ウンベルト・エーコのレビュー一覧

  • プラハの墓地

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    ダッラ・ピッコラの死から読み進めない、あきらか女性の文に成って、だか主人公も3人代わっているのか、なりすまし偽のプロトコル。スケープゴートにされた、ユダヤ人、今ならイスラムの人か?国家なんて要らない。

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    2016年12月22日
  • プラハの墓地

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    19世紀初頭から末にかけて偽造文書作りをなりわいとした者を通じて描かれる、憎悪と歴史。

    記憶を取り戻すため、日記を書くことにしたという体裁でスタートするが、どうも様子がおかしい。ときおり倒れるようにして眠ると、別の人間が自分の日記の続きを書いている。「語り手」はその2人の記述を補うように「物語」を書き足す。

    エーコらしい、メタフィクションだといってしまえばそれで終りなのだが、エーコらしく、隅々に歴史や美術、当時の風俗に関する描写がちりばめられていて楽しめる。

    語り手によるフィクションでありながら、実在する登場人物たちを華麗に操作しながら語られる、ある種の歴史であり、その意味で、虚構と事実

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    2016年10月18日
  • プラハの墓地

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    つい先ごろ亡くなったウンベルト・エーコの最新長篇小説。その素材となっているのは、反ユダヤ主義のために書かれた偽書として悪名の高い『シオン賢者の議定書』である。その成立過程が明らかにされてからもユダヤ陰謀説を裏付けるものとして、反ユダヤ主義を広めたい者たちによって何度も利用されている史上最悪の偽書だが、そんなものがどうして世に出ることになったのか。そしてまた、イエズス会、フリーメイソン、ユダヤ人、と時代や場所によって誹謗する対象を変えながらも、何度も息を吹き返しては現れる、この偽書が民衆に対して持つ意味とは。

    記号学の大家としても知られるエーコ先生だが、こ難しい理論を開陳しようというのではない

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    2016年03月14日
  • もうすぐ絶滅するという紙の書物について

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    すべての読人(よみんちゅ)に捧ぐ――
    もうすぐ絶滅するという紙の書物についてばかり語っている訳ではない、が、それ以上に面白い、オモシロイ、示唆に富んだ対談。USBからフランス詩、インキュナビュラ(グーテンベルクの印刷術発明から15世紀末までにヨーロッパで活字印刷された本)に名著珍本、焚書と禁書、空き巣まで……
    読み終わったら誰もがこう思うはず。
    ”本から離れようたって、そうはいかない”!!

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    2015年06月08日
  • もうすぐ絶滅するという紙の書物について

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    本というメディアについての対談集。
    恥ずかしながら語られている小説や映画のほとんどを知らず、知っていればいっそう面白く思えたのにと、自分の無学が悔やまれました。
    しかし、知らなくても言いたいことは伝わってくるので、のめりこんで読みました。
    タイトルからして電子書籍化についてがメインなのかと思いましたが、そうでもありませんでした。
    非常に多岐に渡るテーマで語られており、飽きることなく最後まで読み通せました。
    特に馬鹿とまぬけと阿呆の違いなどは笑いつつも唸らされます。

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    2013年05月14日
  • もうすぐ絶滅するという紙の書物について

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    本好きなら、ちょっと「ぉっ」って思うと思う装丁と題名。小口の染めといい、遊び紙の質といい、これだけで手に取りたくなります。ちなみに、内容はといえば、思いっきり本マニアな二人がひたすら好きな本について語るという・・・。冒頭に、紙の本は絶滅するなんて思ってないと二人して確認してますし。読みたい本、飾りたい本、色々な種類の本好きがいるけれど、私達二人は満足してるよ、とそんな本ですw やたらと綺麗な装丁は、本棚に入れておきたくなるかも。

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    2013年05月11日
  • もうすぐ絶滅するという紙の書物について

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    ネタバレ

    フランスとイタリアの「老練愛書家」2人よる対談。タイトルからみて、紙の書物は絶滅するのか?という問題意識で手に取りましたが、それに関しての2人の答えは一貫していて、それよりも、ありとあらゆる情報が入手可能になった現代、私たちはどう情報と向き合ったらいいのか、本質的な示唆に富んだ視点が盛りだくさんで学びが多かったです。

    ・これから求められるのは、考えをまとめて結論を導く技術、真偽を確かめられない情報をチェックする方法
    ・書くという行為は常に危険を伴ってきたし、今でも変わらない
    ・過去がそのままの姿で我々のもとに届くということはまずない
    ・我々自身が情報提供者になり、善意で悪気なしに情報をねつ造

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    2012年05月29日
  • ヌメロ・ゼロ

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    まさに構成の妙。中盤読み飛ばしたくなるほどの冗長さから急展開、そしてストンと落とし余韻を残しつつ終わってゆく、序破急がよく分かる。映像で見ても面白いだろう。

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    2025年11月02日
  • ウンベルト・エーコの文体練習[完全版]

    A

    購入済み

    難しかった

    いくつか解りやすいものもあったけれど
    ほとんど分からなかった、
    これがエーコだといえばそうなのかもしれないけど。
    ともかく、これから読む人は心して取り掛かってください。

