押切蓮介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
やっぱ、押切先生のギャグ漫画のキレはいいぜ
テンポが私好みで、実に読みやすい
ひよどり祥子先生の『死人の声を聞くがよい』シリーズも、これはこれで夏向きだが、ジメジメとしたうっとうしい暑気を笑って吹き飛ばしたいなら、間違いなく、コッチだな
恥ずかしながら、[完全版]が出て初めて、この『ぼくと姉とオバケたち』を知ったのだが、内容的に代表作たる『でろでろ』に近いながらも、四コマ漫画独特の凄みもあり、押切先生の引き出しの多さを実感させられた
どちらが面白いか、は決められないが、どっちにしろ、人間と幽霊、妖怪、どれもが、ここまでおちょくりあうストーリーは他に類を見ない。確固とした押切イズムがある作品だ
意見は色々とあるだろうが、私は押切先生の作品において、最大の魅力はキャラにある、と思っている。人間、人外ともにすっ飛んでいる、個性が
どちらにも人間臭さがあるうえで、常識はずれなので、我慢するのがバカらしくなるほど面白い
キャラの良さばかりを推すと、ストーリーは雑なのか、と未読、もしくは押切先生のファンでない方に誤解されてしまいそうだが、ストーリーも起承転結がちゃんと考えられている。特にオチは、破壊力ありすぎ
ジャンルが大きく異なっているので、適当な事は言えないのだが、ももせたまみ先生の『私設花野女子怪館』が好きな人は、きっと、「プッ」レベルの笑いを生むツボにはまるハズ
また、先生の作品の持ち味の一つには、もどかしいラブコメがある
この『ぼくと姉とオバケたち』の正ヒロインは、最恐の怨霊を目指す、お菊ちゃん。彼女がホの字になっているのは、主人公のマサル。野暮と自覚した上で、ついつい、彼女の恋路を応援したくなるイベントが盛りだくさんだ
そんなマサルは、最初こそ、家に憑いている幽霊らに驚かされてばっかりだったのだが、次第に異常な状態に順応していき、困難に対して力を合わせるようになり、しまいには自分の日常に欠かせない一部分になっている、と確信してしまうほど。やはり、姉・麗子と血が繋がってるだけあって、「普通」から普通にズレてる
[完全版]であるので、現在の先生の絵柄との違いを楽しめる点もオツだ
一つケチをつけるなら、アクアリウムのエッセイかな・・・
もちろん、これ自体も面白かったのだが、ファンになった身としちゃ、できりゃ、これを削って、2016版をもっと多めに書き下ろしてほしかった
この台詞を引用に出来たのは、押切先生らしさを感じたからだ。ギャグの中で、ポーンと放り投げられてくる真面目な訓戒ってのは、ギャップもあってか、結構な威力がある。自分の持って生まれた能力を伸ばすのも大事だが、夢を追うってコトは、自分に足りないモノを手に入れ、劣っている個所を伸ばす事でもある。人間でも、妖怪でも、チャレンジしてこそ、自分磨きになるのだろう -
購入済み
楽しんでこそ、ゲーム
フレームの考え方が出てきた
対戦ダイアグラムが出てきた
端に詰められない有利な状況を維持する考え方が出てきた
5巻6巻は格闘ゲームの近代化の入り口時期の話でした
そんな中で、ゲームを楽しむことを忘れない ハルオ は
ラブコメの主人公らしい、いいゲーマーだと思いました
ネットにより、世界中と競い合えるようになった今現在、
格ゲーでも、ネットゲームでも上位には必ず、
なまなかな気持ちでは踏み込めない闇を感じます
楽しむ心を忘れないゲーマーでありたいと、
気持ちを新たにできました、ありがとうハルオ。 -
Posted by ブクログ
読み終わった後に抱いた、最初の感想を偽らずに書くと、「失敗した」である
私は読むタイミングを完全に間違えた
これだけの質が高いホラーであるなら、もう1、2か月は本棚の積読コーナーで熟成させて、8月に読むべきだった
ともかく、凄い
帯にある通り、確かに、これは漫画史に刻まれて然るべき、描き手の、押切先生の魂が籠っている
