木下斉のレビュー一覧
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木下斉さんは地方創生では著名人。その代表作をAudible で聴きました。2016年発行の本ですが、2025年現在でも課題は解決されておらず、むしろ地域の人口減少はさらに進み、課題解決は難しくなっていることでしょう。
この本で例示される成功事例は簡単には真似はできません。環境が大きく変わっていることを地域全体で認識ささ、過去のやり方は通用しないことを理解しなければなりません。とはいえ大風呂敷の新規提案に乗せられてもいけません。
合意形成に振り回されない強いリーダーシップと明解な責任分担、補助金助成金に頼らない事業プランが必要ですね。これは地方創生だけでなく、大手企業の新規事業開発もまったく -
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これは面白かった!
地域再生事業家である著者が、衰退した地方の再生について、小説形式で描いている本。
とっても読みやすく、次から次に問題やら課題が立ちはだかってきて、どうやって乗り越えていくのかが面白い。半沢直樹ばりに嫌なキャラクターも出てきて、嫌なことを繰り返すけど、最後はスッキリできる。
この本を通じて一貫して述べているのは「役所に任せたらダメになる」「補助金だよりの事業は失敗する」という点。
確かに現場のことを分かってないというか、目的自体が異なっている役所。お金を引っ張ることだけに価値観を置くコンサルやら政治家やらと、本当に地域のために事業を行う人たちでは、結果が違ってくるのは当然 -
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地方に強い興味があったわけではなかったが、得られるものが多く、面白い本だった。初めて読んだ木下斉さんの本。
初めての事業での苦しみ、コスト削減による投資資本の捻出方法、まちづくり=事業を軌道に乗せるための10の鉄則、成功した事業の具体例について書かれている。まちづくりについて学びたい人というよりむしろ、自分で事業を起こしたい人に勧めたくなる一冊だ。
印象に残ったところメモ。
・誰にも悪意がなくても、お金による支援というのは、相手を一気に蝕む。
→発展途上国への資金援助、子どもの過保護、過剰な支援がうまくいかない理由を説明していると思った。
・自分で考え、決めたことなら本気になり、たとえうまく -
Posted by ブクログ
よくある物語形式で書かれた地方創生の取り組みのお話ですが、内容は、これまで読んだ対談形式本で1番濃くて為になる本でした。
東京でサラリーマンをしている主人公が、地方の実家の片付けにいくつもりで帰ったら、昔の友人に会って地方再生をやっていくことに。
成功すればやっかまれ、失敗しても嫌味を言われる地方で、七転び八起きする姿を描く。
あちこちで聞いた事実に、これじゃあな、と思いつつ、現実的なビジネスとしての視点からの学びの多さに目から鱗。
二宮金次郎が地方創生の第一人者とは知らなかった!
補助金にしがみついた、儲ける仕組みが作れない実態や、それを当てにすることの危険性など、バッサリと国の取り -
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事業経営による都市再生の実践やその後のノウハウ共有などで有名な木下斉による、地域再生をテーマにした小説。地方から出て東京で働く主人公が、シャッター街の広がる地元で事業を起こし町を再生させるストーリーを通して、地方で事業経営をする際の勘所や落とし穴を紹介している。これを読むことで、起業家精神の実践やその意義を学べるほか、具体的な事業の立ち上げ〜拡大〜承継までざっくりとではあるがイメージがつくようになる。
「起業家精神」ってここだなあと思わされる、本書の重要なメッセージは以下の通り。
◆補助金は貰わずに自分の金で事業を進めること
・短期的には補助金の予算がつけば楽だが、長期的には経営が緩んで補 -
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地域再生について、小説形式で書かれている。
地元の反対勢力、ばらまき公務員、いらないコンサル、など様々な問題が書かれているが、全て著者が経験しているからこそ現実的だ。
(自分は補助金関係に仕事上少し関わりがあるが、かなりリアリティがある)
最初に立てた計画通りに年単位で全く変更しないなど現場ではあり得ないが、公共事業では変更が難しい。
半年以上前に予算の組み1円たりとも簡単に増減できず、内容の変更も事前に公平性を客観的に証明できるように書類を細かく準備するから難しい、という税金の使い方と、資本主義の社会が合っていない。
そして補助金を受け取ると現場が疲弊していく。
所々に入る著者の注釈もかなり -
Posted by ブクログ
・ヒト、モノ、カネがなくても、困難な状況にめげずに足を一歩出し進んできた「凡人」がいるかどうかが明暗を分ける。
・完全な車社会なのに駅前にこだわるのは馬鹿げてる。
・メインストリート=店前の人通り、と路地裏=しっかりと顧客を絞っていいサービスをしていればだが、の関係が逆転。
・無料の駐車場は補完的な機能でしかない。
・不安だからとやらなければ、いつまでも不安がただそこにあるだけ。悩んで暗くなっている人を誰も助けてはくれない、不安である時こそ、明るく前向きに考えて不安の原因を解決する方法を試すなど自ら動き出すことが必要だ。
・デザインに限らず感性やセンスは事業に取り組む上でとても大切。 -
Posted by ブクログ
地方創生とかよく耳にするようになり、紹介されていたので読んでみた。
実際に地域と向き合い様々な取り組みをされてきた経験を物語形式で紹介頂け、非常にわかりやすい。
逆算開発などは、地域再生だけで無く普通にビジネスをやる場合に有用な考え方であるし、共創の考え方(イマドキぽくはありますが)も非常にわかりやすい。
素人なりに情報収集してた事と現実とのギャップに驚くと共に、やはり地域に根ざして、地域に向き合うことが大切だなと再認識。
大阪府出身、神奈川県在住と言うことで人口がどんどん減り、シャッター街化が進んで大変という感覚は持ちにくいというのが正直なところ。
しかし人口減、超少子高齢化社会を -
Posted by ブクログ
題名に在る「幻想」というのは何だろう?
本書はその「幻想」なるものを説き、考える材料を供しようという一冊である。敢えて言えば、「幻想」というのは「事実や実情と実は違う思い込みと、それを基礎とする思考や行動」というようなことになるであろうか。「思考と行動」の基礎が「幻想」であるのだとすれば、「現実」の様々な事柄に向き合ってみたところで「所期の成果」というようなモノを望むこと等覚束無い筈だ。そしてその「幻想」に依拠して「“手段”と“目的”との混同」も多発しているようだ。
本書の著者が綴った文章は色々と呼んだ記憶が在る。“地域再生”とか“地方創生”といういうように呼び習わされる事案に関連する事項につ