木下斉のレビュー一覧
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地方再生が唱えられて久しいですが、ゆるキャラだの、地方イベントだの、ふるさと納税だの、補助金どっぷり依存体質から脱却できていない現状に対して、高校生の頃から商店街活性化に携わってきた著者が民間主導の利益重視による街づくりの重要性を主張。慈善活動もそうですが、NGOや慈善団体が寄付から経費を抜くことで批判している意見をよく見かけますが、持続的な活動を行うには一回だけの寄付に依存するのではなく必要なお金がきちんと回る仕組みが必要。本来は所得の再分配である税金に何でもかんでも依存するのは筋違いで、それが停滞や腐敗の原因になるんだなと共感しました。結局はマネジメントの問題ですね。
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Posted by ブクログ
ネタバレ・「民間は高い公共意識」、「行政は高い経営意識」
民間が自らまちのために実践し成功事例を他の都市へ伝えていく、
行政は民間がやりやすいようルールや制度を変え、互いに連携して動きやすいようにすることが一番の仕事。
・多くの地域はこれから人口規模も経済規模も半分以下へ縮む。
→従来のやり方を変えることができなければ自治体は破綻してしまう。
問題は人口減少そのものではなく、減少することが分かっているのにそれに対応しないこと。
「やれるか、やれないか」では無く、「やるか、やらないか」。
・アメリカの地域再生は不動産オーナーが中心
→地方の不動産オーナーは「自分の資産価値を高めるため」自分のお金と労 -
Posted by ブクログ
気鋭の経済学者、飯田泰之が主編者となり、5人の地方再生に取り組むスペシャリストによる講義と、飯田氏自身との対談をそれぞれ1人、1章という形でまとめたものです。
感想として…
人口減少という現状を前提とすれば、どこかの人口を増やせば、どこかの人口が奪われる事になる。
その中で集積できるところはいかに集積し、減少するところはいかに、戦略的に止まるか、あるいは撤退戦を進めるか…
とはいえ、けっして後ろ向きではなく、未来の地域のあり方…その選択、そのために今出来る選択肢を示した本だと思います。
あと、本書で強調しているのは、民間が主体でなければ駄目だという事、補助金行政の批判ですね。
補助金がいかに、 -
Posted by ブクログ
きっかけ
読書の幅を広げようと思って読んだ本
読み出したら思いの外面白くてどんどん読み進められた。
内容
地域の街復興に対して、こういう考えは失敗しやすい、それぞれの立場で人(にん)とやる気があればうまく行きやすいという例題を交えながら紹介している
感想
著者は地域復興みたいな事業を高校生の頃からやっていて、経験をもとに説明しているけれど、地域に限らず会社でも活かせるし、往々にしてあるな〜と思った。
特に古株が新参者に対して否定的、担当者にやる気、モチベーションがないってのは共感できた。
逆も然りでとにかくやりたい!って熱があるなら小規模でもいいから始める→実績がでる→評価されるし人もつい -
Posted by ブクログ
ネタバレ「何をやったらいいんでしょうか」。
地域の再生には都合のいい答えがあるという幻想を象徴する質問。
優れたひとがそれを知っていて解決できるという思考の土台が、幻想にとらわれた人の発想だ、と著者は釘を刺します。
実際にある地域再生への道は、
自分達で考え、予算の範囲内で失敗を繰り返し、改善を続ける、地道な作業。
どこかで成功した結果だけを真似ても意味がない、といいます。
そのために必要なマインドセットの転換。
外部任せでない地方経済の在り方について、
スペインのバスク自治州の労働者協同組合の例が挙げられていました。
賃金格差是正、地元消費のしくみを生み出しているのだけれど、
その根底にある