堀辰雄のレビュー一覧

  • 風立ちぬ・美しい村

    Posted by ブクログ

    バッハ「ト短調のフーガ」の追いかけるようなピアノ曲が創作意欲をかきたてたという。

    「美しい村」…序曲 美しい村 夏 暗い道
    「風立ちぬ」…序曲 春 風立ちぬ 冬 死のかげの谷

    目次をみているとそんな楽の音が聞こえそうである。


    「美しい村」

    精神的危機(多分、苦しい恋愛)を持てあまして、季節にはまだ早い軽井沢に来て鬱々としている小説家らしい主人公。ラブレターもどきの手紙をうじゃらうじゃら書いて暇をつぶしている。ふざけて書いたが、この序曲手紙部分に若い私はぐっーときたのよね。何故ゆえにか。

    文章をいろどっている、高原の乾いた空気、野ばらや藤の花のにほひ、空き家の別荘やバンガロオ、落葉松

    0
    2021年09月12日
  • 羽ばたき Ein Marchen

    Posted by ブクログ

    堀辰雄の『羽ばたき Ein Märchen』をコミカライズしたもの。
    原作小説と文筆家・長山靖生氏による解説を同時収録。

    0
    2021年06月23日
  • 風立ちぬ・美しい村

    Posted by ブクログ

    読んだのは20年以上前か。とにかく美しい文書だったことを覚えている。

    山口周『ビジネスの未来』で引用。

    0
    2021年03月19日
  • 堀辰雄/福永武彦/中村真一郎

    Posted by ブクログ

    堀辰雄の「かげろうの日記」と「ほととぎす」。
    ここにはヨーロッパ仕込みの見事な「平安文学の心理小説化」がある。前回配本の森鴎外からもう一歩進んでいる?

    平安貴族の生活が生き生きと描写されて、物忌みや、待っていることしか出来ない貴族女性の立場、子供のような道綱(藤原道綱)の振る舞い、揺れ動きながらたまに男を手玉にとる道綱母の行動など、なかなか興味深い。

    道綱も成人したころに、夫は他の女に産ませた「撫子」という少女を連れてくる。次第に情が移ってきちんと育て始めたころに、頭の君が撫子を求めてひつこいぐらいに道綱に連絡する。「まだほんの子供ですから」と「いや一目だけでも」何度も何度も同じやりとりを

    0
    2017年12月23日
  • 堀辰雄/福永武彦/中村真一郎

    Posted by ブクログ

    高校時代に、図書同好会というサークルに入っていたが、1級上の先輩が福永武彦を愛読していた。当時は特に惹かれるものはなかったのだが、今読んでみると、意識の流れの描写が洗練されていて上手いと思う。
    堀辰雄のかげろうの日記も楽しく読んだ。中村真一郎もそうだが、昔の作家はきちんと古典に学び、吸収していたのだなと感心する。

    0
    2016年06月12日
  • 風立ちぬ・美しい村

    Posted by ブクログ

    まず「風立ちぬ」を読む。

    重い病を患って死に向かう最愛の人「節子」と過ごす主人公の日々の心象が、美しい高原の四季と織り合わされたような物語。

    「私達がずっと後になってね、今の私達の生活を思い出すようなことがあったら、それがどんなに美しいだろうと思っていたんだ。」

    二人は迫る死の影にも絶望することなく、ある完全な幸福感を一日一日噛みしめるように生きている。それは死の手前にある生ではなく、死を越えてある生の物語。

    私達をとりまく風景には私達の心象が反映されているし、心象というものも、とりまく風景の反映を受けている。心に思い描くものと目の前に広がるものの間には、思っている程の境界線がないのか

    0
    2015年09月19日
  • 風立ちぬ

    Posted by ブクログ

    代表作「風立ちぬ」のほか3編が収められている。
    「風立ちぬ」については、定義はともかく、これが純文学なんだなと思う。ピュアで、美しく、切ない。余命いくばくもない妻をあんなにも愛せるものか…。

    0
    2015年08月12日
  • 堀辰雄/福永武彦/中村真一郎

    Posted by ブクログ

    長編というか、いろいろなタイトルがおさまっていて
    500P弱を読み終わりました。
    堀辰雄氏・福永武彦氏(池澤夏樹氏の父)・中村真一郎氏
    3人の作品。
    堀辰雄氏の「かげろうの日記」「ほととぎす」は
    いまいちわかりませんでした。
    福永武彦氏の「深淵」「世界の終り」「廃市」は
    3作品ともとてもよかったと思います。
    狂気・退廃・情念などがにじみ出ていたと思います。
    中村真一郎氏の「雲のゆき来」は漢文や漢詩
    古文詩などが多くあって、読みづらい部分が多く
    ありましたが、それを差し引いてもとてもよかった
    と思いました。
    やっぱり自分の知らない作品それも古典的な作品
    に出逢える機会は大切だと思います。
    この全

    0
    2015年05月17日
  • 風立ちぬ・美しい村・麦藁帽子

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    すべてがそれぞれ,主人公の独白からなる短編集.

    周囲の風景の描かれ方はとても緻密で
    いかにも抒景的なのだけれど
    何かを隠しているようで,何かをさらしているようで,
    何か諭し教えてくれているようでもある.

