堀辰雄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
小淵沢に行ったので避暑地の物語的なものを読みたくて調べたらまっさきにこれがヒットしました。
軽井沢が舞台だと思っていたら、前日譚のような『美しい村』は旧軽井沢が舞台ですが、『風立ちぬ』のサナトリウムは富士見高原療養所がモデルでした。現在は富士見高原病院ですが2012年までは資料館として建物が残っていたとか。
富士見にはmountain bookcaseさんに行ったとき、少し歩きました。今ではだいぶ変わっているはずだけど、主人公が散歩した谷や雑木林を現在の風景に重ねてイメージしてみる。
堀辰雄は初めて読みましたが、風景の綴り方や文体のリズムが詩のようで美しいですね。
中村真一郎の -
Posted by ブクログ
乙女の本棚シリーズから、堀辰雄さんとねこ助さんのコラボ作品「鼠」です。「山月記」の虎のような、迫力のある「鼠」が描かれていたらどうしよう…と恐る恐る手にした作品です(汗)。でも、そんなことは全くなく、美しい美少年が描かれてます!
少年たちは、暗くカビの匂いのする秘密の隠れ家で鼠のように遊んでいた。思い思いのものを持ち込んで同じ時間を過ごしていた…。ある日石膏の像が持ち込まれたのだが、それが破損したことが契機となりその後お化けが出ると少年たちはその隠れ家に寄り付かなくなる…。ただ1人の少年をのぞいては…。少年は亡き母を思い、1人泣ける場所としてその隠れ家に留まっていたのだった…。
この -
Posted by ブクログ
ジブリの風立ちぬは、この風立ちぬと堀越二郎の人生をがっちゃんこしたものである。
この風立ちぬは、妻の結核に付き添う夫の話になっていて、心理的描写は情景描写が、夫や妻の悲しみに暮れる様子を上手く表現している。
場面場面で飛ぶような感じがするので、想像力が少し必要になる。
実体験に基づく話ではあるのでリアリティはたしかに伝わるが、そこまで感動はしない作品ではあった。
ジブリの風立ちぬでは、僕は生きるぞ!という前向きな終わり方をするけれど、この作品はそうではない。
おそらく、ジブリが取り上げていなければ、手に取らなかった作品になっていたと思う。 -
購入済み
ジブリ映画を見て
細かくてつらつらと書かれる心情の描写に私も胸が締め付けられそうになった。映画の風立ちぬにも描かれていた幸福をもっと細かく読み取れた気がする。