杉田七重のレビュー一覧

  • 世界のはての少年

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    ネタバレ

    舞台はスコットランド西のセント・ギルダ諸島。3人の大人と9人の子供たちが、陸地から離れた海上の岩山で海鳥を捕まえる伝統の鳥猟を行っていたが、約束の日になっても迎えの船が現れず、何もない岩山でのサバイバル生活が始まるというお話。

    読みながらどんなところなのか気になって実際の場所の写真を見たのだけれど、こんな岩山で遭難生活を送るなんてあり得ないようなところで、しかもこれが実話ベースというところに事実は小説よりも奇なりというのを強く感じました。

    ヨーロッパのこの手の話はやっぱり信仰が重要な位置を占めるので、哲学的な深さがあるのが興味深いですよね。

    漂流した少年たちのサバイバル作品としての目新しさは正直なかったのだけど、この地域独特の風習なんかが面白い作品でした。

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    2024年12月18日
  • ヒエログリフを解け ロゼッタストーンに挑んだ英仏ふたりの天才と究極の解読レース

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    ネタバレ

    ・あらすじ
    古代エジプトに魅せられた天才シャンポリオン(仏)と万能の天才トマス・ヤング(英)のヒエログリフ解読レース

    ヒエログリフに絡めて古代エジプトの思想(死、保守的、美感)や1800年第の英仏、他の古代文字など様々な事柄について書かれている。

    ・感想
    未知の言語を解読するには知識、閃き、執念、運、資金、人脈…色んなものが必要になるけどやっぱり一番重要なのはシャンポリオンレベルの「好き」という興味や好奇心なんだろう。

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    2024年03月02日
  • 海賊たちは黄金を目指す 日誌から見る海賊たちのリアルな生活、航海、そして戦闘

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    17世紀の日誌を元に再構成した、海賊たちの日々。
    生活の全般を描いたのではなく、本当にその特定の航海を七人の海賊の航海日誌から語っており実に興味深い。

    海賊本人が書いていることから、不都合なことを省いて色々誇張、美化もある前提であり、肉付けも薄いがその分生々しい部分もある。
    意外に民主主義的であったり、無駄な殺人は嫌悪したり、勇猛に戦ったりするが、所詮は違法行為。
    しかしというか、この時代にある程度以上の収入を得ようとしたら、一部の大資産家、事業家になるのか、その富を奪うのか、どちらかになるくらい生産性が低かったのかなと思うところもあり。

    良書。

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    2024年02月07日
  • 海賊たちは黄金を目指す 日誌から見る海賊たちのリアルな生活、航海、そして戦闘

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    漫画化され、復刊もしたダンピアの冒険記を読み、さらに深掘りできないかと探していたところに見つけた一冊。
    本作はダンピアだけでなく、シャープ、リングローズなどの日誌を読み取って冒険を再構成したものだ。漫画や冒険記ではキャラ・人物を良く見せているが改めて海賊たちの行動を読み通すと、無計画すぎて、ヤバい。よく生きて帰って来れたな。それでまた海に戻ろうとする連中が大勢いたところがすごい。

    ただし、私のように深掘り用サブテキストにするには本作は物足りない。その理由は、参考資料がまさに岩波文庫のダンピアの日誌や、海賊の生活を研究している歴史家・ベナーソン氏『海の盗賊の日常』などだからだ。
    とはいえ、海賊がなんで毎度砂糖や小麦粉を町や船からゲットしてたのかとか、意外と気づかなかったところが分かるのは面白い。冒険に出かけた海賊たちの精神を知るのに良い。

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    2023年11月18日
  • ヒエログリフを解け ロゼッタストーンに挑んだ英仏ふたりの天才と究極の解読レース

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    ヒエログリフとは誰でも知っているロゼッタストーンに書かれてる文字のこと(タカとか蛇とか)。

    ロゼッタストーンは3つの文字で同じことが書かれている。一番上がヒエログリフ、真ん中がデモティック、そして一番下がギリシャ語。

    この石の発見の過程から、この文字に魅せられた(憑かれた?)学者や時代背景からとにかく沢山の事を楽しく伝えてくれる本。ヒエログリフがどうやって解読されてきたのかもまるで現場にいるように伝えてくれてて読んでてワクワク。そして例え話が妙に納得だしニヤつくほど笑えるのもいい。たいして興味ない人でも最後まで楽しんで読めること間違いなし。

    ヒエログリフ、生で見てみたいっ!!

