あらすじ
奴隷国「日本」。1946年から1951年へ。
占領国「ショルゴール」に対してたった一人の反撃戦を戦い抜く異形の日本人「クロ」。男の拳が歴史を動かし、その神髄は赤い眼の少女「沙羅」へと引き継がれてゆく――。鬼才「押切蓮介」が重厚な筆致で描いた怪作、ついに完結!!
「このマンガがすごい!2013」オトコ編で第2位に輝いた『ハイスコアガール』の押切蓮介先生の最新作が配信開始です!!
『焔の眼』は日本が戦争に負け、戦勝国ショルゴールに隷従していく中で、圧倒的な強さを誇るクロと、クロと出会った少女が生き抜いていく物語。
フィクションと分かりながらも、ショルゴール人による日本人へのあまりに残酷なシーンには、過去の歴史で人間が犯してきた過ちもフラッシュバックしてしまいました。しかし、そんな冷徹で残酷なシーンの積み重ねで陰鬱な気持ちになりそうな所にやってくるクロと少女の迫力が『焔の眼』の一番の見所!!
戦闘シーンは決して爽快ではないし、格好良くもないけれど、とにかくスゲーので読んでください。「息を呑む」とはこのことです。今後の展開にも期待大!!
感情タグBEST3
良かった
良かった、クロが生きていてくれて良かった。
サラが黒の死と共に覚醒し、その後の物語として終わらなくて本当に良かった。。。
今日日、こういう系統の話は先人の死を糧にし、そのまま終わってしまうものが多いが、この作者はそれを是とせず、こうあって欲しいという想いをそのまま漫画にしてくれるから、好きだ。後は想像にお任せしますとか、死んだのか生きているのかわからないとか、そんな終わり方は小説だけで充分だ。漫画とその漫画を生み出した漫画家は、読者の想像なんかに結末を委ねず、己の望む、己の想い描いた結末をキッチリ描ききるべきだと考える。
だから、この作者の漫画は好きだ!!
日の本の国
我々の愛する日の本は、シナゴーグを前にして、このような美しさを示せるのか。三つの島は、かつて問うていた。既にこの国は、屋台骨を溶かされたのでは無いかと。否、我々には、この国に生まれた魂が、備わっている。押切先生の熱血が炸裂した、溶けた鉄の塊が、本作品である。見るべし。読むべし。反芻すべし。
Posted by ブクログ
嘲笑われるのを承知で書くが、どんなジャンルの漫画であれ、オリジナルって事が何よりも大事だ
しかし、読んでいる内に、「この内容なら、A先生が描くよりは、B先生が描いていた方が面白いんじゃなかろうか」、そう思ってしまう作品があったりもする
漫画家全員がそうとは言わないが、ここ最近、唯一であるべき個性が似たり寄ったりになっている、私が感じてしまう漫画が増えてきている気がしてならない
それでも、稀に出逢えるのだ、「この漫画は、この先生しか絶対に描けない!!」と思え、「本物」と評したい漫画に
この『焔の眼』はそれである。『でろでろ』、『ミスミソウ』を代表作に持つ、押切蓮介先生だから、ここまでの迫力ある漫画に到った
一言で言い表すなら、純粋
狂気、恐怖、嫌悪、憎悪、悲哀、慈愛などの様々な感情、人種差別や戦争のくだらなさ、武の極み、男らしさ、少女の成長、多くの濁ったモノを一つの鍋にブッこんで、丹念に煮詰めていった結果、混じりっ気ない押切イズムが凝縮された『焔の眼』と言う作品が生まれたに違いない
この作品を生み出す際の、押切先生の苦労を思うと、身の毛がよだつ
全てに決着が付けられたラストが特に良いのだが、個人的に何度も読み返したいのは、第49話の“鬼神猛け乱れ”
クロの天下無双たる強さが、如実に出ている話だ
面白い、を通り越した何かがある漫画、もちろん、私の中では殿堂入りである
改めて、押切先生と、その作品が好きになった