堀辰雄のレビュー一覧

  • 風立ちぬ・美しい村
    「風立ちぬ」

    幸せと悲しみはこんなにも隣り合わせなのだ
    悲しみがないとほんとうの幸せを感じることはできないのかもしれない

    そして物語は、「人々がもう行き止まりだと信じているところから始まる」

    かなしみの感情は常に自然に包まれる
    人間などいかほどのものでもないのだ、、、
  • 燃ゆる頬

    いざ燃ゆる頬を君が頬に

    涙が止まらなかった。原作も読みたいです。こんなに美しく描けるものなんだなぁ…
  • 風立ちぬ・美しい村
    私は死について考えるのが嫌いだ。
    祖父母、両親、飼い犬の死を想像するだけで、
    どうしようもない喪失感に駆られて涙する。
    どうして死なんてものがあるのだろうかと
    避けられない死が怖くてたまらない。

    けれど『風立ちぬ』に出会って、最愛の人の死を受け入れるヒントをもらった気がする。


    「帰つて入らつし...続きを読む
  • 風立ちぬ・美しい村
    病魔におかされた妻との愛おしい生活を、一日一日、繊細に書き込んでいく愛の記録、愛と死、静かにゆっくりと再生へと乗り越えていく物語
  • 風立ちぬ・美しい村・麦藁帽子
    高原のサナトリウムで療養中の節子と婚約者の主人公。確実に死へ向かっている雰囲気はある中、2人のプラトニックな関係の心理描写や情景描写が美しい。
    生死感、幸福の形、夫婦(パートナー間)間のあり方などは様々。私がこの2人から感じたことは、お互いが支えるとか支えられるとかではなく、共に時間や空気を共にする...続きを読む
  • 風立ちぬ・美しい村
     切なくて綺麗で、アホな感想ですけど蛍みたいな話に感じました。

     「ずっと後になって今の生活を思い出せば、どれだけ美しいだろう」
     この言葉が好きすぎて、さも自分の言葉のように誰かに言いいます。

     ジブリ版の「風立ちぬ」も好きやったんですけど、ジブリ版は物語すぎてちょっと違うなと思いました。
     ...続きを読む
  • 風立ちぬ・美しい村
    美しい村〜風立ちぬ。

    美しくて、純粋で、心が癒される。

    意識的に一文を長くしつつ、これほど自然に伝わるのは、さすが堀辰雄。

    「風立ちぬ、いざ生きやめも」
    よく誤訳だと聞くが、堀辰雄らしくていいと思う。彼は、意識的に訳したんだと思う。

    最後に、こんな素晴らしい作品を残してくれた堀辰雄に感謝した...続きを読む
  • 風立ちぬ

    生と死

    死の影に追われているからこそ、より一層、生を実感する。きっと叶わないと分かっていても、それを口には出さない。悲しいけれど、それ以上に透明感や美しさが際立つ作品だと感じた
  • 風立ちぬ・美しい村
    「私たちの今の生活ずっとあとになって思い出したらどんなに美しいだろうって…」サナトリウムにいる病床の節子が言うのだ。なんとピュアな、とても幸せで切ない言葉。ハイカラ、軽井沢、サナトリウム、恋と死。堀辰雄の描く、儚く切ない世界観は、晩年病床にあった堀自身の生への執着を投影している。この美しさはなかなか...続きを読む
  • 羽ばたき Ein Marchen
    鳩山郁子の本は8割がた読んでいる。
    毎回ため息をつくほど好きなのに、どこか走り去りゆく作者の背にタッチできないような、隔靴搔痒を感じていた。
    が、今回は確実に、少しだけ触れた。
    もちろん読後、その感触だけ残していつものように作者は逃げていったのだが、触れた瞬間の喜びと、走り去られるに違いない喪失感の...続きを読む
  • 羽ばたき Ein Marchen
    鳩山郁子のファンなので冷静に善し悪しを論じるのは難しい。
    鳩山さんの作品は、言語化しづらい空気とか気配とか光の煌めきをそのまま漫画にしているというか…ただただキラキラした空間に圧倒されてる内に読み終えてしまう感じがします。
    今回は原作つきとの事でしたがしっかり鳩山郁子ワールドを堪能できたと思いま...続きを読む
  • 風立ちぬ・美しい村
    「言葉が綺麗なのでぜひ」ってオススメされて読み始めたんだけど、本当にその通りだった。言葉一つ一つが瑞々しくて2人の世界に引き込まれる。ストーリーというより、美しくて儚い世界。他の作品ももっと読みたくなる。
  • 風立ちぬ・美しい村・麦藁帽子
    「美しい村」
    前半は田舎の情景描写が主だが後半は専ら絵を描く少女との交流を通したものが主になる。全体的に散在してる印象。実際に起きたことをぽつぽつと書いているような。
    「麦藁帽子」
    夏を背景に少女に対する想いの移り変わりを描いた作品。彼女への想いにまた気づかされるシーンは印象的。二人はもう交わること...続きを読む
  • 堀辰雄/福永武彦/中村真一郎
    同名のアニメですっかり有名になってしまった『風立ちぬ』でなく、「かげろうの日記」とその続篇「ほととぎす」を採ったのは、大胆な新訳が売りの日本文学全集という編者の意図するところだろう。解説で全集を編む方針を丸谷才一の提唱するモダニズムの原理に負うていることを明かしている。丸谷のいうモダニズム文学とは、...続きを読む
  • 風立ちぬ
    「曠野」
    忘れられないほど強烈な人や時間が身体にこびりついている事で「生きている」という実感が持てるものなのかな…
    と読んでいて思いました。
  • 風立ちぬ・美しい村・麦藁帽子
    ジブリ映画『風立ちぬ』公開記念読書第二弾。表題作の「風立ちぬ」を始め、「美しい村」など五編が収録されている。

    「美しい村」(1933)

    初夏の軽井沢に滞在した主人公の体験が綴られる。四部構成で、それぞれ順番に発表されている。作者の実体験を元にして順次書かれているので、作者の予想しなかった方向に話...続きを読む
  • 風立ちぬ
    夏の静かな木漏れ日のような、冬の凍るような早朝のような、
    美しく、爽やかな、そして悲しい本
    これに感動できるようになったのは、少しは成長したってことなのかな
  • 風立ちぬ
    美しい本だった。
    西洋の風景画のような柔らかな色彩と、息づまるような静かな熱情。融ける寸前の雪のように果敢ない。
  • 風立ちぬ
    愛する人の死。
    心理描写が逸脱で、白々しさが全くありません。
    淡々と語られているのが、かえって胸が締め付けられるような気がします。とても繊細な作品です。
  • 鼠(乙女の本棚)
    「子供たちは鼠のように遊んだ」という冒頭のフレーズが淫靡で、即惹かれた。
    始終薄暗いイラストが、その妖しさを常に漂わせている。暗がりで男の子たちが禁じられた遊びを繰り広げていく様は、彫刻の女性像の出現によって、更に罪悪感を増してゆく。
    亡くなった母親への寂しさを慰めるために、仲間に嘘をついてまで隠れ...続きを読む