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    2023年11月09日
  • ヒエログリフを解け ロゼッタストーンに挑んだ英仏ふたりの天才と究極の解読レース

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    いつになったら解読レースが始まるの?と思ったけど後半から面白くなってきた。でも結局あまりレース感はなかった笑

    ロゼッタストーン発見からヒエログリフが解読されたと知っていたけれど、単純な話しではなく、そこに至るまでの苦労は想像を超えていた!
    ものすごい膨大な地道な作業の繰り返しだったと思うけど、シャンポリオンが実際解読に成功後エジプトを訪れて遺跡の文字を読めた時はきっとものすごい喜びだっただろうな。

    過ぎた話ではあるが、フランスとかイギリスがエジプトのオベリスクとかレリーフとか、国に持ち帰るのが気になる。。

    私も勉強して、いつか遺跡のヒエログリフが読みたい。

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    2023年07月11日
  • 怪盗紳士モンモランシー2 ロンドン連続爆破事件

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    イギリスの作家「エレナー・アップデール」の長篇ミステリ作品『怪盗紳士モンモランシー2 ロンドン連続爆破事件(原題:Montmorency on the Rocks: doctor, aristocrat, murderer?)』を読みました。
    「ジェフリー・アーチャー」、「マージェリー・アリンガム」に続き、イギリスの作家の作品です。

    -----story-------------
    崖っぷちの怪盗紳士
    痛快シリーズ第2弾!

    「モンモランシー」は崖っぷちにいた。
    泥棒稼業から足を洗い、「ジョージ・フォックス・セルヴィン卿」と共に諜報員の仕事をしていたのだが、トルコで麻薬に溺れてしまったのだ。
    「モンモランシー」の困った言動に手を焼いた「ジョージ」は友人の医師「ファーセット」に治療を依頼しようとした。
    ところが当の医師は自分のミスで患者を死なせてしまったことで、引退を決意していた。
    「ジョージ」は二人を立ち直らせるべく、ロンドンを離れスコットランドにある兄の城に連れていく。
    一方ロンドンでは爆破事件が起こり、諜報員の手腕が必要とされていた。
    好評シリーズ第2弾。
    -----------------------

    2004年(平成16年)に発表された「怪盗紳士モンモランシー」シリーズの第2作目にあたる作品です、、、

    ビクトリア朝時代のロンドンを舞台にしたシリーズで、(読んでないですけど…)前作から10年後の1885年(明治18年)の夏から物語は始まります。


    秘密諜報員「ジョージ・フォックス・セルヴィン卿」はトルコで麻薬に溺れてしまった「モンモランシー」と同じく自らのミスにより患者を死なせてしまって落ち込む友人の「ロバート・ファーセット医師」の二人を立ち直らせるべく、ロンドンを離れスコットランドにある兄の住むグレンダーヴィー城へ連れて行く… その頃ロンドンでは爆破事件が起こり、諜報員である「ジョージ」と「モンモランシー」の手腕が必要とされていた、、、

    まだ完全に立ち直っていない二人を残し「ジョージ」は捜査のためにロンドンへ戻る… 一方、「モンモランシー」と「ロバート」は、グレンダーヴィー城の使用人「モラグ」のまだ赤ん坊の弟が亡くなったことから、「モラグ」に付き添って離島のタリモンド島へ向かうが、そこでは数年前から産まれる赤ん坊がすべて1歳になるまえに次々と病死していることを知り、原因を調べようとする。

    「ジョージ」と「モンモランシー」、「ロバート」の三人は、ロンドンでの連続爆破事件とタリモンド島の呪われた赤ん坊の連続死の謎を追うことになる……。


    「モンモランシー」と「ロバート」が、スコットランドのグレンダーヴィー城やタリモンド島で過ごすうちに、自分らしさを取り戻す前半、

    下宿屋の娘「ヴァイ」を加えて「ジョージ」と「モンモランシー」が連続爆破事件の犯人を追い詰める中盤、

    「ロバート」が小児科病院の医師「ドナルド・ドゥーガル」の力を借りながら、タリモンド島の呪われた赤ん坊の連続死の驚くべき真相を突き止める後半、

    の大きく3つの展開に分かれていましたね… 連続爆破事件もタリモンド島の赤ん坊の死も、凶悪な殺人鬼の犯行ではなく、ちょっと哀しい展開でしたね、、、

    特にタリモンド島の件は、本人は意図せず善意のつもりだっただけにね… とはいえ、赤ん坊が何人も死んでいったのは事実なので、あそこまで島民が寛容になれるかどうかは疑問でしたね。