    0
    2014年04月08日
  • 風立ちぬ

    Posted by ブクログ

    既に結果がわかってしまっている中でふたりの生活の静かなことったらないな〜。人生の明るさは自分が思っているよりも広いところで輝いているというくだりがよかった

    0
    2013年08月19日
  • 風立ちぬ・美しい村・麦藁帽子

    Posted by ブクログ

    堀辰雄の代表作"風立ちぬ"は、スタジオジブリの映画"風立ちぬ"の原案の一部になっています。堀辰雄の作品といえば、軽井沢など信州の高原にあるサナトリウムが舞台というイメージを持っているのですが、まさにそれです。本作で描かれる自然はどこまでも瑞々しくとても明るく美しいのですが、登場する人物には死の影が、まるで対比されるように描かれています。生きることの意味、そして死ぬことの意味、幸福の形など、読む人によって受け取るものは違うかもしれないですが何かしら残ると思います。本作は作者の体験を基に描かれているます。

    0
    2013年08月14日
  • 風立ちぬ

    Posted by ブクログ

    ジブリの新作に惹かれて、久々に読んでみることに。病気のため死と向き合いながらも、「風立ちぬ いざ生きめやも」と、自然の移り変わりをみながら生きようとする姿が印象的でした。

    0
    2013年06月11日
  • 風立ちぬ

    Posted by ブクログ

    切ないっていうか何ていうか…こう、ぐっとくる。
    地味に『あらの』(漢字出ん…)が良かった!電車の中で泣きそうになったしなー。

    0
    2010年01月15日
  • 燃ゆる頬(乙女の本棚)

    Posted by ブクログ

    多感期の少年の恋物語。男子校での生活に同性に憧憬の感情を抱き旅行までするがそこで出会った少女に想いを寄せる。同性から異性に変わるまでの機微を残酷に描く。思春期の子らは残酷さも持ち合わせ、対処の仕方も分からないやるせなさと恋の華やかさをうまく絵とリンクしていて読みやすく切なかった。

    0
    2025年11月28日
  • ビルディング(乙女の本棚)作品集(乙女の本棚)

    Posted by ブクログ

    「乙女の本棚作品集」としての三冊目。
    『赤とんぼ』『山月記』『魚服記』『鼠』『ルルとミミ』の五篇に加えて、書き下ろしイラストの『ビルディング』(夢野久作)も収録されている。

    ねこ助さんの幻想的な淡いタッチの絵は、読者を物語世界によりいっそい深く深く誘っていくようでとても好き。
    児童向けや童話風のお話とぴったりなのだけど、私は山月記がとりわけ好き。見開きで描かれる、あの威風堂々としながらも繊細そうな虎は忘れられない。

    0
    2025年09月08日
  • 鼠(乙女の本棚)

    Posted by ブクログ

    乙女の本棚シリーズ。
    仲良しの友人達との秘密の共有…と思いきや。挿絵の雰囲気も相まって、漂う仄暗さ。

    作家さんも作品も、今回初めて知りました。乙女の本棚シリーズに無ければ、きっと読むことは無かったと思います。どこか暗い雰囲気があり、でも何とも言えない味わいのある作品でした。

    0
    2025年07月16日
  • 鼠(乙女の本棚)

    Posted by ブクログ

    彼等は鼠のように遊んだ。

    乙女の本棚シリーズ。彼等(小学生?)は空家の物置き小屋に畳を敷き秘密基地のようにして遊んでいた。そこに一人の少年が女性の石膏像を持ち込み…
    子供の頃のちょっとした背徳感みたいな部分が、ねこ助さんのゴシック風イラストとマッチしていて良い作品!

    0
    2025年07月12日
  • 風立ちぬ・美しい村

    Posted by ブクログ

    この時代の小説は難しい。
    当時の軽井沢の自然の美しさがよく伝わってくる1冊です。ストーリーというよりは、自然と心の描写の美しさに感動します。

    昔の結核は、お金持ちの場合、こういう別荘みたいなところで療養していたことがわかりました。

    この時代の軽井沢に是非行ってみたい。

    0
    2025年06月18日
  • 鼠(乙女の本棚)

    Posted by ブクログ

    たぶん乙女の本棚になかったら、この『鼠』を読むことはなかったと思います。私が持っていた堀辰雄のイメージとは、全く違う作品でした。ねこ助さんが描いた少年達は、表情に秘めた気持ちが現れているようでした。

    子どもの頃、秘密基地みたいな場所で友達と過ごす楽しさと、子どもでも一人きりになれる秘密基地のような場所を持ちたいと思う気持ちが、うまく表現されていると思いました。最後に少年が味わった思いが、心を癒してくれるようになればいいなと思いました。

    0
    2025年05月31日
  • 風立ちぬ・美しい村

    Posted by ブクログ

    堀辰雄文学忌、辰雄忌

    先日ultraさんの本棚に山口百恵の「蒼い時」が登録されて、その世代の方々がざわめいておりました(*´꒳`*)
    私の持っている文庫の表紙折り返し部分には、
    三浦友和、山口百恵の「風立ちぬ」の映画から
    3枚の写真が掲載されています
    何作かこの二人の映画は観ているのですが
    こちらは残念ながら観ていません

    「美しい村」
    1933から1934年
    軽井沢で療養中、プルーストに触発
    各章を徐々に発表
    ⚪︎序曲 精神的に弱った青年
    ⚪︎美しい村 あるいは小遁走曲(フーガ)
    ⚪︎夏 ひまわりのような少女登場
    ⚪︎暗い道 少女との散歩 迷う
    バッハのフーガを聴いているうちに小説を音楽的

    0
    2025年05月28日