ウンベルト・エーコのレビュー一覧
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ネタバレタイトルのイメージから、デジタル化されたものに言及されているように感じるが、そうではない。
タイトルと内容はあまり関係ないように思えて、実は確かに紙の書物について言及しているので面白い。
実によく考えられたタイトルだ。
本好きの雑談。
要点メモ:
・勉強のやり方や資料のまとめ方、探し方は、それぞれをこなしていかない限り身につかない。それぞれをこなすのが最善の方法。
・一日十冊読めと記載された記事をみるたびに、その必要はないと考える。効率のよい読書のやり方は、十冊読むよりも参考文献を数多く使用している本一冊を読むことである。
・一つの物事を十の違う方法で調べて、検討するくせをつける。おのず -
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訳者あとがきで原題は「だから本好きはやめられない」というようなものと書いてあったが、そっちのほうが内容をよく表していると思う。
「薔薇の名前」のエーコと「昼顔」のカリエールが書物について縦横無尽に語りつくす。
まず、2人とも最初から電子書籍の登場で紙の書物がなくなるなんて全く、これっぽっちも思っていない。邦題にあるような危機感なんて始めの数ページであっさり否定し、その後は2大書籍おたく(笑)が本をめぐるあれこれ、うんちくを古今東西、古代から現代までにわたる広範囲にわたってひたすら語り倒す。本好き(≠読書好き)にとって「そうそう、そうなんだよ(笑)」と膝を打つ会話があちこちにちりばめられている -
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書物(冊子本)とは、車輪のように出現した時点において既に完成されたものである。つまり、書物はこれ以上進化(変化)することはない。この意味において電子書籍とは「書物」ではありえず、書物に取って代わることのできる同型の存在ではないということである。
名うての創作家・学者であるジャン・クロード・カリエールと、世紀の碩学ウンベルト・エーコの間に交わされる超ハイレベルの「雑談」には、グイグイ引き込まれつつも、思わずため息。。。
とにかく、本への情熱では彼らの右に出るものはないのであろうが、世界中の書物・読書愛好家と、あまり変わらない一面も垣間見えるのが嬉しいというか慰められること請け合いである。
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ネタバレいつ死んでもおかしくない年というフレーズにハッとさせられた。
舞台は東方世界へ。奇想天外な種族たちはプリニウスの記述そのまんまだったのだなあ、と。新プラトン主義について曖昧模糊としたイメージだけしかなかったが霧が晴れた感じでした。最後の方で話のなかの「現在」にストーリーが追いつくところとか、ビザンツの歴史家が記述した、というような造りになっているところが憎らしい。老いてまた旅立つのもいいな。冒頭書いたフレーズが上巻下巻のどこにあったかは忘れてしまったが、読んだ時は「この時代だともう死ぬ年齢だよな」などと読んだときは思っていたがその少し後に同年代の友人が亡くなって感想が変わりました。現在でもいつ -
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ネタバレカバーに騙された岩波文庫。
半年くらい前に読んだ思い出し感想。コンスタンチノープルの地図だけでごはん3杯はかるくイける。パリでの青春時代、後々の友人達との出会い。ローマ皇帝とウザいイタリア諸都市との関係とか面白い。面従腹背の諸都市と泥沼のイタリア戦争。その中での当時のパリの位置付けとかも含めてこれが同時代人のマンタリテなのか、とか思える。「薔薇の名前」よりはだいぶ読みやすい。イタリアの田舎出身でフリードリヒ皇帝の養子とか設定がうますぎる。当時の最下層から最上層までの視点を得るためのものか。大変勉強になる。こんな度胸と語学とホラの才能が欲しいと思えるアレッサンドリアの守護聖人。
いやあ、読書って -
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ネタバレ愛書家による本にまつわる対談集。こういうのがエスプリが効いた掛け合いとでも言うのでしょうか。
原題直訳の『本から離れようったってそうはいかない』もなかなか良い感じ。
邦訳タイトルはかなりおどろおどろしく、衝撃的ですよね。
著者の片方、ウンベルト・エーコは薔薇の名前やフーコーの振り子のタイトルだけ知ってた作家さんであり学者さん。
フーコーの振り子と言ったら上野の科学博物館ですわー。
そのうち読んでみたいです。薔薇の名前は文庫版がないみたいで残念。
『保存すべきものを保存するための当てになるツールが、今日なかなか見つからない(p93)』って、ほんとその通りで、だから私が積極的に電子書籍を買わない -
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冒頭であまりにもユダヤ人やフランス人についての反感が述べられていたり、フリーメーソンについての話が出てきたので、いったんお手上げになり、解説を読んだ。
解説によれば、舞台は十九世紀のパリ。偽書として名高い「シオン賢者の議定書(プロトコル)」の成立が物語の中心にあるとのこと。
贋造と判断するための基準、複製とオリジナルの関係性についての長年の作者自身による考察が反映されているといえるようだ。
主人公は十九世紀にすでに老境にある反ユダヤ主義者で、その人物の内面から当時のパリを透かし見るような趣の作品世界である、ということをまず押さえてから、もう一度読書に挑戦ということにしたいと思う。
うーん -
Posted by ブクログ
ウンベルト・エーコが90年代イタリアのジャーナリズムを舞台にした作品。売れないライターである主人公は、ある大富豪が発行準備を進める日刊紙の編集メンバーに採用され、創刊準備号(ヌメロゼロ)の発行に向けて行動を起こす。
その過程を描くこと中で、歪んだジャーナリズム/メディアのあり方を問うとともに、ムッソリーニの真実を明らかにする過程でもまた、断片化された事実を繋ぐことで出てくる真実も描く。よくある陰謀論ロジックだが、昨今の情報過多、かつセンセーショナルになりがちな報道を見ると、あながち伝え方によって「隠された真実」と「作られた真実」が出てくることも事実であると考えさせられる。
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