薔薇の名前[完全版] 上

薔薇の名前[完全版] 上

小説・文芸
3,300円 (税込)

16pt

これは、中世の老修道士アドソが、見習修道士時代の体験を回顧して綴った手記である。そこに記されていたのは、彼が訪れた、北イタリアの修道院で起きた連続殺人事件の顛末だった。アドソが付き従っていたのは、理知的て論理的で誰もが驚嘆する推理力の持ち主であるイギリス人修道士、バスカヴィルのウィリアム。彼とともにアドソは、修道院の誇る、迷宮構造を持つ謎めいた文書館に足を踏み入れることになる。本書は、初版刊行以来、エーコ自身が加えてきた数々の訂正、削除等をすべて反映したものになっており、巻頭には、そうした修正について、2012年版に作者自身が寄せた付記も収めた。

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薔薇の名前[完全版] の一覧

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1~2件目 / 2件
  • 薔薇の名前[完全版] 上
    3,300円 (税込)
    これは、中世の老修道士アドソが、見習修道士時代の体験を回顧して綴った手記である。そこに記されていたのは、彼が訪れた、北イタリアの修道院で起きた連続殺人事件の顛末だった。アドソが付き従っていたのは、理知的て論理的で誰もが驚嘆する推理力の持ち主であるイギリス人修道士、バスカヴィルのウィリアム。彼とともにアドソは、修道院の誇る、迷宮構造を持つ謎めいた文書館に足を踏み入れることになる。本書は、初版刊行以来、エーコ自身が加えてきた数々の訂正、削除等をすべて反映したものになっており、巻頭には、そうした修正について、2012年版に作者自身が寄せた付記も収めた。
  • 薔薇の名前[完全版] 下
    3,520円 (税込)
    北イタリアの修道院を訪れた、バスカヴィルのウィリアム修道士と見習修道士アドソ。ウィリアムは院長から、数日前に起きた、細密画家であった修道士の死について調べるよう依頼された。それは事故ではなく殺人であった。しかも修道士の不審死はさらに続き、「ヨハネの黙示録」の記述に沿うように起きていく。そしてすべての鍵は、迷宮構造を持つ文書館に隠されているらしい……。巻末には、エーコ自身による覚書(本編刊行後1983年に発表されたもの)、執筆のために書き溜めたメモや、登場人物や建造物のデッサン等も併録した。全体を通して、故河島英昭氏に代わって(覚書については英昭氏の準備訳稿が存在した)、河島思朗氏が訳文全体を見直し(特にラテン語関連は精査)、作者による訂正、削除についても細部にわたって確認した。

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薔薇の名前[完全版] 上 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    以前の訳で読んだことがあるが、今回新訳が出たので再読。
    やっぱり面白い。今回は物語の筋は分かっているので、歴史的背景を詳しく調べながら読んでいるが、それがまた面白い。中世ヨーロッパの歴史がなぜか好きなのだが、十字軍前後、宗教改革の前の混沌した中世を生き生きと感じられる。
    ウンベルト・エーコーの凄みを感じつつも、楽しい読書時間を過ごせている。さて、下巻へ行くぞ。

    0
    2026年09月22日

    Posted by ブクログ

    複雑な構造の書院をもつ修道院にて、謎の連続殺人がおこる。それを追いながら、様々な宗教談義を行う主人公達。日本で言うと京極夏彦の百鬼夜行シリーズみたいな感じかな、知識が弱くて詳しいことは分からないけど異端にまつわることが謎の根幹にあるのかも。と、思ってたら終盤の書院に居た謎の女とやっちゃって、その後それについての超文学的なレビューで全部吹っ飛んだ。たった一回の行為だったみたいだけど、相当素晴らしかったんだね。
    ↓
    やさしい動きで、彼女の片手が、汗に濡れた私の身体に触れつづけていた。もはや安らぎではなく、炎の絶えたあとに、灰の下に残った火が、最後の輝きを放つかのように、私の奥深くで喜びが走った。いまでも私は、ためらわずに言うであろう。あれに似た喜びを味わうことが(私は夢のなかにいるかのようにつぶやいていた)、たとえ稀にでも(じじつ私にとっては、あのときが、唯一の経験であったが)、たとえ束の間であっても、また一瞬のうちに過ぎ去ってしまっても、この世で許された人間がいるとすれば、それは仕合わせな者であると。あのときには、あたかもおのれが存在しないかのように、少しもおのれ自身を感じることなく、存在そのものが稀薄になって、ほとんど無に帰してしまっていた。もしも死すべき身でありながら(私は自分に言いきかせていた)、東の間なりとも、私がいま味わったようなものを味わうことのできる者がいれば、この不正にみちた世界をただちに険しい目で見つめるであろう。
    このおぞましい日常の生活に心を乱されて、死の肉体の重みを、感じてしまうであろう…・・・・そのように、私も教えられてきたのでは、なかったか?あの至福のなかで、私の全精神を忘却へと誘ったものは、たしかに(いまにして思い当たるのだが)永遠の太陽の発する輝きであった。そして、あれによって生み出された喜びが、人間の心を開き、押し広げ、人間を大きな存在へと変える。人間がおのれのうちに抱えた帳を、大きく開ければ、もはや容易には閉ざせない。それは、愛の剣によって切りつけられ、開かれた、傷だから。それ以上に甘く、かつ恐ろしいものは、この地上にはないであろう。
    それにしても、太陽のもつ力はかくも強いものであるから、太陽はその光線によって傷を貫き、傷口を押し広げて、人間の心は開かれて眠れあがり、人間の脈という脈は切り開かれ、人間の力ではもはや思うままにおのれを動かすこともできなくなり、ただ欲望によってのみ動かされ、いま触れつつあるものによって精神は奈落の底へ燃えつきながら沈みこみ、いままでに生きてきた、そしていまも生きつつある、この現実によって、おのれの欲望もおのれの真実も覆いつくされてゆくのを見るであろう。そしてついに、おのれの喪失のうちで、呆然としているおのれ自身に、立ち会うのだ。
    このような、筆舌には尽くしがたい、内奥の喜びに浸りながら、私はまどろんでいた。