最早、漫画家の才能云々は関係なく、人間そのものの本質が純粋でなければ、ここまで、私ら読み手の毛穴をブチ開いて、変な液体が出てくるほどのホラーは描けまい
誤解を恐れずに言うと、個人的な漫画の好みとしては、ひよどり祥子先生の『死人の声をきくがよい』の方を推す。けれど、ひよどり先生が藁人形と五寸釘をチラつかせてきても、私がホラー漫画として上だ、と断言するのは、コチラの『サユリ(完全版)』だ
押切先生が、得意とする、おぞましい本性を持つ悪霊が生きている人間を苦しめまくった挙句、いよいよ、キレた人間に逆襲をかまされる、そんな生者と死者の応酬の中に物悲しさを漂わせ、ほろ苦いハッピーエンドで締めくくる、そんな流れの作品である
ともかく、サユリがとことん怖い
この家に来てしまった家族が次々と追い詰められていき、本願でない死を押し迫られた恐怖で歪んだ顔が、彼女の悪質さを如実に物語っている
しかし、所詮は悪霊。人間が持っている正の怒りには敵わない
藤田和日郎先生や尾田栄一郎先生の作品でもそうだが、強いジジイとババアが登場し、活躍する漫画ってのは本物、と言いきってイイ、と私は思っている
年長者として正しい姿勢でいる、真っ当な老人は、素直に尊敬でき、その経験を継ぎたい、と思わせてくれる
この『サユリ(完全版)』でも、序盤でこそ痴呆が進んでいたバアさんが、最後の家族のピンチで正気どころか、かつての暴君っぷりを取り戻し、家族の敵討ちをすべく、手段を択ばずに無双している
やっぱ、ジジイ、ババアは見縊っちゃいけねぇわ
バアさんの悪霊退治っぷりにスカッとできる一方で、家族から幸せな日々、未来を嫉妬から奪い去ったサユリに対しても、どこか、憐憫を抱いてしまう
もちろん、死んでからも、理不尽な恨みで現世に自身を縛り続け、無関係の人間に狂気を向けていた以上、同情は出来ない。しかし、生きていた頃の辛さ、死んだ理由を知ってしまうと、どこかしら、憎しみも欠け落ちてしまう
そんな“可哀想な悪”の描き方が巧いのも、押切先生だ
私はこの作品を、完全版で読んだので、書き下ろし部分が分からないのだが、漠然とながらも、これでこそ、『サユリ』と思うラストだった
現在は何本か、連載をお抱えの押切先生だろうが、余裕があったら、ヤングアニマルに読み切りを一本、描いてくれないかな、と思っている。何故、ヤングアニマルなのかと言えば、週刊ヤングジャンプと一緒に定期購読している青年誌なので。押切先生を決して見縊っている訳じゃないのだが、正直、今のYJには、押切先生ですら割り込む余裕がないと思う。その反面、ヤングアニマルであれば、さすがに羽海野チカ先生、西川秀明先生、重野なおき先生などの上位陣は無理にしても、下位陣の連載作家からなら、その席を奪う事が可能だ、と確信している
この台詞を引用に選んだのは、正に、内容にかかわらず、多くのホラー漫画を執筆してきた押切先生の色、いわゆる、押切イズムを濃く感じられるものだから。押切先生も、きっと、理不尽な死が空から降り、友達も故郷も灰燼に変える業火が猛威を奮う、あの時代を生き抜いたからか、境界線の“向こう側”にいる「何か」の気配を、私らより感じ取る事が出来る身近な年長者の、こんな生き方を見て憧憬を抱き、そんな風に生きてやろう、と決意しているんだろうな、と思えた。人が人であり続ける努力を惜しまなければ、死んだ者が放ってくるドス黒いプレッシャーに負ける事なんてないんだろう。やっぱ、立派な老人には学ぶ点が多い -
ネタバレ 購入済み
自分史上最高作品ッッッ!
胸糞過ぎるマンガで有名なミスミソウで初めてこの作者の作品を読んで、他はどんなのだろうと気になってこの作品を読んでみました。
他の方も書かれていましたが、前半の救われ無さ過ぎる展開と後半の怒涛の展開。まさに絶望と希望が巻で真っ二つ。
これだけダークでホラーでドロドロな作品なのに、読み終わった後の爽快感が半端ないとは。
老人にアツくさせられるマンガなんて初めてでした。