加賀乙彦のレビュー一覧

  • 悪魔のささやき

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    悪魔のささやきとは、人間の弱さや醜さを引きずり出し、悪い方向へと突き動かすもののこと。犯罪や自殺へと誘う、目には見えない力。自分だけは大丈夫などということはありえない。
    分かりやすくとても面白かった。軍国主義、学園闘争、多くの死刑囚との面談。著者が体験した出来事はどれも生々しく、人間の脆さが浮かびあがってくる。悪魔にささやかれても靡かない、流されない「自分」をしっかり作らねばならないと感じた。

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    2013年12月27日
  • 科学と宗教と死

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    著者の戦争体験と、自身の犯罪者の精神医学的研究より考察された生と死への考察。そして自身の宗教的体験についての、ほぼ自伝的な本とも言える。東日本大震災と原発問題についても触れ、科学と宗教の絡みについても述べられている。いかに生きるか、宗教は理解することではなく、体験することである、ということを述べることは浅い理解、いや読書体験かもしれない。

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    2013年11月10日
  • 不幸な国の幸福論

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    だれがみても
    とても不幸な国の日本
    そこで、幸福を生むにはどうするか。
    吾唯知足(われただたるをしる)だとおもいます。

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    2013年08月24日
  • 加賀乙彦 自伝

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    300頁のハードカバーだが、春休みの昼間、一気に読み終えた。医師で小説家の自伝だから、文学と医学の専門的な話題多いのだが、阪神大震災が題材の「夕映えの人」読んだ時の感慨に似て、香るような簡潔な文体と誠実な生き方で苦にさせない。深いことをわかるように書いてくれる。根底に深い人間信頼があるからだろう。作者渾身の長編小説を読みたい、と思った。

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    2013年03月24日
  • 不幸な国の幸福論

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    幸福とは何か?人類普遍のテーゼである幸福の在り処や人の生き方を描いたもの。著者の体験談や本の引用が各所に散見され、著者の考えに肉付けがなされ説得力のあるものになっているように思われました。
    現代社会に蔓延る「不幸」は、実は自分自身が招き寄せたものではないか?
    政治が上手く動かないのを政治家だけの責任にしていいのか?私達国民が「考える」ことを放棄したことが幸福を逃しているのではないか?
    幸福はしなやかな生に宿る。考え方を柔軟にすることで、私達は「快楽のトレッドミル」から降り、幸福を正しく捉え、死を怖れることなく悔いのない人生が送れるのだと、著者は言っています。
    単に幸福論を読みたい方にもお

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    2013年02月20日
  • 死刑囚の記録

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    精神科医から見た死刑囚、無期囚の記録。わかりやすく興味深く読めましたが、死刑囚たちの言動にやはりイライラさせられました。とても面白い本ですが、もやもやが残ります。

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    2013年01月18日
  • 不幸な国の幸福論

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    1929年生まれの精神科医で、東京拘置所の医務技官や東京医科歯科大学助教授、上智大学教授を務めた人の話。少々右寄りだが、国際的感覚を持った日本人であれば、正道な主張と感じる。
    高齢者による万引きや介護疲れ殺人が急増していること、パスカルの賭けの話(パスカルは、著書『パンセ』の中で、神はいないとしても、いると信じると考えた時の利益の方が大きいことを指摘したもの)は面白い。

    「神よ、私たちにお与え下さい。
    変えることのできないものを受け入れる冷静さと、
    変えることのできるものを変える勇気を、
    そして、その二つを見分けるための知恵を」
    (ラインホールド・ニーバー牧師の1943年マサチューセッツ州で

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    2012年11月28日
  • 死刑囚の記録

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    加賀乙彦、26歳で拘置所の医官になったそうです。恐ろしい…。死刑囚と無期囚の時間感覚の話が非常に興味深い。「濃縮された時間」を過ごす前者と、「薄められた時間」を過ごす後者。人間死にたくないものなのだなぁ。あと、やっぱすごくドストエフスキーを思い出す。好きって言ってたもんなぁ。ドストだってよく考えたら死刑宣告受けてるもんね。あれ?あれは同志がだっけ?

