荻原浩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
小学五年生の夏休みは、秘密の夏だった。あの日、ぼくは母さんの書斎で(彼女は遺伝子研究者だ)、「死んだ」父親に関する重大なデータを発見した。彼は身長173cm、推定体重65kg、脳容量は約1400cc。そして何より、約1万年前の第四氷河期の過酷な時代を生き抜いていた―じゃあ、なぜぼくが今生きているのかって?これは、その謎が解けるまでの、17年と11ヶ月の、ぼくの物語だ。
(BOOKデータベースより)
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氷河期と聞いて(見て)、まず思い出すのは地球のことではなく、就活のこと。…哀しい、自分。
環境が悪かったんだよなぁと思います。
せめて母子共に疎外されない土地だったら。
父親が現代日本人だったなら。
ワタルの悩みは決して無駄ではないだろうけど、もう少し楽に生きれただろうに。
それが良いか悪いかは別としても(もちろん、この人生でなければワタルはワタルではなくってしまうし)。
今後、2人はどう生きて行くのかな。
最後のはさすがにまずいんじゃなかろうか。
途中ちょっとダレた印象はありつつ、楽しめました。 -
Posted by ブクログ
最近で一番驚いたことかもしれない。
大好きな作家さん、と言えるレベルだと思っていた
荻原浩なのに今回、作品がすごく、読みづらかった!!
なんだろうあれあれあれれ?
と、しばし混乱。あんなに大好きだったのに。
ママの狙撃銃、コールドゲーム、噂、押し入れのちよ、ハードボイルド・エッグ、
なかよし小鳩組、誘拐ラプソディー、神様から一言。
いやーんどうしよう、好きな作家さんの作品がこんなにも嫌んなってる。
作風がガッツリ変わったわ、あなたも変わってしまったのねもうお別れよふっ‥
だったら仕方ない。最近の伊坂作品へのあたしの気持ちはまさにコレ。
でも、荻原作品のこれは、そうじゃない。
言ってみれば、昨日まであんなに大好きだったカレ(ハート)が、
いきなり嫌になってしまったみたい。
穏やかで優しい、が、優柔不断でなよなよしい、
人当たりが良くておしゃれ、が、八方美人のナルシスト、
と、こっちの評価ががらりと変わったごとし。
あたしの好きだった荻原節は健在なのに、
あたしの気持ちがそれを、受け容れてない。
いつの間に壊れたんだあたしのレセプター。
いつもの軽妙な言い回しも今のあたしにはノイズに聞こえる。
特に最初の「ちょいな人々」がもう、最悪。
なんかオッサンの独白が痛くてキモイ。
どうしちゃったんだあたし????
犬猫語完全翻訳機・正直メールはもう、筒井康隆作品に見えて仕方なく、
あやうく途中で脱落しそうだった。
最後の最後、もう息も絶え絶えにたどり着いた「くたばれ、タイガース」だけ、
ようやく少し、好きになれたけど。 -
Posted by ブクログ
木の寿命は人間に比べて相当長い。人間の一生なんて、1000年以上生きる木に比べたら一瞬の事なのだろう。八つの短編で成り立っていて、それぞれに時代を隔てた2つの物語が展開する。1000年生きる木からみると全ての話しは繋がっているけれど、せいぜい100年程しか生きない人間の目にはそれが見えない。平安時代、東国へ遣わされた国司が逆賊に追われ山の中で親子3人が無念の死を遂げる。その子供の口からこぼれおちたクスの実が時を経て、目を見張る程の大樹となる。その木には、今でも子供の霊が宿っている。子供の霊はどうやら死へ連れ込もうとしている様だけれど、生きる命もあれば死に引き込まれる命もある。明るい話ではなく、大樹の下の暗く湿った空気を感じさせる。でもうっそうと茂る大樹の枝に覆われるように、物語に引き込まれる。
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Posted by ブクログ
自称ハードボイルド探偵「最上」のシリーズ第二弾。
ハードボイルドを自認しながらも来る依頼はペット探しばかり。そんな中、妙齢の美女から「ロシアンブルー(猫)」の捜索依頼、そしてヤクザの組長から同じく「ロシアンブルー」の依頼が舞い込む。
どちらも裏がありそうではあるが、仕方なく、あるいは無理やりに引き受ける羽目に。
さらに新たな探偵秘書としてやってきたのは(自称)アメリカ帰りの金髪少女だった。
ハードボイルド小説の台詞を実際に言ってしまうと現実とのギャップが妙なおかしさを呼ぶ・・・というのは相変わらず自分好み。
ただ、「アオイ」のくだりはなんかいまひとつ。
無理矢理感が強すぎるように感じました・・・ -
Posted by ブクログ
『ハードボイルド・エッグ』続編。最上俊平ふたたび。
1ヶ月ぶりに舞い込んだ仕事は和服を着た美しい女性からの
猫探しの依頼。
いなくなったロシアンブルーの『りゅう』を探す最上の所に
また別の依頼主からも同じくロシアンブルーの猫を探し
て欲しいと言う依頼が・・・
しかも今度の依頼主はヤクザ!
それをきっかけに大きな事件へと発展していく。
前回は80歳の秘書との掛け合いが楽しかったこのシリーズ。
今回は金髪で青い目の若い秘書を迎えることに。
しかし、この秘書が・・・いろいろと訳ありで・・・
フィリップ・マーロウに憧れる最上
いつも心の中では相手をねじ伏せなぎ倒しているが
それはあくまで妄想の世界。現実は腕をねじ上げられる非力で
ドジな探偵である最上。ドタバタと人情喜劇を繰り広げながらも
このダメダメさに愛着を感じてなにやらにんまりしてしまう。
いろんな伏線があっちやこっちに行きつ戻りつして
なんだか複雑そうにも見えるけれどとても読みやすい。
持ち前の減らず口で警察とトラブルを起こしたりもするのだけれど
このユーモアたっぷりの会話が最上の持ち味。
読後感も良くて楽しめた。
ただ、もう少し秘書との絡みの部分が多い方がより楽しめたかな?
シリーズ化を期待したい。 -
Posted by ブクログ
いわゆる"本格"ではなく、ヒューマンミステリーと言うべき作品でしょう。そういう意味では、最近の荻原さんらしい作品です。
言語習得の訓練しているボノボ(ピグミーチンパンジー)のバースディ。その証言を引き出し恋人の自殺の原因を調べると言う発想は秀逸です。特に100語の語彙しかないバースディが、専用のキーボードを使って紡ぐ言葉は見事あり、リアリティも感じます。でもある意味、この作品の特徴はそこ一点に絞られてしまいます。あとは学会の腐敗だとか、見慣れた構図の連続です。もっとも、全体を覆う沈鬱な雰囲気を含め、それらが美味く処理されているとは思います。
しかし、何時か荻原さんはユーモア路線に帰ってくれないかなぁ。