たなか亜希夫のレビュー一覧
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たなか亜希夫『リバーエンド・カフェ(9)』双葉社。
何度か脱線した物語も本筋に戻り、ついに完結。ラストには感動すると共に驚愕した。そういうことだったのか……
東日本大震災で壊滅的被害を受けた石巻市。両親を失い、学校でも虐められてばかりの女子高生・サキが出会ったリバーエンド・カフェ。そこから物語は始まり、サキの歌の才能が音楽プロデューサーの眼に止まる。業界ではクズ鉄と呼ばれる落ちぶれた音楽プロデューサーはサキを高みへと引き上げられるのか……
石巻市と言えば、海辺に古い街並みがあり、何度も歩いたことがある。どこの都市もそうなのだが、郊外に大型ショッピングセンターが出来ると商業の中心はその周り -
Posted by ブクログ
たなか亜希夫『リバーエンド・カフェ(6)』双葉社。
次第に『迷走王 ボーダー』みたいなノリになって来た。このノリは嫌いではないが。
舞台は震災後の宮城県石巻市。いじめられっ子の女子高生・サキが歌ったベッシー・スミスのブルースの動画がYouTubeにアップされ、世界中に拡散される。
この後は『あまちゃん』みたいにサキの歌手デビューみたいな展開になるかと思ったら、そうは問屋は卸さない。サキが世話になっている中瀬のカフェのマスターが遥か昔に無くなったはずの遊廓で雪乃という怪しげな女性にたぶらかされ……
震災から9年余り過ぎ、少しずつ復興している石巻市の街の様子も描かれ、嬉しい限り。震災後に仮 -
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感動しました
当時、石巻でボランティアの経験をしたせいか、今でも現地への想いがあります。そんな中、石巻を舞台にした漫画があることを偶然に知って読んでみたのがこの作品です。
スピーディーな展開が面白くて、早く次巻を読んでみたいし、何よりも絵がステキです。お薦めします。 -
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ここで終わりですか。
全巻イッキ読みです。心理と感受性の描写と、武術、格闘技と、混ざり合っり交差したり、素晴らしい漫画です。只、物語の中に沢山のものを残したまま終わってしまったので、物足りなさを感じてしまいます。正直なところ、続きが読みたいです。
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異色の格闘モノ
主人公が親殺しという衝撃的な設定で始まるストーリー。
格闘漫画の主人公って色んな敵と闘って、成長して、認められて、やがては憧れられる存在と成っていくのが普通だけど、彼ナルシマリョウはどんどん強くなるという深みも無く、応援される事も賞賛される事も無く、まるで手負いの獣の如く己が生き残る為だけに形振り構わず他人を粉砕していく。
これだけダーティーで救い様の無い主人公なら、読者は共感も同情もするわけ無い筈なのに、読み進めて行くにつれてナルシマという男の本質が少しずつ垣間見え、何故か「親殺し」と罵倒する周囲の真っ当な人間達の方が、心が乾いた非人情な者にさえ思えてしまう。
決して許される事の無い罪