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    2012年09月08日
  • 科学と宗教と死

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    著者は東大医学部を卒業したあと、東京拘置所で医務技官を務めるなどした精神科医。囚人を観察していると、死刑囚と無期囚で明らかに違いがあるという。死刑囚は、毎日、「明日殺されるかもしれない」という非情に切迫した濃密な時間を生きているのに対して、無期囚は無限にうすい時間を生きている。無期囚は一つの鋳型にはまって安定し、感情を麻痺させ、無感動となり、刑務所の生活に適応するという。そもそも、モノゴトに関する感心が少ないともいう。

    これを自分たちの身辺に置き換えていえば、モノゴトに関する感心が少ない人は、現代社会にという刑務所の中で、無期囚として生きているということなのかもしれない。

    「人間は生きてい

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    2012年04月01日
  • 悪魔のささやき

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    犯罪・自殺など人が悪い方向へ行ってしまうのを後押しする悪魔のささやきの原因や対処法について述べた本
    筆者が精神科医として犯罪者に実際に会った話を交えたり、歴史・宗教を絡めて話を進めたりと筆者の多様かつ深い知識で理解が深まりました。

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    2012年03月07日
  • 不幸な国の幸福論

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    “時代がどんなに暗かろうと、その人の置かれた状況がどれほどつらいものであろうと、自分なりの目的に向かって歩き続けることで、人は幸せになれる。”(本文より)
    第一章では日本人の考えない習慣、他者を意識しすぎること、第二章では日本という国(といいながら日本人も)の幸福への障害を分析している。第三章で幸せになるための考え方を示している。第四章では老いと死についての考察。

    データも用いているが、考えながら読むことが大切だと思う。与えられた幸せではなく、それぞれが考えた幸せを目指すということは多いに賛成。

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    2011年12月28日
  • 帰らざる夏

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    省治は百倍の難関を突破し陸軍幼年学校へ入学するが敗戦を迎える。聖戦を信じた心は引裂かれ、大混乱の只中義に殉じ自決することを決意する。


    悲劇としか言い様のないストーリーです。15、6で死に急ぐ彼らが痛々しく、見ていられなかったです。敗戦後、源が亡霊だ、と言ったところが胸に痛かったです。

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    2011年12月13日
  • 宗教を知る 人間を知る

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    大抵の日本人は自らを無宗教者としていますが、日本人の日常生活には宗教的行動がたくさん浸透しています。
    そのような「宗教」という物の日本人の考え方や宗教の意味、そして人間にとって宗教はなぜ必要なのかなど、4人の著者が幅広く考察して論じています。
    私も本書を読むまでは宗教そのものの意味もよく分からず、偏見でしか宗教を見る事ができませんでした。しかし本書によって「宗教」そのものの意味や存在理由を知ることができ、宗教に対する観方がずいぶん変わりました。
    国際化していく現代で日本人独特の宗教に対する偏見を見直して、本書によって世界ではあたりまえのように信仰されている宗教について知る事も重要だと思い

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    2011年09月26日
  • 不幸な国の幸福論

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    正直後半の老いてからの話はちょっと読むのがつらかったんだけど、前半部分は自分のためになった。

    加賀先生はわかりやすい文章を書く人なんだなぁと思いました。小説も読んでみたい。

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    2011年09月18日
  • 不幸な国の幸福論

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    幸せを客観的に見た自分で判断する
    幸せとは流動的なもの
    一歩一歩目標を持って進むことが大切らしいです

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    2011年05月25日
  • 死刑囚の記録

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    [ 関連図書 ]


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    2011年04月03日
  • 帰らざる夏

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    戦争の只中、陸軍幼年学校という軍国主義に染まった場所で生きている少年達の、苦悩を思い知らされる一冊です。戦争の重く暗い話の中、少年達の笑顔のなんと輝かしいことか!

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    2011年04月06日
  • 不幸な国の幸福論

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    フォトリーディング&高速リーディング。日本の文化が人を不幸にしている背景と、その日本で幸福になる心のあり方について。大変洞察の深い文明論。

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    2011年02月28日
  • 不幸な国の幸福論

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    小説家で精神科医でもある著者の幸福論です。
    日本社会というシステム、また日本の国民性から、なぜ不幸や閉塞感を感じるのかを切り口に論じています。
    この部分を読んでいると、閉塞感を感じたりします。
    中盤以降は、どうすればもっと幸せに生きられるかをを平易にまとめてあり、こちらは読んでいて励まされる内容です。
    幸福論としては良くまとまっており、読みやすい一冊です。
    政治的な部分では共感できない部分もありましたので、★4つにしました。

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    2013年08月07日
  • 不幸な国の幸福論

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    2011/1/16
    長い目で見た人生の中で、自分なりの幸せを見いだしていきたい

    目の前の幸不幸や、他者との比較にとらわれていては、いつまでたっても幸せや満足感は感じられない

    教職員に読んでもらい、子どもたちが明るい未来を想い描ける指導をしてほしい一冊。

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    2011年01月18日