鴨長明のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
第一刷が「2011年」と新しい。更に書き下ろしである。
東日本大震災の影響もあってのことかな、と推測する。
角川ソフィア版も持っていたはずなのに、どうしてちくま版を新たに購入したのかは自分でもよく分からない。
私の中では、地震や火事の細かな筆記や臨場感が『方丈記』の魅力だった。
しかし、一冊を通した時の流れる感じ。(稚拙な言い回しで申し訳ない)そして、眼前に広がる災害の画から受けた衝撃を経て、方丈の庵でしみじみと「人の世」を語る長明は寂しいけれど、なんだか共感してしまう所がある。
「たびたび炎上に滅びたる家、またいくそばくぞ。ただ仮の庵のみ、のどけくしておそれなし。」
「事を知り、世を知れれば、願はず、わしらず、ただ、しづかなるを望みとし、憂へなきを楽しみとす。」
執着しても、世も己も永遠ではない。
けれど、長明自身もまた方丈の庵に、いやそこから遠くない京都の市井に執着を示してしまう。
社会が、人生が、無常であってもなお、求めてしまう「こころよさ」はあるのではないかと思う。
そして、その心があるから人は生きていけるのではないかと思うのである。
筆者に「厭人主義」と呼ばれる長明の威勢や、弱点が、事柄の細かな筆記以上に愛着の持てる随筆である。 -
Posted by ブクログ
この歳になって、これほど有名な作品も通読したことがなかったというのは恥ずかしい限りです。今回は鎌倉期の随筆、鴨長明の「方丈記」。岩波文庫で薄かったので手にとってみました。
現代語訳はついていないのですが、和漢混淆文である上に注釈も適切だったので、私レベルでも何とかかんとか(最低限の)意味はとれたかなという感じです。
しかしながら、解説や注釈によると、その中に古今の古典・漢詩・和歌等に由来する表現が数多く散りばめられているとのこと。当然のことながら私のような薄学では思いも至らず、作品の理解という点では全く不十分、その楽しみも半減以下という体たらくです。