公手成幸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ハンターは好きな作家で、ほとんどの訳書は読んでいる。
上巻だけで読後感もおかしいが、ちょっと書いておく。
ボブ・リー・スワガーは、ジューバ・ザ・スナイパー(『狙撃手のゲーム』のターゲット」をはじめ、過去に政府のために行った狙撃についてその罪を問われることになった。
告発したのは「マザー・デス」と呼ばれる下院議員。BLM(ブラックライヴズマター)の動きに乗って、狙撃の根底に有色人種に対する差別があるというものだ。選挙を有利に進めるためのいいがかりに過ぎないが、ボブは「非道危険行為(ウォンントン・エンデインジャメント)」として票決を受けることになる。 -
Posted by ブクログ
「トマス・エンゲル」の長篇ミステリー作品『瘢痕(はんこん)(原題:Skinndod 、英題:Burned)』を読みました。
「カリン・フォッスム」に続きノルウェー作家の作品… 北欧ミステリが続いています。
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【北欧の新星登場】
公園にぽつんと張られた白いテント。
昨日まではそこに無かったテントの中に、まさかあんなものが隠されていたとは――酸鼻をきわめる女子学生殺害事件の発生に、ネット新聞社は色めきたった。
どこよりも先に特ダネ記事をモノにするんだ!
火災で一人息子を亡くし、心と体に虚無を抱えたまま復帰したばかりの事件記者「ヘニング」も取材に奔走するが……はたして事件の真相を暴けるか?
本書は、本国ノルウェーはもとより英米などでも絶賛され、シリーズ化されています。
また映画化も進んでおり、著者「エンゲル」は、いま北欧でもっとも注目を集めている作家の一人です。
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個人的にはノルウェー作家の第二弾作品… 600ページ近い大作でした。
北欧ミステリではありがちなのですが、本作品でも殺害や暴行シーンが残虐なので、目で文字を追いつつも、頭ではあまり考えないようにしました… そのまま映像化されると耐えられないかも、、、
殺害や暴行シーンは苦手な部類でしたが、内容はなかなか愉しめましたよ… 現在形で物語が展開するので理解しやすかったし、ほぼ主人公の「ヘニング・ユール」の視点で語られているので「ヘニング」に感情移入しながら読めましたね。
ネット新聞「123ニュース」の事件記者「ヘニング」は、自宅の火災で幼いひとり息子の「ヨナス」を失い心に深い傷を負い、自らも全身にひどい火傷を負い顔には瘢痕が残っている、、、
また、その事件が原因で妻「ノラ」と離婚し、傷の治療とリハビリのために休職を余儀なくされる… 2年間の休職期間を経て職場に復帰した初日に、センセーショナルな殺人事件が発生し、「ノラ」の現在の恋人「イヴェール・グンデルセン」を取材パートナーとして仕事を再開することになる。
その事件は、オスロのエーケベルグ公園内に張られていた大きなテントの中で、若い女性の死体が発見されたという事件… 被害者はオスロの芸術系カレッジの学生「ヘンリエッテ・ハーゲルップ」で、死体は血にまみれで、半ば地中に埋められたうえに、片手が手首のところで切断されており、石をぶつけて処刑された痕跡があった、、、
「ヘンリエッテ」の恋人でパキスタン人移民の「マームード・マーホニ」が容疑者として浮上し、警察は身柄を拘束して取り調べを始める… 「ヘニング」は、「ヘンリエッテ」が通っていたカレッジを取材するうちに「ヘンリエッテ」の友人「アネッテ・スコップム」と出会い、二人は「ヘンリエッテ」がシナリオ執筆、「アネッテ」が監督として、映画作品を撮影することを予定していたことを知るとともに、「アネッテ」が何かを恐れていると感じ、そのシナリオが事件と関係しているのではと推理する。
その後、「ヘニング」は、「マームード」が兄弟で居住していた住まいを訪問し、弟の「タリク・マーホニ」にインタビュー取材を行っていたところ、突然、正体不明の男が侵入してきて「タリク」を銃殺… 犯人を目撃した「ヘニング」も命を狙われる、、、
そんな中、「ヘニング」は警察内部の情報源「6ティエルメス7」から捜査情報を得ながら独自に調査を進め真相に近付いて行きます… 「ヘンリエッテ」の個人指導教官「ユングヴェ・フォルヴィーク」に接近した「ヘニング」は「ユングヴェ」の息子「ステファン」が自室で自殺しており、机の上には「ヘンリエッテ」が執筆したシナリオが残されているのを発見、そして「ユングヴェ」の妻「イングヴィル」が、「ユングヴェ」を「ヘンリエッテ」と同じように講演のテントの中で半身を地中に埋め殺そうとしているところに遭遇する。
