鴨長明のレビュー一覧
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【読もうと思った理由】
個人的に好きでよく見ている養老孟司氏が、自身のYouTubeチャンネルで語っていた。「僕が日本の古典で一番好きなのは、方丈記である。なぜなら方丈記の中には、人生で直面する災厄が全て語られている。また現代人が忘れかけている、花鳥風月の大切さにも気づかせてくれる」と仰っていた。
日本三大随筆にの一つにも数えられている「方丈記」を恥ずかしながら最後まで読んだことが無かったため、この機会に読もうと思った。
【鴨長明とは?】
下鴨神社の禰宜(ねぎ)・鴨長継の子として生まれる。歌人として活躍し、後鳥羽院による和歌所設置に伴い、寄人(よりうど)に選ばれる。琵琶の名手でもあった。12 -
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Posted by ブクログ
ネタバレお見事!
方丈記をして、”日本最古の災害文学”とした時点で、本書は手に取って読んで(見て)みる価値がある。
たぶん、ちゃんと(?)読んだのも中学生の国語の授業以来か。しかも、後段になればなるほど、覚えていない。
けれども、あれから40余年が経ち、著者の最晩年に近い年代になってくると、鴨長明の述懐がなんともジワジワと心に沁みてくる。作者の年齢に近くなってこそ、分かるものの道理というものは、ある。
福原遷都の頃を思い返し、こう記す著者;
「人の心みな改まりて、たゞ馬鞍をのみ重くす。牛車を用する人なし。」
上記は、これまで貴族の乗り物だった牛車ではなく、当時台頭しはじめていた武 -
Posted by ブクログ
1.この本を一言で表すと?
著者の隠居生活のエッセイ本
2.よかった点を3~5つ
・読経に気持ちが向かないときは、思いのままに休み、なまける。(p39)
→そんな生活してみたい。
・世界というものは、心の持ち方一つで変わる。(p48)
→このような生活に慣れれば満足なんだと思う。
・もし、気に入らないことがあったら、簡単によそへ引っ越せるようにという考えから、そのようにしている。(p37)
→そんな生活してみたい。
・自然災害の描写は具体的でわかりやすかった。
2.参考にならなかった所(つっこみ所)
・なぜ世間から離れた場所にこじんまりと住んでいたのか?世間に対する憎しみのような物が -
Posted by ブクログ
この歳になって、これほど有名な作品も通読したことがなかったというのは恥ずかしい限りです。今回は鎌倉期の随筆、鴨長明の「方丈記」。岩波文庫で薄かったので手にとってみました。
現代語訳はついていないのですが、和漢混淆文である上に注釈も適切だったので、私レベルでも何とかかんとか(最低限の)意味はとれたかなという感じです。
しかしながら、解説や注釈によると、その中に古今の古典・漢詩・和歌等に由来する表現が数多く散りばめられているとのこと。当然のことながら私のような薄学では思いも至らず、作品の理解という点では全く不十分、その楽しみも半減以下という体たらくです。