荻原浩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
木の寿命は人間に比べて相当長い。人間の一生なんて、1000年以上生きる木に比べたら一瞬の事なのだろう。八つの短編で成り立っていて、それぞれに時代を隔てた2つの物語が展開する。1000年生きる木からみると全ての話しは繋がっているけれど、せいぜい100年程しか生きない人間の目にはそれが見えない。平安時代、東国へ遣わされた国司が逆賊に追われ山の中で親子3人が無念の死を遂げる。その子供の口からこぼれおちたクスの実が時を経て、目を見張る程の大樹となる。その木には、今でも子供の霊が宿っている。子供の霊はどうやら死へ連れ込もうとしている様だけれど、生きる命もあれば死に引き込まれる命もある。明るい話ではなく、
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Posted by ブクログ
自称ハードボイルド探偵「最上」のシリーズ第二弾。
ハードボイルドを自認しながらも来る依頼はペット探しばかり。そんな中、妙齢の美女から「ロシアンブルー(猫)」の捜索依頼、そしてヤクザの組長から同じく「ロシアンブルー」の依頼が舞い込む。
どちらも裏がありそうではあるが、仕方なく、あるいは無理やりに引き受ける羽目に。
さらに新たな探偵秘書としてやってきたのは(自称)アメリカ帰りの金髪少女だった。
ハードボイルド小説の台詞を実際に言ってしまうと現実とのギャップが妙なおかしさを呼ぶ・・・というのは相変わらず自分好み。
ただ、「アオイ」のくだりはなんかいまひとつ。
無理矢理感が強すぎるように感じました -
Posted by ブクログ
『ハードボイルド・エッグ』続編。最上俊平ふたたび。
1ヶ月ぶりに舞い込んだ仕事は和服を着た美しい女性からの
猫探しの依頼。
いなくなったロシアンブルーの『りゅう』を探す最上の所に
また別の依頼主からも同じくロシアンブルーの猫を探し
て欲しいと言う依頼が・・・
しかも今度の依頼主はヤクザ!
それをきっかけに大きな事件へと発展していく。
前回は80歳の秘書との掛け合いが楽しかったこのシリーズ。
今回は金髪で青い目の若い秘書を迎えることに。
しかし、この秘書が・・・いろいろと訳ありで・・・
フィリップ・マーロウに憧れる最上
いつも心の中では相手をねじ伏せなぎ倒している -
Posted by ブクログ
いわゆる"本格"ではなく、ヒューマンミステリーと言うべき作品でしょう。そういう意味では、最近の荻原さんらしい作品です。
言語習得の訓練しているボノボ(ピグミーチンパンジー)のバースディ。その証言を引き出し恋人の自殺の原因を調べると言う発想は秀逸です。特に100語の語彙しかないバースディが、専用のキーボードを使って紡ぐ言葉は見事あり、リアリティも感じます。でもある意味、この作品の特徴はそこ一点に絞られてしまいます。あとは学会の腐敗だとか、見慣れた構図の連続です。もっとも、全体を覆う沈鬱な雰囲気を含め、それらが美味く処理されているとは思います。
しかし、何時か荻原さんはユーモア