高野文子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
沖縄で古本屋を一人で営んでいる女性のそのお店にまつわる本。
沖縄の商店街の古本屋が閉店するのを聞き、新刊書店に勤めていた筆者が会社を辞め、その古本屋を引き継ぐ。
客観的に聞くと、筆者は決断力、行動力も非常にあるように見えるが、この本からは、淡々と、自分がやりたいことに素直に実直に従っていたら、このような結果となったというようなニュアンスで。この安定感のあるスタンスが、芯が感じられ安心できる。
これは本屋さんのスタンスとしても同様なのだろう、色々な古本屋仲間が助けてくれているようだ。
また、商店街の中の小さな古本屋なのにもかかわらず、自分の生活を成り立たせている利益をあげている。これは商店街という立地(観光客がたくさん来る)と、沖縄ならではの沖縄本の収集(強み、ニッチ産業的なアプローチ)が合致して、ここでしか買えない沖縄本を観光客が買えるというところにあるのでしょう。
また、本文内にあるように本を売ってくれる70代世代の沖縄の方々との交流もあるように、地元の人との交流も確かにあることが大きい。
出版不況、電子書店の台頭という中で、新刊販売のリアル書店(特に小さい書店)は苦境に立たされている。
自ら本を買い取り、自分で値付けして売る、売れなくても本は返品できない、いつでも自分が売りたい本が揃えられる訳ではない、と一見新刊書店と比べると不利な古本屋も、その本屋なりの特色を出すということは、新刊書店よりも勝った部分である。
大きく状況が変わり、苦境にたっているからこそ、その生き残りの戦略の中に新しい価値がうまれるのだと思った。
この作者は自分の実施いしてることをビジネス本のように高らかに講釈するのではなく、自分のやっていることを実直に報告している形式なので、非常に読みやすい。 -
Posted by ブクログ
全国で本屋の縮小、廃業が相次いでいる。先日は取次大手の栗田出版販売も潰れた。こんなご時世に「おれ、自分で本屋をやろうと思うんだ」なんて言ったら、「おまえ、気は確かか?」と言われるだろう。
著者がやろうとしているのはもちろん新刊書店ではなく、古書店だ(新刊書店を個人で開業しようなんて無理!) しかし 本屋の廃業の波は新刊書店だけでなく、ネット販売の普及で値崩れを起こしている古書店にも及んでいる。実店舗での経営は相当厳しい。
この「本屋になりたい」という平凡そうに見えるタイトルは、実は相当な破壊力を持っている。
しかしまあ、この著者の日常のなんとさばさばしたことか。あえて厳しい面に触れてないのか、それともほんとに順調なのかはちょっとわからないが、楽しそうだ。
沖縄の市場の近くで、地元の人も観光客も比較的多い恵まれた立地にあるし、もともとあった古本屋を譲り受けたかたちなので、初期投資も抑えられたという好条件もあるが、店の大きさはわずか三畳。店先にワゴンを出して増やした売り場も三畳。それでも生活が成り立っているらしい。独り身のようだが、なんだかうらやましい境遇にも思える。
著者が若い女性ということもあるだろうが、同業者のおじさんたちも親切に仕事を教えているので、良い関係を築いている。順調にスキルアップしている。もちろんそこには著者の人柄や沖縄の県民性もあるだろう。
これ、都会で開業するときの参考にはならないだろうな…
開業以前に地方に飛び出す勇気がいるな…
と、いろいろ考えたりはする。でも憧れる。
好きなことをして、食べられるだけの収入があって、それ以上何を望むの? と問いかけられているような気がして、なかなか面白い本だった。
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