木下斉のレビュー一覧
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書かれている内容は、まったくそのとおりだと思う。
補助金に頼ったさまざまな事業の実態、それに関わる人々の考えや動き、その結果どうなるかは、ここで描かれている通り。
国や地方自治体には、産業活性化や地域活性化の助成制度が山ほどあるが、成功したものがどれだけあるのだろう。
ビジネスモデルを作るといいながら、補助金が切れたら事業はおしまい。
そういうのが大半ではなかろうか。
本書を読むと、そもそもそういうやり方では、地域の振興も産業の創出も無理だと分かる。
自前でビジネスを立ち上げる覚悟がないところでは、活性化もクソもない。
その当たり前のことを、はっきりと伝えてくれる。 -
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序盤は辛口な批判が続いて読んでて不快でしたが、辛口なのは最初だけで、全体的には良書に感じました。
普通は成功事例とかを載せて、『ウチはこのやり方で成功しました!他の地域の皆さんも是非試してみて!』みたいな喧伝が一般的ですが、本書は逆のアプローチで、今までのまちづくりの失敗から今後にどう活かすべきかを提供してくれる面白い本です。
中山間地域の解散話はちょっと衝撃でした。村を存続できなくなったら、村民全員が村を出るという発想は昔からあったらしいのですが、いよいよ現実味を帯びてきたように思います。
余談ですが、現在放送しているアニメ『サクラクエスト』というのが地域活性化の話で、主人公は観光大使として -
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全国各地の地方都市は、時間的な問題(人口減少と内需縮小)と空間的な問題(まちの適正な規模維持の困難さ)、二つの面でデッドラインを迎えつつある。
これに対応するためには、まちを舞台にして行われる経済活動の流れ(バリューネットワーク)の概念を理解し、さらにその仕組みが時代の変動とともに適正な形に収まるようなスキームの構築が求められる。
そのスキームは結局は、「まちづくり」を持続可能な事業活動としてマネジメントできる仕組み、ということになる。
マネジメントに関わるプレーヤーは、資産を持つ不動産オーナーや、実際に現場で商売を行う商店経営者の他に、取り組みそのものを推進するプロジェクトマネージャー、魅 -
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商店街支援、まちづくりの論客である木下氏の以前の著書です。とはいっても2016年発行ですので、内容は最近のものです。
「地方創生大全」と比較し、実際にまちに入り、どのような活動でいるべきか、何をすべきかを具体的に順序立てて説明しています。そのため、このような立場である人、これから携わっていくかたにとっては、マニュアル替わりになる1冊です。
▼成長プロセスのステップ
・属性:活動→事業
・時間軸:単発→継続
・責任:メンバー→マネジャー
▼まちを1つの会社として見立てた場合の要素
・まちへの流入増加
・まち内部での取引拡大
・まちからの流出削減
▼基本的な技術
①計画
・情報力(情報を集め、検 -
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【メモ】
▼第1章
・中核企業を支援したいなら、撤廃してほしい規制を聞いて、そこを緩和する。規制緩和や許認可の手続きサポートをして、お金は自分で工面させる
・成果を上げたら税金を軽減するほうが実際に成果を出すのでいい
・多様な人に寛容な地域は、理由はよくわからないけど発展する(都市社会学者リチャード・フロリダ)
・多様性こそ可能性を引き出す。数を確保することが大事
・行政は、最良のシナリオから最悪のシナリオまでの幅をつくって、最悪を避けるようにマネジメントしなければならない
▼第2章
・日本経済、地域経済を考えるにあたっては、過去からの遺産(または負債)をどう使うのか、どう変えるのかという観 -
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地域再生にまつわる施策の歴史を検証すれば、失敗例が多々あったのではとの筆者の言葉。しかし今、その地域の再生の成否に、日本の未来がかかっていることには間違いない。
そこで、従来の発想ではない新たな視点で取り組んでいる方々の講義と、筆者の対談という構成の本である。
第1章 経営から見た「正しい地域再生」
木下 斉 エリア・イノベーション・アライアンス代表
第2章 官民連携の新しい戦略
川崎 一泰 東洋大学経済学部教授
第3章 フラット化しない地域経済
入山 章栄 早稲田大学ビジネススクルール准教授
第4章 人口減少社会の先進地としての過疎地域
林 直樹 東京大学大学院農学生命科学研究科・特 -
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木下斉氏、飯田泰之氏など”若手”に属する実務家、学者による現場から地域再生を考える話。経済面からか政治(厚生)からかどちらで評価するかそもそも考えましょう、というピンポイントな掴みにgoodだなと感じる。メモ。
(1)予算というお金を使うのだから、リターンもお金で示すべきなのにそうではない。市民が楽しかったと言えばいいイベントになる。
(2)サプライチェーンにはギュッと細くなるボトルネックが必ずあって、そこをにぎったひとが価格統制力を持つことが出来る。
(3)販売先から逆算して考え、独自の生産・加工を行うからこそ利幅も大きくなり、適切に人も雇える。
(4)戦略の基本は競争構造を理解したうえで戦 -
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ここ最近自分の中でブームな木下斉氏と、こちらは初めて出会った広瀬郁氏の著書。
嶋田洋平『ぼくらのリノベーションまちづくり』と清水義次『リノベーションまちづくり』、そして木下斉『稼ぐまちが地方を変える』を三部作としていましたが、こちらの本もそのラインナップに加えられます。笑
リノベーション事業中心であった前の2著に対して、あくまでリノベーションも選択肢の一つにすぎないとし、その他まちを守るための最低限の要素をまとめた教科書のような書籍でした。
商店街でお金が回らないという状況を、経営という切り口で捉えることで、精神論やキレイゴトに偏りのあった従来のまちづくりに警鐘を鳴らしています。
成功事 -
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地域活性化伝道師である木下斉氏と建築家の広瀬郁氏の共著。
これまでの著書に加え、建築的な要素が入り、違う印象の著書になりましたが、事例も紹介され、読みやすい構成でした。
バリューネットワークの逆転現象を示し、現在のまちは、生きるか死ぬかのデッドライン上にあり、行動が求められており、そのための実戦的ポイントが示されています。
いろいろな指摘がありましたが、
・組合や商工会議所、あるいは行政がまだしっかりと力を持っているまちでは、若い人の活動がネグレクトされやすい。時間資産を持ち、ガッツもセンスもある人が溶け込みにくい状況
いわゆるこれが抵抗戦力となり、まちが変われない状況にあるという指摘は、 -
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地方都市でのまちづくりの取り組みとか成功事例とかが載っていて、それらを分析したまちづくりのスキームとかも載っています。
まちの仕組みを「バリューネットワーク」で捉えて、価値の流れを意識しましょうと、そしてモノが売れにくくなるので、川下の消費者から出発した事業スキームを組みましょうと。そうなると、規模の経済が働きにくいので、小資本でのヒットエンドラン作戦になるんですね。
なるほどなるほど、なんですが、地方都市の「まち」の衰退原因は需要不足ではないので、その解決策として消費者から出発する考え方というのは、一般論すぎて、それがまちの回復につながるかは少し疑問です。それ以外にロードサイド店舗とか