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経済は破綻し格差は拡大する一方、将来への希望を持つことが難しい日本にあって、「幸せ」は遠のくばかりと感じている人は多い。しかし、実は日本人は自ら不幸の種まきをし、幸福に背を向ける国民性を有しているのではないか――。精神科医、心理学者でもある作家が「幸せになれない日本人」の秘密を解き明かし、幸福になるための発想の転換法を伝授する。追い求めている間は決して手に入れることのできない「幸福」の真の意味を問う、不幸な時代に必読の書。【目次】第一章 幸福を阻む考え方・生き方/第二章 「不幸増幅装置」ニッポンをつくったもの/第三章 幸福は「しなやか」な生に宿る/第四章 幸せに生きるための「老い」と「死」/あとがき
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Posted by ブクログ
"知り合いから紹介された本。日本の現状を様々なデータも交えながら、的確に言い得ている。知り合いの方も言っていたが、著者の加賀乙彦さんとほぼ同じ風に世の中を見ていたので、ある意味痛快だった。
不幸な国とは、我が国日本。日本は社会、仕組み、共同体として不幸を生産している。そんな国に生きる人間の幸福とはなんなのか?という問いかけをしているのが本書である。刺激を受けた部分をメモしておく。
第一章 幸福を阻む考え方・生き方
「見られる自分」に対する意識の強さと「悩み抜く力」の欠如
「悩み抜く力」の欠如=「考えずに受け入れる」ことが当たり前になった
つまり、
・新しい技術で生み出された文明の利器をただ享受するだけになった
・テレビ、電卓、PCなど普及し、自分の頭で考え抜くことをしなくなった
そして、
・自分にマイナスのレッテルを貼る=他者との比較でのみ自分の価値を見る(子供の自尊心)
(長所、短所丸抱えで、ありのままの自分の現状を知った上で、
今の自分より成長をしたいと願い努力するのが大人の自尊心)
その原因は、過保護、過干渉で子供に過剰な期待をかける親の存在。
子供が傷つかないよう、失敗しないように世話を焼き、あるがままを受け止めず誰かとの比較で○×をつける。
社会も同様、「足の遅い子が傷つくから、平等に」などで、運動会で順位をつけるのをやめておきながら、偏差値という物差しだけで子供をはかり競争させる。
「見られる自分」に対する意識の強さ=個を育てない教育(家庭~学校)
つまり、
・幼いころから、子供の秘密を暴く親が多い(子供を異なる人格を持つ人間として認められない)
→子供の自我確立を妨げる
・そして、人目を気にする国民ができあがる。(フランスは、人と同じことで悩む)
第二章 「不幸増幅装置」ニッポンをつくったもの
経済的疲弊が自殺に直結する国は日本のみ。
GDPに占める社会保障の割合は、17.7%(OECD加盟国中23/29位)
GDPに占める公共事業の割合は、1970年代初頭から最近まで先進国中トップ
NY Times「日本の破産への道は公共事業によって舗装されている」1997.3.1
流されやすい国民。
1.好奇心旺盛、2.「個」を主張しにくい社会、3.「考えない」の習慣化
第三章 幸福は「しなやか」な生に宿る
1943年 ラインホールド・ニーバー牧師の言葉(マサチューセッツ州にて)
神よ、私たちにお与え下さい。
変えることのできないものを受け入れる冷静さと、
変えることのできるものを変える勇気を。
そして、2つを見分ける知恵を。
第四章 幸せに生きるための「老い」と「死」
死と向き合うことで、生を見つめ直し、老いを楽しむ。"
Posted by ブクログ
アーティストとして生きている中で、同時に心理カウンセラーを志して、心を扱う本をたくさん読みました。
その中でも「不幸な国の幸福論」は、身にしみた本の一つです。
7年前、アジア各国を巡っていた頃を思い出しました。
第三章「幸福は「しなやか」な生に宿る」を読んでいた時です。
以下、僕の体験です。
アジアで見かける多くの外国人(僕を含めて)は、裕福だからこそ、その地に降りたって、ここぞとおいしいものを平らげていました。
そのほとんどが、肥満体型で、現地の人のほとんどが普通かそれ以下にやせ細ってる。
食べ物に困っている国の中にいて、その場所で、私たちはぶくぶくと太っていて、とてもいけないことをしているような・・・
そんなことに気づいていきます
食べ物と同じように、これで充分と思えば、充分幸せなのに、「もっともっと」と思ってしまう。欲求は絶え間ありません。
そのことが本当に幸せなのか?