    0
    2026年07月30日

    Posted by ブクログ

    めちゃめちゃ面白い!こういうの大好きです!ミステリーとともに、当時の歴史と宗教(主にキリスト教)^も学べる。下地に中田あっちゃんのYouTube大学、世界史の知識がかすかに残っていたので、それとも繋がり余計に面白かったです。今下巻を読んでますが、ミステリー以外の色んなところに考えさせられる部分があり、読み耽ってます。同じ作者さんのプラハの墓地も買ってしまった!

    0
    2026年07月10日

    Posted by ブクログ

    星3.8
    とんでもなく読み疲れた。
    それと引替えに、読後の度を終えたかのような達成感はひとしお。

    ・アドソが異端同士の違い、また共通点があることについて混乱し、師であるウィリアムに相談した時のウィリアムの回答が非常に面白かった。要約すれば、
    「キリスト教の宗派の歴史は大河のようなもの。どれが本流でどれがそう出ないのかは流れゆく。また、それぞれの流れは別れることもあれば合流もする。
    →そうだとすれば、今のキリスト教やほかの宗教においても何が正しいのかを論ずるのはもはやナンセンスであり、また所謂「原理主義」が出てくるのも不思議では無いと感じた。

    ・また、教育を受けた信者ではない「平信徒」という存在について、『たまたま自分たちの村に通りすがったものに惹かれて群れをなした』と付いているのも、現代社会に通じるものがある。

    ・真犯人、というか黒幕である盲目の老人ホルヘの動機も非常に興味深い。
    アリストテレスが「笑い」を解釈した書物が、人々に聖書や権力に対する「恐れ」に対する武器になり得、また聖書の寓意が笑い話として信仰されなくなることを恐れたため、
    その書物を読もうとするものを殺害したというもの。

    ※以外別書籍のネタバレ注意※

    京極夏彦の「鉄鼠の檻」と共通するものが多い。信者たちの生活空間が舞台、封印された書籍、黒幕は敬虔な信者である老人、火に包まれるラスト

    0
    2026年07月27日

    Posted by ブクログ

    キリスト教のことはわからないけれど、興味深く読めました。どきどきさせられました。
    京極夏彦の『鉄鼠の檻』を思い出しました。

    0
    2026年07月24日

    Posted by ブクログ

    キリスト教の話が多いが、キリスト教の下敷きがないと理解が難しいな。
    それと、登場人物の名前が覚えられなくて困る。
    上巻では第三の死者が出たところで終わる。
    下巻はどんな展開になるのか、とても興味深い。

    0
    2026年04月11日

    Posted by ブクログ

    1980年にイタリアで発売され、各国でベストセラーになった本書。1986年にはショーン•コネリー主演で映画化された(こちらは私も見た)。日本版刊行は1990年。著者は記号論学者。難解。でも面白くて、二週間ほどかけてじっくりと読みました。
    本書は著者の構想メモなども追加収録した『完全版』で、読みでがあります。

    北イタリアの修道院を訪れたウィリアム修道士とその弟子アドソ。ウィリアムは、数日前に起きた修道士の死について調べてほしいと修院長から依頼を受ける。閉ざされた修道院で起きた不可解な死。しかし、事件はそれだけでは終わらず…。
    中世のイタリアを舞台にしたミステリーを縦糸にして、物語は修道院をめぐる大いなる謎に踏み込んでいきます。

    謎に挑む修道士ウィリアムはイギリス人で“バスカヴィル家”出身。彼に同行し、後にこの手記を書く見習修道士の名はアドソ(ワトソン?)と、ミステリー仕立てですが、話はそう簡単にはいきません。面白い!

