科学と宗教と死

科学と宗教と死

693円 (税込)

3pt

昭和4年に生まれ幼い時から戦争の時代を生きてきた著者。第二次世界大戦後も死刑囚と接する拘置所の医務技官として、また作家として、常に人間の生と死に向き合ってきた。子どもの頃は怖ろしい存在であった死が、医務技官して接した死刑囚の信仰心によって劇的に変化を遂げたこと。79歳で突然迎えた最愛の妻の死。そして81歳の時に心臓が停止して死の淵をさまよったこと。医師・作家・そして信仰の徒としてのこれまでの人生と、その中で続けてきた死についての思索の軌跡を素直につづる。【目次】はじめに/第一章 少年の心に植えこまれた死/第二章 死へのアプローチ/第三章 迫りくる老いと死/第四章 生を支える死と宗教/おわりに

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科学と宗教と死 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    科学と宗教や迷信などを絶対に交わらない相反するもの、として譲らない人にこれ読んでほしいなぁといつも思ってます

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    2021年05月08日

    Posted by ブクログ

     軍国主義時代に育った著者は、戦争による多くの死を見て、受けた教育との板ばさみに苦しむ。
     精神科医となり、犯罪者の心理学の研究を行う中でも、死についてたびたび考えた。
     学問という科学では、限界がある人間の心の深さを感じる一方、長く人間を支えてきた宗教に思いをはせる。
     死刑囚との交流やフランス滞

    0
    2018年08月05日

    Posted by ブクログ

    加賀乙彦先生は最も尊敬する作家の1人です。

    「永遠の都」は2度読みました。

    沼野先生とのドストエフスキーについての対談もお聞きしました。

    本書を読んで初めて知ったこと。

     陸軍幼年学校の御卒業であること。

     最愛の奥様を亡くされたこと。

     心臓ペースメーカーをつけられたこと。

     昔、フ

    0
    2012年03月04日

    Posted by ブクログ

    小説家・精神科医・キリスト教徒である著者が生と死について説いている

    人の行動原理を心理学だけで説明することはできないという点は同意
    著者はその根底には魂があると述べていたけど、私は実存主義寄り(?)なのでそれだけでは弱いと感じた
    どんな現象も分子生物学的に説明できるはずだとどこかで思っている節があ

    0
    2022年04月27日

    Posted by ブクログ

    著者の戦争体験と、自身の犯罪者の精神医学的研究より考察された生と死への考察。そして自身の宗教的体験についての、ほぼ自伝的な本とも言える。東日本大震災と原発問題についても触れ、科学と宗教の絡みについても述べられている。いかに生きるか、宗教は理解することではなく、体験することである、ということを述べるこ

    0
    2013年11月10日

    Posted by ブクログ

    著者は東大医学部を卒業したあと、東京拘置所で医務技官を務めるなどした精神科医。囚人を観察していると、死刑囚と無期囚で明らかに違いがあるという。死刑囚は、毎日、「明日殺されるかもしれない」という非情に切迫した濃密な時間を生きているのに対して、無期囚は無限にうすい時間を生きている。無期囚は一つの鋳型には

    0
    2012年04月01日

    Posted by ブクログ

     「ヨーロッパでは科学が発達してくるのはルネサンスの頃ですが、もともと神の秘密を探るのが科学」だったということに驚きました。だからこそ、科学を「突き詰めて研究していくと結局『神』という概念に行き着いてしまうといいます」とのこと。科学には疎いですが、人間の体の精巧さを思うと、そこに創造者の存在を思わず

    0
    2024年06月08日

    Posted by ブクログ

    小説家で精神科医でもある著者の自伝的エッセー。生と死についてに主眼を置いて書いておられる。戦時中にあった命を軽視しているとも取れる教育を受けてきた少年時代、心理学と精神医学の研究に没頭した青年時代と、過去を振り返りながら、科学の限界と無力さ、そして宗教を信じることの意味など、老境に達しておられる著者

    0
    2022年12月06日

    Posted by ブクログ

    前半は著者の体験談から来る話。第4章以降がこの本のメインのような気がします。「祈り」という行為を尊重していて、著者の人柄が出ていました。

    0
    2013年02月13日

    Posted by ブクログ

    戦争体験と拘置所医務技官の体験から作者独特の死生観、宗教観を述べている。個人的には共感する部分が多い。終盤、科学者の態度として謙虚であるべきとの考えを展開する延長で原子力に言及している。謙虚であることに異論はないが、未知の領域を探究するのが科学者ならば、障壁を作るのではなくて克服して行くべきで、この

    0
    2013年02月05日

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