公手成幸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
犯罪史上最悪にして最も有名な未解決の猟奇殺人。なんでまた切り裂きジャックなの?という疑問がまず最初にあったが、巻末の参考文献リストを見ると、作者のリサーチに費やした想いが見て取れる。
ストーリーは、犯人の日記と記者の回顧録を交互に並べる形で展開する。上巻はスローペース。五人目の被害者以降に動き出すが、当時の時代背景や、記者としての葛藤などにページを割いてあるようで、謎解きよりもその世界観の方が印象に残った。正直、新犯人の解釈よりも時代考証の緻密さに脱帽した感じ。
そして肝心の新犯人だが、あやふやに終わらせるのではなく、はっきりと断定している。今まで語られてきた数多くの犯人像とは明らかに異な -
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Posted by ブクログ
西欧ミステリ地味に読んでるんだが『瘢痕』が読み辛い。事件の奇抜さから派生する事案がよく解らない。これが自分がノルウェーの背景を知らなさすぎるからなのか、単純に主人公の記者に感情移入がしにくいからか…火事で子供を失い自分も顔に瘢痕を負っている事に根ざすものが伝わってこないと言うか。
ラストで、彼が子供を失った後から精神が停止していた、と言う描写があり、ここから瘢痕を負った事から来る彼の葛藤はこれ以降の作品に描かれて行くのだろうが…ノルウェーの作品なのだが、日本と同じ様に「アメリカかぶれ」と言うか、アメリカの文化が普通に入って来ている国の様で、その点で「北欧」の作品を読み、北欧の国の文化に触れる、 -
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Posted by ブクログ
ネタバレJFK暗殺事件と主人公の過去をうまく組み合わせた話を紡いだものではあるが、アメリカ人ほど、思い入れはないことと、予備知識並びに過去の作品における脇役たちの立ち位置を覚えていないことと、黒幕のモノローグが何故はさまれているのかわからず、謎の答えが最初から用意された上巻ではど正直、どうかなと思っていたが、下巻からは何とか盛り返した感があるが、やはり実話を下敷きにしたため、あまりに無茶はできず、主人公も老いて、あまりに何度も幸運にも尻の金属に助けられるということで、いつものアクション感は乏しい。また、最後には何故、モノローグをはさむ必要があったのかがよくわかるのだが、そうでなければ結末に至らない物語