そこで、「ヘニング」は「ヘンリエッテ」を殺した犯人と、その動機を知ることになります、、、
そこへ「アネッテ」が現れ、事件は思わぬ方向へ… そして、「アネッテ」の不可解な行動や、行動の変化に違和感を覚えた「ヘニング」は、そこから事件の全体像と、その黒幕を知る(推理する)ことになります。
自分の手は汚さず、周囲の者を使って犯罪を犯すなんて… 許せないですねぇ、、、
でも、犯人の動機に関する説明や動機付けが弱く、こんな動機でこれほどの犯罪を犯すとはあまり思えませんでした… その点は残念でしたね。
火傷の影響でまだ身体が不自由にも関わらず、積極的に現場に出向き、警察とも協力(情報交換?)しながら、事件を解決しようとする「ヘニング」の行動に気持ちを重ね合わせながら読めたので、600ページ近い大作でしたが、意外と早く読めました。
「ヘニング・ユール」を主人公にした小説は全6作のシリーズものになっているらしいんですよね… 翻訳されているのは本作のみ、、、
プロローグで、次作では「ヘニング」の自宅が火事になった原因を探るという興味深いテーマを扱うことが示唆されており、続きがとても気になります… 続篇も是非、翻訳して欲しいものです。
以下、主な登場人物です。
「ヘニング・ユール」
123ニュースの記者
「ヨナス」
ヘニングの息子
「ノラ・クレメッセン」
ヘニングの元妻。ヨナスの母親
「コーラ・イェルトラン」
123ニュースのニュース・エディター
「ハイディ・ヒュース」
123ニュースのニュース・エディター
「イヴェール・グンデルセン」
123ニュースの記者
「ストゥーレ・シープルー」
123ニュースの編集長
「ヘンリエッテ・ハーゲルップ」
女子学生。事件の被害者
「マームード・マーホニ」
ヘンリエッテのボーイフレンド
「タリク・マーホニ」
マームードの弟
「アネッテ・スコップム」
ヘンリエッテの友人
「ユングヴェ・フォルヴィーク」
ヘンリエッテの個人指導教官
「ヘニング・エーノクセン」
映画プロデューサー
「トゥルルス・レイールヴォーグ」
映画プロデューサー
「ザヒールウッラー・ハッサン・ミントローザ」
洗車場のオーナー
「ヤセル・シャー」
洗車場の従業員
「オマール・ラビア・ラシド」
タクシー会社の経営者
「グンナル・ゴーマ」
ヘニングの隣人
「ビャーネ・ブルーゲラン」
警部
「エラ・サンラン」
巡査
「6ティエルメス7」
情報源
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Posted by ブクログ
ネタバレ話が潜水艦になったあたりから、雲行きは怪しいと思い始めたのですが、ギリギリ荒唐無稽な話というところを避けられているのではないでしょうか?
なぜに主人公が、体に障がいのあるウイルス学者なのか?と言う疑問は感じますが、逆に言えば、ウイルス学者はすべからず健常者であるという事は無いので、パラリンピック開催中の今と小説の中身はシンクロしているのかもしれません。
この凶悪ウイルスの起源が、実は、過去から存在していて、(物語中では明確には描かれていませんが)地球温暖化の影響で現代に蘇ってきたという話は、ちょっと怖いかも。シベリアのツンドラ地帯が、どんどん溶けているという話を聞くと、そういう事も荒唐無稽では無いよね?と思ってしまいます。 -
Posted by ブクログ
冒険小説が書店の正面の平積みスペースを飾っていた時代には、スナイパーものも決して珍しくなかった気がするが、今では、映画こそスナイパーをヒーローに据えた作品が途切れなく続いているものの、小説作品として花形になることは、本格ミステリーが復活している昨今ほとんどなくなってしまったようである。
スナイパーものの書き手としては自身銃器に造詣の深いハンターは第一人者であると思うが、そのハンターも、シリーズ・ヒーローであるボブ・リー・スワガーも共に高齢化してしまった。もう一作登場があるかどうか、危ぶまれるほどに。
寂しいことではあるが、時代は移ろい、時は流れる。ヴェトナム世代のスナイパーに今できることは何だろう。いまここにある危機、すなわちイスラムからアメリカに潜入したスナイパーを見つけ出し、その目的を探り、最後にはその狙撃を阻止することだ。
かくもシンプルなストーリー。相手は聖戦の戦士ジューバ・ザ・スナイパー。かつてのボブ・リー同様に天分の才能を持つ狙撃手。その意図はアラーの神への深い信仰。ストレートで曲がらない弾丸のような揺るぎなさ。
