加賀乙彦のレビュー一覧

  • 不幸な国の幸福論

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    経済は破綻し格差は拡大する一方、将来への希望を持つことが難しい日本にあって、「幸せ」は遠のくばかりと感じている人は多い。しかし、実は日本人は自ら不幸の種まきをし、幸福に背を向ける国民性を有しているのではないか―。精神科医、心理学者でもある作家が「幸せになれない日本人」の秘密を解き明かし、幸福になるための発想の転換法を伝授する。追い求めている間は決して手にいれることのできない「幸福」の真の意味を問う、不幸な時代に必読の書。

    日本人は心が貧困なんですね、わかります。
    「金持ち」なのに「貧しい」と言って憚らない人ってウザイ。

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    2011年09月08日
  • 不幸な国の幸福論

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    久しぶりに★四つ!五つでもいいのだけれど・・。
    前半が少し暗めなので・・。

    素敵な本でした。今考えている「幸福とは?」「自分の人生の目的は?」「日本という国の問題点は?」「老いとは?」に答えを出してくれました。

    くわしくはまた・・・。今ていねいに読んでいます・・。

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    2010年10月28日
  • 不幸な国の幸福論

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    大別すると1~2章では今の日本で「不幸」を感じる原因。3~4章ではそれを踏まえて「幸福」になる方法が書かれています。
    最近感じていた「幸せ」を探す息苦しさの原因が少し判ったような気がします。
    「非常に曖昧で、多様で、流動的なもの」である「幸福」を定義しようとしているから息苦しかったのかも知れません。
    4章の「老い」と「死」との向き合い方を書いた章は作者自身も高齢なこともあり説得力がありました。

    しかし、「です、ます」調の文章とそれ以外の文章の混ざり具合が読む呼吸を乱して少し読みにくかったです。

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    2010年06月17日
  • 不幸な国の幸福論

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    [ 内容 ]
    経済は破綻し格差は拡大する一方、将来への希望を持つことが難しい日本にあって、「幸せ」は遠のくばかりと感じている人は多い。
    しかし、実は日本人は自ら不幸の種まきをし、幸福に背を向ける国民性を有しているのではないか―。
    精神科医、心理学者でもある作家が「幸せになれない日本人」の秘密を解き明かし、幸福になるための発想の転換法を伝授する。
    追い求めている間は決して手にいれることのできない「幸福」の真の意味を問う、不幸な時代に必読の書。

    [ 目次 ]
    第1章 幸福を阻む考え方・生き方(「考えない」習性が生み出す不幸;他者を意識しすぎる不幸)
    第2章 「不幸増幅装置」ニッポンをつくったもの

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    2014年10月26日
  • 悪魔のささやき

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    [ 内容 ]
    人は意識と無意識の間の、ふわふわとした心理状態にあるときに、犯罪を犯したり、自殺をしようとしたり、扇動されて一斉に同じ行動に走ってしまったりする。
    その実行への後押しをするのが、「自分ではない者の意志」のような力、すなわち「悪魔のささやき」である―。
    精神科医、心理学者、そして作家として半世紀以上にわたり日本人の心を見つめてきた著者が、戦前の軍国主義、六〇年代の学園闘争、オウム真理教事件、世間を震撼させた殺人事件など数々の実例をもとに、その正体を分析。
    拝金主義に翻弄され、想像を超えた凶悪な犯罪が次々と起きる現代日本の危うい状況に、警鐘を鳴らす。

    [ 目次 ]
    はじめに 二十一

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    2014年10月26日
  • 悪魔のささやき

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    インテリの視点であって、誠実な感じはする。この人は作品を一貫して書いてるなーと思った。ただやはりこれは口述筆記ということもあって、そこまで綿密ではないけど読み物というか「加賀乙彦というひと」ってテーマも読めるなー。面白かった。

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    2009年12月05日
  • 死刑囚の記録

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    去年憲法の授業の中で勧められた本。
    古い本だけど、死刑囚についてここまで丁寧に書いた本はあまりないんじゃないでしょうか。

    これを読むと、死刑制度の意義について疑問を持ちます。
    死への恐怖は被告人の精神崩壊や嘘の供述を引き出して裁判を長引かせるし、
    被告の心は死んだ被害者よりも、死ぬかもしれない自分自身に向いてる。
    そして結局、死刑にしたところで遺族の念は晴れない。


    贖罪は死刑って形では何も達成されないと思いました。

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    2009年12月01日
  • 死刑囚の記録

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    通常は知りえない死刑囚についてかかれています。著者が勤めていた時代が1950年代と結構古いんですが当時の死刑囚の生活、事件の背景、その心理、拘禁反応などなどをうかがい知ることができます。

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    2009年10月04日
  • 死刑囚の記録

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    まだ読み途中だけど、大変興味深い。
    死刑囚を間近で観察してきた精神科医の記録なのだけど、なかなか想像を絶するところがある。
    死刑の是非を議論する時に、理想や理論だけじゃなくて、実際を知るべき、実態を知るべき、現場を知るべきだと思った。

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    2009年10月04日
  • 悪魔のささやき

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    筆者は人間の弱さやずるさにつけ込み引きずり出すものを「悪魔のささやき」と呼ぶ。死を意識したり、犯罪を犯すとき、ポンと背中を押すような「ささやき」だ。

