荻原浩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
荻原浩は 主人公の素直なつぶやきの 挿入が実にうまい。
物語のナレーション役となっている。
息子の哲平が お父さんは どんな仕事をしているの?
と言う質問に対して・・・市役所の仕事を説明できない。
まして あたらしく 出向した アテネ村リニューアル推進室 の
仕事は いうことができない。
公務員って 一体なにか?
を突き詰めていく・・・・不思議な国アリスのような心境に陥る。
主人公の啓一はいう
『さぁ。行きましょう。椅子は立ち上がるためにあるのです。』
変化が起こる。
妻の路子にも 『なかなかいいヤツだと思うよ。・・・・
ちょっとガツンって言う感じの迫力が足りない。』
娘にも 『しょうし -
Posted by ブクログ
「カジュアル・フライデー」に翻弄される課長の悲喜劇を描く表題作、奇矯な発明で世の中を混乱させるおもちゃ会社の顛末「犬猫語完全翻訳機」と「正直メール」阪神ファンが結婚の挨拶に行くと、彼女の父は巨人ファンだった…
「くたばれ、タイガース」など、ブームに翻弄される人々を描くユーモア短篇集。
「いじめ電話相談室」がスカッと気持ちよかった。
「ちょいな人々」
突然のカジュアル・フライデーに翻弄されるサラリーマン
「ガーデンウォーズ」
ガーデニングにハマり、隣の老人とトラブる主婦
「占い師の悪運」
当たらないのに、うっかり流行ってしまった三流占い師
「いじめの電話相談室」
「100%解決します」いじめ -
Posted by ブクログ
小学五年生の夏休みは、秘密の夏だった。あの日、ぼくは母さんの書斎で(彼女は遺伝子研究者だ)、「死んだ」父親に関する重大なデータを発見した。彼は身長173cm、推定体重65kg、脳容量は約1400cc。そして何より、約1万年前の第四氷河期の過酷な時代を生き抜いていた―じゃあ、なぜぼくが今生きているのかって?これは、その謎が解けるまでの、17年と11ヶ月の、ぼくの物語だ。
(BOOKデータベースより)
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氷河期と聞いて(見て)、まず思い出すのは地球のことではなく、就活のこと。…哀しい、自分。
環境が悪かったんだよなぁと思います。
せめて母子共に疎外されない土地だったら。
父親が現代日 -
Posted by ブクログ
最近で一番驚いたことかもしれない。
大好きな作家さん、と言えるレベルだと思っていた
荻原浩なのに今回、作品がすごく、読みづらかった!!
なんだろうあれあれあれれ?
と、しばし混乱。あんなに大好きだったのに。
ママの狙撃銃、コールドゲーム、噂、押し入れのちよ、ハードボイルド・エッグ、
なかよし小鳩組、誘拐ラプソディー、神様から一言。
いやーんどうしよう、好きな作家さんの作品がこんなにも嫌んなってる。
作風がガッツリ変わったわ、あなたも変わってしまったのねもうお別れよふっ‥
だったら仕方ない。最近の伊坂作品へのあたしの気持ちはまさにコレ。
でも、荻原作品のこれは、そうじゃない。
言ってみれば -
Posted by ブクログ
木の寿命は人間に比べて相当長い。人間の一生なんて、1000年以上生きる木に比べたら一瞬の事なのだろう。八つの短編で成り立っていて、それぞれに時代を隔てた2つの物語が展開する。1000年生きる木からみると全ての話しは繋がっているけれど、せいぜい100年程しか生きない人間の目にはそれが見えない。平安時代、東国へ遣わされた国司が逆賊に追われ山の中で親子3人が無念の死を遂げる。その子供の口からこぼれおちたクスの実が時を経て、目を見張る程の大樹となる。その木には、今でも子供の霊が宿っている。子供の霊はどうやら死へ連れ込もうとしている様だけれど、生きる命もあれば死に引き込まれる命もある。明るい話ではなく、