木下斉のレビュー一覧
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日本の自治体数は大小合わせ1,700+あるわけだが、国が掲げる紋切り一律型の「地方創生」とは一体何なのであろうか。著者はこれらが抱える問題の本質を明確かつ鋭く指摘している。特に第3章の人口施策の問題分析は秀逸だ。地方創生の旗振り役に問題多い某大臣を挿げていたことからもわかる通り、国の力の入れ様は相当空転している。それに対して著者は主にヒトモノカネ観点から課題抽出しているが、その手法は民間企業の其れと普通に行っている方法だ。目標を決めてKPIを定めてPDCAし場合により撤退する。官僚機構はそれが最も適していたからそうした形になっているが、地方交付金や助成金頼みの創生施策が成功しようはずもない。当たり前ながら収支管理をしっかり行う民間手法が適しているはずだ。著者は王道的にしっかりをその点を指摘している。
地方創生の問題を理解する上では面白いのだがやや惜しいのは「あれダメ、これダメ」の失敗理由オンパレードで、いざ施策提言となると一般論やベストプラクティスの紹介に留まっているところだ。富山市の富岩運河環水公園や岩手県紫波町のオガール広場の事例は面白いが、1,700+ある自治体の創生は一般企業と同じく倒産もあり得ることを理解させ一歩踏み込んだ内容が欲しかったと思う。 -
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地方再生に関しての本。クマモンやB級グルメの意味のなさを語ってる点は面白かった。
クマモンについては、わざわざ東京からくまもんに会いにいく人は少ないわけで、基本は県内の人たちの盛り上がりとなる。同じ区域内で消費が行われる事は悪い事ではないが、大事なのは区域外からのお金を入れる事。
商売でも何でもそうだけど、人のポケットから自分のポケットにお金を入れる事が構造で、それを自分のポケット内でやっても意味がない。
つまり、全て国内消費だとすれば、日本国内でのお金をどれだけ自分のところに集められるか?というのが、地方再生には大事という事だ。
B級グルメについては、県外からの人を集めて開催しても、収支でプラスになるのか不明だし、食材を県外で購入して持ち込んでいたら、購入してキャッシュが落ちるのは県外なので意味がないという事なのだ。
人口も結局、国内の人の取り合いなので、どこかが増えれば、どこか減る。ましてや人口減少国なので、確実に減るのである。
人もお金も外から取ってくるしかないのであり、その頭でやらないと衰退するよっていう話をしてくれている。人口なんて基本は増えないし、お金だって勝手には増えない。
それでも交付金とかっていう麻薬があるので金銭感覚が狂ってくるのだ。
行政もビジネスだと橋下さんが言ってたけど、収支で黒になる方法を必死に考えていかないと先は暗いよって話なんだろうな。
国の制度もあるだろうけど、いかに頼らずにやれるか?を考えておいた方が、国に左右されずに行政運営ができる気がする。 -
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【由来】
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【期待したもの】
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※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。
【要約】
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【ノート】
・「ゆるキャラ」なんて、大の大人が税金ぶち込んでマヂメにやることか?という導入部に象徴されるように、地方創生について流布してる通説や定説をきちんと考えて根本からひっくり返す、と言うか思考停止をしないで提言している本という感じ。
・「大全」本だからチェックリストなんかも付いて、ちょっとマニュアル的と言うか指南書的な意匠。これで¥1,500なら悪くはないか。
【目次】 -
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民間主導の都市開発も含め、制約をうまく生かし逆張り戦略でいまの地位まで上り詰める福岡市の経緯を見るには読み物として面白い書籍でした。よく福岡市が取り上げられる理由を知るには良い本です。
ただ当初のフレーミングによるものだと思いますが、最強の地方都市かどうかはよくわからないのが正直なところ。
都市開発を民間主導で行い発展したという木下さんの自前の論に当てはまりが最も良い大都市は確かに福岡市だと思います。一方現在も競争力を有する製造業種が豊かな浜松や静岡、広島などは都市圏単位での一人あたり生産額は相当高く、京都市などは一人あたりの雇用者所得も高い水準にあります。このあたりは最強かどうかを見るには基礎データですが全く触れられていないので、福岡市ありきで議論を始めている限界かもしれません。木下さんはマーケティングがうまいのでわかって書いてらっしゃるのだとは思いますが。
あとはオガールは補助金が入っているので「補助金に頼らない」が何を意味するのか気になりました。 -
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全体を俯瞰すると、民間主導での都市開発が概ね結果を出したケースについて、当然にそうであろうという内容であった。特にサプライズはない。福岡市の発展要素が整理されていることは参考になるものの、他の都市との比較における位置付けに関する見解が弱い。福岡市なのか福岡都市圏なのか、この議論はもっと整えたほうがよいと感じる。
福岡市が神戸市を上回ったことは殊更に強調しているが、神戸市は関西圏の中で位置付けられるのであって、単独の存在ではなく、足下、関西圏内で劣勢であることは間違いないが、国内最高レベルの医療開発産業都市として新たな役割を持ちつつあることから、福岡市と同列の比較にはならない。例えば、こういった点の議論は上手く整理されていない。 -
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「まちづくりに携わっている人々はふたつに分かれる。ひとつは戦後50年近く続いた経済成長と成熟を体感してきた世代と、もうひとつは、バブル崩壊後の20年あまりの縮小と低迷の時代しか体感していない世代である。ふたつの間には大きな意識のギャップがあって、活性化のイメージもバラバラなので、意見がまったくかみ合わない。」(p36)という木下氏の意見は、ハッとし、なるほどと納得した。
私はもちろん前者の世代であるが、いまの若い世代の感覚は決定的に違うらしい。
われわれが考える繁栄とは、どうしても高度経済成長期のそれに引っ張られる。
典型的なのがバブルの時代で、あらゆることが軽躁的でバラ色だった。
インド映画のカラフルで楽しいダンスシーンみたいな時代。
みんな若くてバカでちょっとセクシーでもあった時代。
(もう一度繰り返したいかというと、それはまた別)
ただし、これは、一時的な現象であって、少子高齢化の進展とともに、状況は反転する。
これから考えるべき街づくりは、
「縮小を続ける国内需要に対応し、まちをそれに合わせてどうつくり変えて維持していくのかという点に目を向けなければならい」(p47)
という本書の指摘はまったくその通りだろう。
高齢化した商店主たちがそれに気づいているかというと、それはなかなか難しい。
過去の輝かしい成功体験があるし、うまくいかないとうすうす気がついていても、歳をとっては頭を切り替えが困難だ。
かれらの出番はもうないので、次の世代に期待するしかない。
だが、問題なのは、その動きを支援すべき国や自治体までもが、まだ状況の反転に自覚的ではない点で、過去の栄光を夢見みて、逆に足を引っ張っているのではないかという点だ。
第2章の戦後から現在までのまちをめぐる経済の成長と衰退を説明した章は、非常に説得的でタメになった。
言われてみればそのとおりだが、言われるまでは気づかなかったことを多々教えてくれる。