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    2023年06月25日
  • プラハの墓地

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    長らく積読していたが、ようやく読み終えた。疲れた。
    エーコは、「フーコーの振子」でも陰謀論や狂信者を扱っていたし、「パウドリーノ」では天才的嘘つきを描いていたのだが、ここでは陰謀論の大博覧会の影の主人公を作り上げる。欧州近現代史の大事件の数々が一人の陰気な捏造家によってお膳立てされていたという具合。
    「パウドリーノ」も、フリードリヒバルバロッサは死ぬわ、コンスタンチノープルは陥落するわ、司祭ヨハネの国を目指して大旅行するわ、アサシンは出るわ、何でもありなんだが、読んで楽しく笑える話だった。
    こっちは、ずっとどんよりした冬の空の下にいる感じで、気分が晴れるところがない。登場する陰謀論が、いまだに

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    2023年04月05日
  • バウドリーノ 上

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    中世の怪物大集合なところは楽しいけど、キリスト教の解釈論的な話が多い上に長い。つらい。

    景教とユダヤ教がどういうものか、今まで読んだ説明の中で一番分かりやすく説明してくれたかもしれない。

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    2022年04月02日
  • ウンベルト・エーコの世界文明講義

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    期待していたのは「文明」の説明だった。でも、テーマに沿った講義録だった。これは自分の視点が違っていたということであり、本の価値を少しもさげるものではない。でも難しい。

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    2021年05月01日
  • もうすぐ絶滅するという紙の書物について

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    なんせ、朝の通勤の時しか、それも山手線に乗って池袋から恵比寿の間の時間でしか読んでなかったもんだから、えらい時間がかかってしまった…

    にしても読んでる人は読んでるというか、この二人は、とにかく蔵書の数が万単位だというから、本当に世界は広い。でもやはりというか、もちろん全部に目を通しているわけではないし、もう死ぬまで読まなくてもいいと思っている本だってあると聞いて、結構共感できたな。ま、全然格が違うんだけど。

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    2021年02月12日
  • ヌメロ・ゼロ

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    小説の出来としては、素朴すぎて今一つ。メディアと権力についての論考としても目新しくはない。ただ、イタリアでは、自国の戦後史について、このようなことが語られているのか、と興味はわいた。

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    2020年08月05日
  • ウンベルト・エーコの世界文明講義

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    頑張って読みましたと言っても字面追っただけに近しい。的確で実直な言葉。2016年没だったので、わりと最近の事に言及していて面白かった。陰謀論、ブリジットバルドーからモニカベルッチまで。

    オスカーワイルド「ドリアングレイの肖像」のアフォリズム。
    ディアボリック(イタリアの人気漫画)。
    ヌミノーゼ 人を戦慄させ、かつ魅惑する神秘。
    ラツィンガーの著書。
    善悪の知識の樹。

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    2019年08月21日
  • プラハの墓地

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    1週間位かけて読みました。当初は全然内容が頭に入ってこないし、時間をかけても全くページが進まないことに驚愕。勉強してから再度読み直したところ、ぐいぐい入ってきました。後ろに年表があるのですが、1897年からのイタリアを主軸としたヨーロッパの歴史を読みやすく小説の形にした模様です。主人公以外全て実在の人間っていうのもすごい。よく調べて肉付けできたな。挿し絵も沢山載っていて私物だそうです。内容はユダヤ人陰謀説です。そもそも今のユダヤ人って、昔のユダヤ人と人種違うんですよね?昔はもっとアジア人ぽかったらしい。

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    2019年02月03日
  • もうすぐ絶滅するという紙の書物について

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    2人の愛書家エーコとカリエールの本に纏わる対談本です。特筆すべきは2人の引き出しの多さで、書籍、物語、あるいは情報について、自分が気づいていなかった視点からの見方が知れたのが有意義でした。

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    2019年01月03日
  • もうすぐ絶滅するという紙の書物について

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    ●書物はできた当初からすでに完成されたもの。それに比べ新しいメディアは進化の途上であり、使い方をマスターしなければならない上に、すぐにより新しいものができて、またマスターし直す必要がある。その点が、紙の書物の優位点である。

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    2018年10月22日
  • もうすぐ絶滅するという紙の書物について

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    ウンベルト・エーコとジャン=クロード・カリエールによる書物をめぐる対談。
    現在に至るまでにどれほど多くの書物が消えてなくなっていったのかという指摘は新鮮だった。
    現在出版されている本も、どれだけの書物が後世に残っていくのだろうか。そんな視点で現在の出版物を読んでいくというのも、なかなかおもしろいと思う。

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    2016年12月21日
  • プラハの墓地

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    ネタバレ

    かなり時間と労力を費やしたが何とか読破。
    ヨーロッパ近代史についてほぼ無知だったので、耳にしたことのある人名や事柄を調べたりしながら読み進めていった。
    ミステリーやスパイ小説の要素もあり、差別・宗教・政治・陰謀etc…。密度と知識の深さがすごい!
    教科書では味わえない歴史のうねりが感じられる作品。
    「主人公のシモニーニ以外は実在の人物」という事実が、
    ある意味一番恐ろしい。
    もう少し読書力をアップさせてから再挑戦してみたい。

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    2017年01月15日