「不幸な国の幸福論」を読んで改めて気づかされました。
程よく、今日、食事にありつけたことで幸せを感じられる人もいる。
反対に、「もっともっと」とおいしさ、高級感、食べる量にたいして、絶え間ない欲求を発っし続ける人もいる?
(そのほとんどが先進国に人なんだけども・・・)
今の自分を幸せと思えなければ、新たな欲求がやってきて、自分はその欲求に従う生き方をしてしまいそうです。
自分がほしがればほしがるほど、弱者から結局は奪っているものもあると言うこと。
とりわけ日本では、現状維持、今の自分に満足するという考え方が情けないことのように言われることもある。
でも、この本を読んで、改めて思ったことが、
今を幸せに思いたい
ということでした。そして、新たな欲求に従わずに生きられることで、自分自身、なにに従うべきか、じっくり考えることができるのかと思います。
一読者として、著者 加賀乙彦先生には、お礼を申し上げます。
ありがとうございました。
Posted by ブクログ
幸せとは幸せだと認識できること
自己の認識を変える以外に幸せになる方法はないと思う
今の自分が不幸だと思うとき、周りの環境や人がそう思わせているのであって、それが事実ではないということを認識しなければいけない
✏自分の苦悩にばかりアンテナを向けていると、どんどん視野が狭くなり、客観性も失われていく。自分が誰よりも不幸に思えてきて、周囲の人が抱えている痛みに鈍感になり、人間関係にも悪影響を及ぼしかねない。
✏真に悩む、悩み抜くとは、自分の苦悩を材料に考え抜くということ。普段から何か問題が起きたときに、その遠因と近因を多角的、客観的に分析し、今の自分にできる対策は何かと考える習慣のある人は、自己憐憫の罠や自分の不幸を誰かのせいにしたくなる心の動きに、そう簡単に飲み込まれない。
✏人はときどき、何が自分を幸福にするかについて間違った理論を作り上げ、それに基づいて欲望を形成した結果、ミスウォンティングをおかすことになる。
✏確固たる「個」は、自分の頭で考え抜くと同時に、互いの意見をぶつけ合いながら人間関係を深めていったり、ときには周囲の声に抗ってでも自分の意思で選択し行動することによってしか鍛えることができない。
✏必要なのは、変えることのできないものを受け入れる冷静さ、変えることのできるものを変える勇気、その2つを見分けるための知恵
✏周囲の環境や運ではなく、その人が世界とどう関わっていくかという、人間の生きる姿勢が幸福を作る。
Posted by ブクログ
幸福とは何か?人類普遍のテーゼである幸福の在り処や人の生き方を描いたもの。著者の体験談や本の引用が各所に散見され、著者の考えに肉付けがなされ説得力のあるものになっているように思われました。
現代社会に蔓延る「不幸」は、実は自分自身が招き寄せたものではないか?
政治が上手く動かないのを政治家だけの責任にしていいのか?私達国民が「考える」ことを放棄したことが幸福を逃しているのではないか?
幸福はしなやかな生に宿る。考え方を柔軟にすることで、私達は「快楽のトレッドミル」から降り、幸福を正しく捉え、死を怖れることなく悔いのない人生が送れるのだと、著者は言っています。
単に幸福論を読みたい方にもおすすめですが、著者の読書経験の豊富さに圧倒された私は、次に読む本を探すうえで非常に参考になったため、幸福論やそれに関係する書物を探している人にも是非読んでいただきたいと考えています。
Posted by ブクログ
1929年生まれの精神科医で、東京拘置所の医務技官や東京医科歯科大学助教授、上智大学教授を務めた人の話。少々右寄りだが、国際的感覚を持った日本人であれば、正道な主張と感じる。
高齢者による万引きや介護疲れ殺人が急増していること、パスカルの賭けの話(パスカルは、著書『パンセ』の中で、神はいないとしても、いると信じると考えた時の利益の方が大きいことを指摘したもの)は面白い。
「神よ、私たちにお与え下さい。
変えることのできないものを受け入れる冷静さと、
変えることのできるものを変える勇気を、
そして、その二つを見分けるための知恵を」
(ラインホールド・ニーバー牧師の1943年マサチューセッツ州での祈り)
これには、感動しました。
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