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人は意識と無意識の間の、ふわふわとした心理状態にあるときに、犯罪を犯したり、自殺をしようとしたり、扇動されて一斉に同じ行動に走ってしまったりする。その実行への後押しをするのが、「自分ではない者の意志」のような力、すなわち「悪魔のささやき」である――。精神科医、心理学者、そして作家として半世紀以上にわたり日本人の心を見つめてきた著者が、戦前の軍国主義、六〇年代の学園闘争、オウム真理教事件、世間を震撼させた殺人事件など数々の実例をもとに、その正体を分析。拝金主義に翻弄され、想像を超えた凶悪な犯罪が次々と起きる現代日本の危うい状況に、警鐘を鳴らす。【目次】はじめに 二十一世紀の日本を蝕む悪魔のささやき/第一章 悪魔はいかにして人を惑わすか/第二章 日本人はなぜ悪魔のささやきに弱いのか/第三章 人間を嘲笑い破滅させる、ささやきの正体/第四章 豊かさを餌に太り続ける現代の悪魔/第五章 いかにして悪魔のささやきを避けるか/おわりに
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Posted by ブクログ
精神科医、犯罪学者でもある著者が、医務部技官として勤務した東京拘置所で囚人たちと接して、犯罪を起こしたその時の心理を表現した言葉として多かったのが
「あの時は、悪魔がささやいたんです」
「どうしてあんなことをしたのか、自分でもわからない。悪魔にささやかれたとしか思えない」
その「悪魔のささやき」とは何なのか?
高学歴で将来を嘱望されていた人たちが、オウム真理教のようなマインドコントロールを受けるのはなぜか?
家族を簡単に殺してしまうのはなぜか?
見知らぬ人と集団自殺するのはなぜか?
自殺する勇気のない人が、犯罪を起こすことによって死刑になろうとするのはなぜか?
昨今は理解に苦しむ事件も多く、「どうして?」「なぜ?」と沢山の疑問符がついたまま。
「悪魔のささやき」とは何なのか。
「悪魔にささやかれ」ないようにするためにはどうしたら良いのか。
そんなヒントを与えてくれる本です。
Posted by ブクログ
高1か高2のときに、新書レポートの本として読んだものを再読。
読んだ本の内容をはっきり覚えていられない者ながらも、この本はためになった本としてうっすら覚えていました。
おそらく、当時の私はなんとなく法学部志望だったこともあり犯罪心理学に興味があったこともありこの本を手に取ったんだと思います。
本書は、タイトルにある通り「悪魔のささやき」についての事例やその予防策などについての見解が述べられています。
ただ、それのみならず、現代社会における問題を考えさせる要素を含んでいると思います。
社会の刑務所化、という考え方が印象的。
読みやすい文体で難解な用語もなく読み進めることができました。
最後の章では、「悪魔のささやき」に負けないようにするにはどうすればいいのかについて述べられています。
読んでみて感じたのは、「悪魔のささやき」から自分を守るため…というより、いち社会人として生活していくために必要な要素ではないか、ということです。
予備校の博識な日本史の某講師も言っていたけど、日本人はあまりにも宗教に関して無知だという意見には反論の余地がありません。
事実、私はキリスト教とかイスラム教とか仏教、神道でさえも浅い知識しかないです。
今までたどってきた歴史等を踏まえると、日本人がそのようになるのも仕方ないような気もしますが…
夏目漱石も書いていたように、外国から文化を受け入れ「上滑りの文明開化」(ですよね?自信ない…)を遂げた国だから自国に文化として根付いていない…?
それに、筆者はしっかりとした自分の確立も挙げていました。
これもいわゆる“われわれ”意識(すみません、誰の文にあったか忘れてしまいました;)から近代的な個の確立にシフトすることができていないのでは?
…なんて、心理学的な話以外にも様々なことを考えさせられる本でした。
(私が勝手に広げていった気もするけど)
Posted by ブクログ
-各々(特に日本人)は自分の思想を持つべき
たくさんの情報を比較し、どれが正しいかを客観的に判断した上で「私はこの道をとる」というプロセス
「集団の和を第一義に考える人間よりは、個を重んじる個から発してコミュニケートしていこうとする人々のほうが悪魔のささやきに対して耐性がある」
-私たちは、犯罪者を犯罪者としてカテゴライズすることで、自分とは異質な人とさげすみ、拒絶しがち
これは誰の心にも棲んでいる悪魔性を否定したいとする表れ。
<人間から攻撃的な性質を取り除くなど、できそうにもない!>parフロイト
-目は自分の見たいものを見れる。他方、耳には選択の自由がなく、すべての音が聞こえてくる。だから悪魔のささやきが聞こえる。
-悪魔のささやきの対処法
単調な社会生活からの脱出、偏見や自己防衛から脱皮し多くの情報を得、客観的に物事を見る
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