米国に潜入したジューバと彼をアシストする元メキシコ特殊部隊チーム、対するはボブ・リーやイスラエルの分析官までをも急遽交えて完璧を期した極秘捜索チーム。駆け引きとその行動と分析が面白い。かつて時代を謳歌した冒険小説の断面がここそこに見受けられる。
ターゲットは誰であるのかも最後の最後までわからない。仕掛けられた伏線、知略の攻防、久々にスケールの大きな狙撃スパイゲームを読んでいる感触。誰にでも奨められる小説とは言えないが、銃器や弾薬やスコープに関する専門的かつ科学的な分析、それによって狙撃場所を特定してゆく、スワガー・サーガならではの推理と、追撃の様子が手に汗握る展開で眼を放せない。男の子の小説はこうだと言わんばかりの展開だが、最近では女子でもこういう作品に餓えている方がいるのではないだろうか? -
Posted by ブクログ
冒険小説が書店の正面の平積みスペースを飾っていた時代には、スナイパーものも決して珍しくなかった気がするが、今では、映画こそスナイパーをヒーローに据えた作品が途切れなく続いているものの、小説作品として花形になることは、本格ミステリーが復活している昨今ほとんどなくなってしまったようである。
スナイパーものの書き手としては自身銃器に造詣の深いハンターは第一人者であると思うが、そのハンターも、シリーズ・ヒーローであるボブ・リー・スワガーも共に高齢化してしまった。もう一作登場があるかどうか、危ぶまれるほどに。
寂しいことではあるが、時代は移ろい、時は流れる。ヴェトナム世代のスナイパーに今できることは何だろう。いまここにある危機、すなわちイスラムからアメリカに潜入したスナイパーを見つけ出し、その目的を探り、最後にはその狙撃を阻止することだ。
かくもシンプルなストーリー。相手は聖戦の戦士ジューバ・ザ・スナイパー。かつてのボブ・リー同様に天分の才能を持つ狙撃手。その意図はアラーの神への深い信仰。ストレートで曲がらない弾丸のような揺るぎなさ。
米国に潜入したジューバと彼をアシストする元メキシコ特殊部隊チーム、対するはボブ・リーやイスラエルの分析官までをも急遽交えて完璧を期した極秘捜索チーム。駆け引きとその行動と分析が面白い。かつて時代を謳歌した冒険小説の断面がここそこに見受けられる。
ターゲットは誰であるのかも最後の最後までわからない。仕掛けられた伏線、知略の攻防、久々にスケールの大きな狙撃スパイゲームを読んでいる感触。誰にでも奨められる小説とは言えないが、銃器や弾薬やスコープに関する専門的かつ科学的な分析、それによって狙撃場所を特定してゆく、スワガー・サーガならではの推理と、追撃の様子が手に汗握る展開で眼を放せない。男の子の小説はこうだと言わんばかりの展開だが、最近では女子でもこういう作品に餓えている方がいるのではないだろうか? -
購入済み
以前に比べれば・・
以前に比べればストーリー性は少し落ちたかなっていう気がします。そして、その分少し無理な設定が増えたような気がする。まあ、それにしても、シリーズものを読み続けてきて、スワガーはこんなに老いたのかという感慨もありますが、自分もともに年を取ってきたのだという感慨がひとしおですね。でも、読み終えた後、やはりスナイパーに復帰して、推理を働かせてほしいという気持ちがわいてきますよ。不思議だ。
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Posted by ブクログ
犯罪史上最悪にして最も有名な未解決の猟奇殺人。なんでまた切り裂きジャックなの?という疑問がまず最初にあったが、巻末の参考文献リストを見ると、作者のリサーチに費やした想いが見て取れる。
ストーリーは、犯人の日記と記者の回顧録を交互に並べる形で展開する。上巻はスローペース。五人目の被害者以降に動き出すが、当時の時代背景や、記者としての葛藤などにページを割いてあるようで、謎解きよりもその世界観の方が印象に残った。正直、新犯人の解釈よりも時代考証の緻密さに脱帽した感じ。
そして肝心の新犯人だが、あやふやに終わらせるのではなく、はっきりと断定している。今まで語られてきた数多くの犯人像とは明らかに異なる。そこに至る推理のプロセスも自然で違和感ないのだが、作者流のアレンジが加わっているため、やはりどこまでいっても小説の中における新解釈という感は拭えない。ま、フィクションなんだから当たり前か。切り裂きジャック関連の先入観はなしに、でも「小説」だという前提で読んでほしい作品です。
最後に野暮だけど言わせて。やっぱりハンターはガンアクションがないとつまんねーわ。