    おかしいと思う政治の流れを食い止められないのは流されやすさだ。そこには「無意識の個人内情報操作」が働いているという。つまり「見たくないものは見ない」傾向だ。ネット情報から自分の望む情報だけを探し、私たち自身が自分をだますことは続いている。また、「自分と自分の周辺だけが大事」なミイイズムもはびこっている。未来に希望が見いだせないプリゾニゼーション(社会の刑務所化)によって関心の狭隘化が起きているのだそうだ。長い拘禁状態で長期囚が自分の生活以外の

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    2009年10月04日
  • 悪魔のささやき

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    何か過ちを犯してしまったときによく聞く「悪魔にささやかれて」とか、「魔がさして」という言葉。その悪魔とはいったい何なのかを記した本。ただの言い訳としてではない現象として追求してみようっていう。ただ体験談のインタビューや犯罪の話で読者に刺激を与えるだけで終わらすんじゃなくって、第二次世界大戦前後の歴史から日本人の精神構造を分析したり、宗教としての悪魔も参考にしたりと、読み応えアリ。しかもわかりやすい。ちゃんと筆者が考えた対策までも述べられている。己の人格をちゃんと意識しろと、集団に流されない個をちゃんと持て、考えることを止めるな、逃げるな、ということですね。簡単そうに思えて、けっこう難しい。自分

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    2009年10月07日
  • 帰らざる夏

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    文庫で1500円もした衝撃は忘れられません。内容は戦時に置ける行動と思想の崇高さがやはり異常で恐ろしい。案外怖く無さそうな死がそこにあってもっと怖い。BLだと思って読むと大変だ。

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    2009年10月04日
  • 帰らざる夏

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    戦時下の特異な青春の苦悩を鮮烈に描いた長編。谷崎潤一郎賞受賞。600ペ−ジにわたるまさに長編だったけど、続きが気になって一日で読めてしまった…。

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    2009年10月04日
  • 死刑囚の記録

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    死刑囚たちとのやりとりや、彼らの生活を知れる本。
    著者は最終的に死刑には反対らしいが、それは著者が多くの死刑囚と過ごしてきて気持ちが寄り添いすぎたというのもあるのではないかなと思った。
    書かれている犯罪の中には相当に酷く、この犯罪者を再び世に出すのはどうなんだろうか……と思わせるものもある。
    死刑については議論の余地があることだとは思うし、獄中生活がどれだけ辛いかというのもわかるけど、その人に無惨に殺された被害者の遺族の気持ちや再犯についてを考えると……難しい問題だなと思う。

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    2025年08月31日
  • 科学と宗教と死

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     「ヨーロッパでは科学が発達してくるのはルネサンスの頃ですが、もともと神の秘密を探るのが科学」だったということに驚きました。だからこそ、科学を「突き詰めて研究していくと結局『神』という概念に行き着いてしまうといいます」とのこと。科学には疎いですが、人間の体の精巧さを思うと、そこに創造者の存在を思わずにはいれない。


     本の趣旨とは関係ないが、加賀乙彦の大学時代の教授が内村鑑三の息子、内村祐之だっということが嬉しかった。
     もう一点。太平洋戦争時、3月10日の東京大空襲を指揮したルメイ将軍に、戦後航空自衛隊への戦術指導などの功績により、日本政府は勲一等旭日大綬章をおくった、ということに呆れた。

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    2024年06月08日
  • わたしの芭蕉

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    前半では推敲の流れを追いながら名句を紹介。芭蕉ほどの人でも吟味に吟味を重ね一句を創作していく様子を体感できる。
    後半では野ざらし紀行やおくのほそ道を取り上げ、著者の視点から入門的な解説がなされる。芭蕉の作品を身近に触れるのに適した一冊。

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    2023年11月18日
  • 不幸な国の幸福論

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    感想
    自分の立場を客観的に見る。何か起きた時に自分を可哀想と思いすぎない。いつまでも引きずり嫉妬が心を蝕む。幸福になるために冷めた頭で考える。

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    2023年01月16日
  • 科学と宗教と死

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    小説家で精神科医でもある著者の自伝的エッセー。生と死についてに主眼を置いて書いておられる。戦時中にあった命を軽視しているとも取れる教育を受けてきた少年時代、心理学と精神医学の研究に没頭した青年時代と、過去を振り返りながら、科学の限界と無力さ、そして宗教を信じることの意味など、老境に達しておられる著者ならではの示唆に富んでいて、色々と学ぶところも多かった。

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    2022年12月06日
  • ある若き死刑囚の生涯

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    1968年の横須賀線爆破事件の犯人である事件当時25歳の死刑囚の手記と加賀乙彦氏との往復書簡をまとめた作品。

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    2021年12月13日
  • 死刑囚の記録

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    あくまで拘置所での観察記録となります。

    一番印象深いのがメッカ事件の正田昭死刑囚です。
    「大人」といわれるひとたちをこころから憎み、怖れておりました。(中略)私の、この拭い難い不信と憎悪の対象である「大人」の中に、たまたまHさんがおいでになっただけでございます。
    この言葉に共感してしまう私もいかがかと思いますが、案外同じように感じている方も多い気がしています。

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    2021年06月11日