    【余談】
    読み通してみてよくわかった。映画版は非常に上手く物語のエッセンスを伝えていたんですね。映像化にあたっての時代考証も実に的確でした。本当に中世の修道院そのものの中で撮ったような見事さでした。

    0
    2026年03月16日

    Posted by ブクログ

    知の巨人と謳われたウンベルトエーコの本を始めて読みました。
    難解というか、日本人にはあまりキリスト教が広まってないのもあり、読み辛い部分も正直ありましたが、中世イタリアの修道院で起こる連続殺人事件…ミステリ好きにはたまらない設定です。
    探偵役にはウィリアム修道士と、その見習い弟子アドソ!
    薔薇の名前は昔映画になったそうで、ウィリアムはショーンコネリーが演じています。
    読む時ウィリアムが出てきたら、頭の中にショーンコネリーが話していると想像して読み進めると、もっと楽しめるでしょう。
    下巻に期待です。
    がんばれアドソ!負けるなアドソ!

    0
    2026年02月06日

    Posted by ブクログ

    キリスト教世界に普段触れていない身からするとそれに関する説明やシナリオが正直難しかったです。
    作品を読んで情景を頭に想像しようとして、限界が来ました笑

    0
    2026年04月12日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    p.113 "地獄というものは裏側から見た天国にすぎないような気がしてくる。"

    p.203 "「頭脳に当たる部分は文書館の奥の書架だ、虫食いだらけではあるが」"


    TVで映画を見て、小説を読んだ。この物語との出会いはそんなふうであった。
    読み返して、記憶にあるほとんどが映画版であることに気づく。映画版の印象もあいまいになっていて、変態的な修道士が登場するなど、今思い返すと『ヘルレイザー』とかぶる。
    当時十代だったかどうか覚えていないが学生だったことは確かで、タイトルの意味がわからなくて原作小説を読むことにした。読んでも分からなかった。明確な説明はなかったのである。

    タイトルについて、本書下巻の「『薔薇の名前』覚書」に次のように記されている。
    p.385 "『薔薇の名前』を書いたとき以来、読者から問い合わせの手紙が相次いで寄せられた。巻末のラテン語の詩句<ヘクサメトロス>は何を意味するのか、またなぜこの詩句が書名の元になったのか。私は答えてきた。これは十二世紀のベネディクト会修道僧ベルナール・ド・モルレー作『この世の儚さについて』から取った詩句であり、イマハイズコニ(ここから後に「それにしても去年<こぞ>の雪はいまどこにあるのか」というヴィヨンの詩句も取られた)という主題をさまざまに謳ったものである。ただし、ベルナールはよく使われる定型表現<トポス>(かつての英雄たち、栄えた都市、美しかった王女たち、そのすべてが無に帰する)に、失われてしまったこれらすべてのうちただ名前だけがいまに残されている、という考えをつけ加えた。ここで思いだすのは、アベラールが「薔薇ハ存在シナイ」という例文を用いて、失われてしまったものばかりでなく存在しないものまで言葉は語れるのだと示してみせたことだ。"

    著者はこうも言っている。

    p.387 "私の作品は、執筆途中には、別のタイトルがついていた。すなわち『僧院の犯罪』であった。"

    謎めいたタイトルで読者を惑わす効果を狙ったものと見える。意味はあるようでない。ないようである。そういう受け止め方で良さそうだ。


    p.40 八面体の建物、とある。遠目には四面体と見紛うとある。ちょっと想像できない。上空から見て八角形の建物が、遠目には立方体に見える、なら理解できる。僧院の外壁を上空から見た形は正八角形ではないが、八角形に近い形をしている。
    正四角錐、すなわちピラミッド型は五面で、四つの三角形の面+一つの四角形の面で構成される。八面体は二つの正四角錐を底面でくっつけた形。外から見える面は全て三角形となる。四面体はどの面も三角形。八面体が四面体に見えるとすれば、八面体を構成する正四角錐のうちいずれかが埋没している状態になる。その状態なら正四角錐か四面体か、一瞥して区別はできない。だが、特に表記するようなことだろうか。
    これは原文由来か翻訳由来か。八面体と八角形を示すイタリア語は似ているが、四面体と立方体あるいは六面体を示すイタリア語は似ていない。翻訳に際して八角形ではなく八面体と誤解したとしても、次に続くのが立方体に準ずる語であれば気付ける。となれば、原文由来か。
    原文由来だとすれば。奈須きのこもそうだが、ひょっとして推理小説家は幾何に弱いのだろうか。建物のトリックを使うのに、幾何に弱くていいのだろうか。読み手も幾何に弱いから問題ないとかか。


    初読のときには気づかなかったが、推理小説のフォーマットで書かれている。序盤のウィリアムはまるっきりホームズのようだ。
    かつてはオカルトめいた神秘と背徳を、TRPGの目線で読んだように思う。今はホームズとルパンの混成物として読んでいる。
    神にまつわることに無知であるがゆえに、それらは今も装飾としてしか認識できない。

    0
    2026年05月14日

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