あらすじ
病に冒された婚約者の節子につき添い、“私たち”は高原のサナトリウムで、風変わりな愛の生活を始めた。小鳥がさえずり、山はバラ色に輝き、死の影におびえながらも、二人は残された時に幸福のすべてを見いだそうとする……。著者の体験に基づいて描かれた代表作「風立ちぬ」ほか三編を収める。
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Posted by ブクログ
夏の静かな木漏れ日のような、冬の凍るような早朝のような、
美しく、爽やかな、そして悲しい本
これに感動できるようになったのは、少しは成長したってことなのかな
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愛する人の死。
心理描写が逸脱で、白々しさが全くありません。
淡々と語られているのが、かえって胸が締め付けられるような気がします。とても繊細な作品です。
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代表作「風立ちぬ」のほか3編が収められている。
「風立ちぬ」については、定義はともかく、これが純文学なんだなと思う。ピュアで、美しく、切ない。余命いくばくもない妻をあんなにも愛せるものか…。
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既に結果がわかってしまっている中でふたりの生活の静かなことったらないな〜。人生の明るさは自分が思っているよりも広いところで輝いているというくだりがよかった
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ジブリの新作に惹かれて、久々に読んでみることに。病気のため死と向き合いながらも、「風立ちぬ いざ生きめやも」と、自然の移り変わりをみながら生きようとする姿が印象的でした。
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病を患った婚約者とのラブストーリー。幸福とは何なのか。サナトリウムで婚約者に付き添いながら、幸福と感じ、また幸福とは…と考えている主人公。時代のせいか共感は得られなかった。宮崎駿監督の「風立ちぬ」は作者堀辰雄と実在した堀越二郎とを混ぜて、ひとりの主人公に仕立てているらしいので、そちらも観てみたいと思いました。
Posted by ブクログ
3度目です。
前回は角川文庫、前々回は新潮文庫、そして今回集英社文庫で読んでみたが、氷室冴子氏の解説が良かった。
氷室さんも私と同じ中学生の頃この本を最初に手にして嵌ってしまったんだとか。私は読んではみたもののちんぷんかんぷん。中学生で堀辰雄を理解出来る感性に軽く嫉妬を覚える。
言葉遣いがとても綺麗で、お互いを合う労わり合う二人の姿がいじらしい。
一歩一歩死に近づいて行く彼女とそれを見守る恋人、辛くないはずはないのだけれど…二人だけの事を考えて、二人だけで生きる。実は少し贅沢な事なんじゃないかな…なんて思えた。
Posted by ブクログ
サウンド文学館・パルナス 小説1(日本文学)「風立ちぬ(第三章「風立ちぬ」のみ収録)」 朗読:金内吉男
なるほど、こういうのがサナトリウム文学っていうのか。「マルテの手記」もサナトリウム文学だっけ?療養先でのお話だった気がする。よし読もう。
今に集中しようにも心が千々にちぎれてどうすることもできない。これは時代や場所を越えた悲しみだ。
「僕たちほど幸せな二人はほかにいない」
ヴァージニア・ウルフも遺書の中で同じ言葉を遺していたな。