公手成幸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
★3.5
純粋な小説というより、ドラマを小説化したノベライズ本を読んている様な気がするのは、作者が、元々脚本家であるという事と無関係ではないかもしれません。でも、中身は面白くないという事では無く、1900年代と2010年代の話がリズミカルに繰り返されるので、むしろスムーズに読めたかもしれません。
話としては、事実も取りまぜながら書き上げられたフィクション。シャーロキアンなら一目瞭然(一読瞭然)なのかもしれませんが、若かりし頃、シャーロック・ホームズを多数読んではいるものの、シャーロキアンという訳では無いので、描かれている背景とか、意味合いをつかむのがちょっと難しかったかも。でも、ホームズ作 -
Posted by ブクログ
「ダーティーホワイトボーイズ」で登場した人物たちがキーマンとして再登場。これから読む人は、「ダーティーホワイトボーイズ」を読んでからの方がより楽しめますよ。
とはいえ、過去と現在が入り組んで語られるので、状況を把握するのに時間がかかるのも事実。一度状況や人間関係が理解できれば、面白さは倍化してゆきます。
下巻も楽しみです。
PS.
警察本部と警官が無線で連絡し合う場面で使われる「Negative」を「否定的だ」と不自然な日本語に訳しているが(P93他)、これは航空管制官なども言い間違いや聞き間違いを防ぐために、「No」の代わりに使われているのも知らない(⁉)翻訳者って…ここは素直に「ダメだ」で -
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Posted by ブクログ
「極大射程」以来のスティーヴン・ハンター。
以下はネタバレありの感想。
文庫本32章700ページを超える分量にも度肝を抜かれるが、6章(150ページ)あたりで正義側の主要登場人物のほとんどが殺される。(と、思わされる)
罪悪感を持たぬ殺人者と罪悪感に苛まれる刑事が出会うという設定もナイス。
そして本書の魅力は、トンデモナイ悪人を描きながらもリアリティぎりぎりの人物造形と彼らの内なる心の葛藤や気持ちがなぜか共感もしくは理解出来るという作者の職人技にある。
本書の主人公、悪の権化ラマーは凶暴だがバカではない。無理矢理脱走犯仲間にされたリチャードは彼を以下の様に狡猾な無秩序の天才と称する。「ラマ -
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ハンターは好きな作家で、ほとんどの訳書は読んでいる。
上巻だけで読後感もおかしいが、ちょっと書いておく。
ボブ・リー・スワガーは、ジューバ・ザ・スナイパー(『狙撃手のゲーム』のターゲット」をはじめ、過去に政府のために行った狙撃についてその罪を問われることになった。
告発したのは「マザー・デス」と呼ばれる下院議員。BLM(ブラックライヴズマター)の動きに乗って、狙撃の根底に有色人種に対する差別があるというものだ。選挙を有利に進めるためのいいがかりに過ぎないが、ボブは「非道危険行為(ウォンントン・エンデインジャメント)」として票決を受けることになる。 -
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「トマス・エンゲル」の長篇ミステリー作品『瘢痕(はんこん)(原題:Skinndod 、英題:Burned)』を読みました。
「カリン・フォッスム」に続きノルウェー作家の作品… 北欧ミステリが続いています。
-----story-------------
【北欧の新星登場】
公園にぽつんと張られた白いテント。
昨日まではそこに無かったテントの中に、まさかあんなものが隠されていたとは――酸鼻をきわめる女子学生殺害事件の発生に、ネット新聞社は色めきたった。
どこよりも先に特ダネ記事をモノにするんだ!
火災で一人息子を亡くし、心と体に虚無を抱えたまま復帰したばかりの事件記者「ヘニング」も取材に奔走 -
Posted by ブクログ
ネタバレ話が潜水艦になったあたりから、雲行きは怪しいと思い始めたのですが、ギリギリ荒唐無稽な話というところを避けられているのではないでしょうか?
なぜに主人公が、体に障がいのあるウイルス学者なのか?と言う疑問は感じますが、逆に言えば、ウイルス学者はすべからず健常者であるという事は無いので、パラリンピック開催中の今と小説の中身はシンクロしているのかもしれません。
この凶悪ウイルスの起源が、実は、過去から存在していて、(物語中では明確には描かれていませんが)地球温暖化の影響で現代に蘇ってきたという話は、ちょっと怖いかも。シベリアのツンドラ地帯が、どんどん溶けているという話を聞くと、そういう事も荒唐無稽 -
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Posted by ブクログ
冒険小説が書店の正面の平積みスペースを飾っていた時代には、スナイパーものも決して珍しくなかった気がするが、今では、映画こそスナイパーをヒーローに据えた作品が途切れなく続いているものの、小説作品として花形になることは、本格ミステリーが復活している昨今ほとんどなくなってしまったようである。
スナイパーものの書き手としては自身銃器に造詣の深いハンターは第一人者であると思うが、そのハンターも、シリーズ・ヒーローであるボブ・リー・スワガーも共に高齢化してしまった。もう一作登場があるかどうか、危ぶまれるほどに。
寂しいことではあるが、時代は移ろい、時は流れる。ヴェトナム世代のスナイパーに今できる -
Posted by ブクログ
冒険小説が書店の正面の平積みスペースを飾っていた時代には、スナイパーものも決して珍しくなかった気がするが、今では、映画こそスナイパーをヒーローに据えた作品が途切れなく続いているものの、小説作品として花形になることは、本格ミステリーが復活している昨今ほとんどなくなってしまったようである。
スナイパーものの書き手としては自身銃器に造詣の深いハンターは第一人者であると思うが、そのハンターも、シリーズ・ヒーローであるボブ・リー・スワガーも共に高齢化してしまった。もう一作登場があるかどうか、危ぶまれるほどに。
寂しいことではあるが、時代は移ろい、時は流れる。ヴェトナム世代のスナイパーに今できる -
購入済み
以前に比べれば・・
以前に比べればストーリー性は少し落ちたかなっていう気がします。そして、その分少し無理な設定が増えたような気がする。まあ、それにしても、シリーズものを読み続けてきて、スワガーはこんなに老いたのかという感慨もありますが、自分もともに年を取ってきたのだという感慨がひとしおですね。でも、読み終えた後、やはりスナイパーに復帰して、推理を働かせてほしいという気持ちがわいてきますよ。不思議だ。
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