻でも閻婆惜や礼華が殺され、まあ、敵味方を含め軍隊ではたくさんの死があるけれど、主要人物の中では相変わらず女人の扱いが軽いというか、雑に亡くなっていくなあ、という印象がぬぐえず、そこだけは不満です。。
Posted by ブクログ
武家の名門という誇りがあるために、どうしても梁山泊の仲間になる決心がつかない楊志。
そんな彼を、盗賊退治という名目で二竜山へ連れて行き、命令によってではなく、自らの考えで戦うように仕向ける魯智深。
今までの生き方、誇りを簡単に捨てられるものではないけれど、少しずつこの国のあり様や民の苦しみに着いて考え始める楊志。
梁山泊と志をともにしながらも、どうしても己の強さのみを頼みとし、戦いにしか意義を見出せなくなってしまった史進。
魯智深は、史進を再び王進に託し、預けていた武松とともに山を下る。
びっくりしたのは宋江。
え~!そんな理由で役人辞めて旅に出ることになったの!?
ってか、林冲と同じ轍じゃあないですか?
亡くなった後に自分の本当の気持ちに気づくって。
今回は青蓮寺についての記述も結構多かった。
国の裏側で暗躍する集団ではあるけれど、決して悪の組織ではない。
彼らには彼らの理屈があり、国を憂いてはいるのだ。
改革をしようとは思っているけど、革命は許さないだけ。
これがわかっただけでも、物語にぐんと厚みが増した。
Posted by ブクログ
楊志や史進が活躍してて嬉しかったです。
宋江の旅がいよいよ始まるわけですが、黒旋風や張順がどのようにして登場してくるのか楽しみで仕方ありません!
それにしても、唐牛児には頭にきた!
Posted by ブクログ
迷いを捨てた揚志の活躍と心情の変化がメイン。
済仁美との愛、声を失った孤児・揚令との出会いを戸惑いながらも受け入れていく不器用さもどこか微笑ましい。
王進の元を巣立った武松の一皮むけた描写も魅力。
梁山泊の動きは少なめだが官軍も含めて動きが激しさを増している。
宋江、お前何やってんだよ!
Posted by ブクログ
人物紹介の第1巻、拠点(梁山泊)を奪取するまでを描いた第2巻に続く本作は、各地の叛乱の萌芽と、暗躍し始める梁山泊と青蓮寺、双方の影の部隊の暗躍がメインです。
読んでる時は無我夢中で読んでるんだけど、いざまとめようとしたら、
「あれ?あの時、アイツと一緒にあの場所攻めたのは誰だったっけ?っていうかアイツも誰だったっけかしら?」
ってなる不思議な現象を何と呼びましょうね…←
もうちょっと巻数読んでいってそれぞれのキャラクタのエピソードが増えれば、自然と覚えていくかなーとも思うんだけど…。
晁蓋宋江の看板コンビとか、
史進林中の王進先生の愛弟子コンビとか、
武松鮑旭の王進先生宅居候コンビとか、
アクの強いキャラクタは登場少なくても覚えてるんだけど、
周通李忠ヘタレ盗賊コンビとか、
肩書きの割に影の薄い清風山トリオとか、
この辺の山にもともと根城張ってた系キャラクタ(酷い命名)がどうも印象に残りづらいのよね〜(汗)。
センターが目立ちまくって脇は引き立て役になりやすいってのは、いつの時代も変わらないってことなんでしょうか(雑
そして、相変わらずというか予想通りというか、女性の扱いは相変わらず酷い北方水滸伝なのでした。す…救いねー!!
ようやく叛乱の火が各地でチョロチョロと見え始めましたが、巻を重ねるつれて規模が大きくなっていって熾烈さを極めていくんでしょうね〜。うーん、楽しみ!
一気に2、3冊、本が読める次元に行きたいな〜!←
【内容まとめ:今回はなかなか頑張ったぞー!】
〜梁山泊の胎動に叛乱の萌芽を見出した影の政府、青蓮寺が遂に動き始める暗躍の第3巻。
各地で狼煙を上げる叛乱軍と、叛乱の核を未だ掴めぬ青蓮寺の陰の攻防が、遂に幕を開ける!〜
替天行道を掲げる梁山泊は、未だ雌伏の時を過ごしていた。
梁山泊の財源である塩の道を断たんと動き出した青蓮寺に対し、梁山泊の影の軍隊である致死軍が遂に動き出す。
己の志と誇り高き軍人の家紋の狭間で苦悶する楊志は、盗賊の根城の一である二竜山を制圧し、致死軍の非情さに目を逸らした石秀は、致死軍を離れ、そんな楊志に合流する。
魯智深は北方に叛乱の活路を探る途中、九紋竜史進の暴走に目を留め、彼を師・王進の元へ再び遣わす。
梁山泊の双璧の一人である晁蓋は、拠点にあって「これは現か」と参謀の呉用に問い、
双璧の一翼を担う宋江は、鄆城県にあって全国に広がる反徒の芽を結集させようと試みていた。