荻原浩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
自称ハードボイルド探偵「最上」のシリーズ第二弾。
ハードボイルドを自認しながらも来る依頼はペット探しばかり。そんな中、妙齢の美女から「ロシアンブルー(猫)」の捜索依頼、そしてヤクザの組長から同じく「ロシアンブルー」の依頼が舞い込む。
どちらも裏がありそうではあるが、仕方なく、あるいは無理やりに引き受ける羽目に。
さらに新たな探偵秘書としてやってきたのは(自称)アメリカ帰りの金髪少女だった。
ハードボイルド小説の台詞を実際に言ってしまうと現実とのギャップが妙なおかしさを呼ぶ・・・というのは相変わらず自分好み。
ただ、「アオイ」のくだりはなんかいまひとつ。
無理矢理感が強すぎるように感じました -
Posted by ブクログ
『ハードボイルド・エッグ』続編。最上俊平ふたたび。
1ヶ月ぶりに舞い込んだ仕事は和服を着た美しい女性からの
猫探しの依頼。
いなくなったロシアンブルーの『りゅう』を探す最上の所に
また別の依頼主からも同じくロシアンブルーの猫を探し
て欲しいと言う依頼が・・・
しかも今度の依頼主はヤクザ!
それをきっかけに大きな事件へと発展していく。
前回は80歳の秘書との掛け合いが楽しかったこのシリーズ。
今回は金髪で青い目の若い秘書を迎えることに。
しかし、この秘書が・・・いろいろと訳ありで・・・
フィリップ・マーロウに憧れる最上
いつも心の中では相手をねじ伏せなぎ倒している -
Posted by ブクログ
いわゆる"本格"ではなく、ヒューマンミステリーと言うべき作品でしょう。そういう意味では、最近の荻原さんらしい作品です。
言語習得の訓練しているボノボ(ピグミーチンパンジー)のバースディ。その証言を引き出し恋人の自殺の原因を調べると言う発想は秀逸です。特に100語の語彙しかないバースディが、専用のキーボードを使って紡ぐ言葉は見事あり、リアリティも感じます。でもある意味、この作品の特徴はそこ一点に絞られてしまいます。あとは学会の腐敗だとか、見慣れた構図の連続です。もっとも、全体を覆う沈鬱な雰囲気を含め、それらが美味く処理されているとは思います。
しかし、何時か荻原さんはユーモア -
Posted by ブクログ
読み始めてすぐに結末が思い浮かんでしまう。
学歴や仕事に変なプライドを持ち、今の境遇に不満しか持たず、それを全て回りの所為にする下らない主人公をこれでもかと書き連ねる。これはその(精神的な)再生の物語なのだと判ってしまう。もっともその過程は(少々やりすぎだが)上手く書き込まれているので、退屈する事無く楽しめる。
荻原さんはある意味、定石を外さない作家さんだと思う。だから安心して読める一方で、物足りなさも感じてしまう。
この人の初期のユーモア物は大好きだけど、考えてみればあれも定石なのかもしれない。だた、それを取り上げる人が少ないだけで。。。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ今、誰かをいじめている人。
もちろん過去にいじめていた人も。
この本を、そういう人達の課題図書にしてはどうか。
誰かを「いじめる」ということは、いじめられている側をどれだけ苦しめ、人生を狂わすかがよくわかるんじゃないか。
この話は、いじめていた側・見て見ぬふりをしていた側から書いているので、いじめの主犯だった子を「悪いヤツじゃない」なんて言ったりする場面が出てくるけど、正直「ケッ」だ。402ページの刑事のセリフに激しく同感。
そういう側から書いてるからか、最後がいまいち納得いかない。
いろいろ書こうと思ったけど、うまくまとまらないのでやめました。