    あまりミステリ色が強くない作品でしたが、ユーモアが巧く織り交ぜてあることと、独特なキャラに魅せられたことから、飽きずに最後まで読めました。



    以下、主な登場人物です。

    「モンモランシー」
     元泥棒の秘密情報員

    「スカーパー」
     モンモランシーが泥棒するときの別名

    「ジョージ・フォックス・セルヴィン」
     侯爵の子息。秘密情報員

    「エドワード・オーガスタス(ガス)・フォックス・セルヴィン」
     ロッセリー侯爵。ジョージの兄

    「ロバート・ファーセット」
     外科医

    「チバーズ」
     ジョージの従者

    「モラグ」
     グレンダーヴィー城の使用人

    「ハーヴィー」
     グレンダーヴィー城の使用人。モラグの叔父

    「マギー・ゴウディ」
     タリモンド島の助産婦

    「マイケル」
     タイモンド島の神父

    「ヴァイ」
     スカーパーが下宿していた家の娘

    「ロングマン」
     マリミオン・ホテルの支配人

    「シシー」
     ロングマンの娘

    「ライオンズ」
     仕立屋の店主

    「ドリー(マダム・リヨネーズ)」
     ライオンズの妹。婦人服専門の仕立屋

    「モリー・ミード」
     爆発事件の犠牲者

    「ジョー・ミード」
     モリーの兄

    「ドナルド・ドゥーガル」
     小児科病院の医師

    「メアリー・オコンネル」
     ドゥーガルの患者の少女

    「オコンネル」
     メアリーの保護者

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    2023年06月18日
  • コ・イ・ヌール なぜ英国王室はそのダイヤモンドの呪いを恐れたのか

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     コ・イ・ヌールと呼ばれたダイヤモンド、その大きく光り輝く宝石は、インド、ペルシャ、アフガニスタン、パンジャブといった南アジアに覇を唱えた帝国歴代権力者の権威の証となり、幾多の闘いや流血の中を譲り譲られ、奪い奪われ、遂にはインド亜大陸を支配したイギリスの手中に帰することとなった。その数奇な来歴と凄絶な歴史を描いたノンフィクション。
     
     著者の資料の博捜によっても、これがコ・イ・ヌールと明確にその登場を明らかにすることはできず、ある時点でムガール帝国の所有となったとしか言えないらしい。
     はっきりしているのは、それがインドを離れたとき。1738年のペルシャ、ナーディル・シャーによるインド侵攻により、ムガール帝国の莫大な財宝が戦利品として持ち去られたが、その中にコ・イ・ヌールもあった。
     1747年ナーディル・シャーは部下により殺害される。そのどさくさの中、護衛隊の大隊長だったアフガン人のアフマド・カーン・アブダーリは、皇帝の正室からコ・イ・ヌールを進呈され、その足でアフガニスタンに。一気に勢力を広げ、ドゥッラー二帝国を築く。
     しかし、帝国は孫の代に崩壊。帝国東部の地を実質的に支配していたシク人、ランジート・シングの手にコ・イ・ヌールは渡る。1813年のこと。

     ペシャーワル、カシミールと順調に領土を拡大したランジート・シングは、シク国家を樹立。彼は殊の外コ・イ・ヌールを珍重した。その彼も1839年に死去。後継者争いで、彼の死後わずか4年で3人の王、2人の皇太子と皇太后が死亡。残されたのは5歳のドゥリープ・シング。そこに起こったのが、2度にわたる東インド会社とのシク戦争。この敗北によりパンジャブはイギリスの領土となり、またコ・イ・ヌールもイギリス、ヴィクトリア女王に献上されることとなった。

     こうして、コ・イ・ヌールは今もイギリス、ロンドン塔に飾られている。

     イギリスは相手にしていないが、今もインドやパキスタンからはコ・イ・ヌールの返還要求が折に触れ出されているとのこと。
     世界的に歴史的文化財の返還要求が出されているが、一つの宝石にこんな数奇な来歴、出来事があったのかと粛然とする思いで一杯だ。

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    2023年04月19日
  • 世界のはての少年

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    ・ジェラルディン・マコックラン「世界のはての少年」(創元推理文庫)を読んだ。所謂ファンタジーかと思つて読み始めたのだが、どうも趣が違ふ。読んでゐるうちに、結局、ファンタジーとは全く関係のない作品だと分かつた。カバーには「YAの名手が実際の事件をもとに描いた、勇気と成長の物語。」とある。最初にこれを読んでゐればと思ふ。たぶんYAだらうが何だらうが買つたはずである。ただ、ファンタジーとして読み始めるのと、「実際の事件をもとに描いた」物語を読み始めるのとでは、言はば、意気込みが違ふ。その意味ではいささか迂闊であつた。その「実際の事件」はいつ、どこで起きたのかといふと、1727年 に、スコットランド西岸沖のヘブリディーズ諸島、その西の果てにあるセント・キルダ諸島のヒルタ島で起きた。子供9人と大人3人が島に取り残されて冬を越さねばならなくなつたのである。日本では享保年間、八代将軍吉宗の時代である。これで分かるやうに、この物語は所謂無人島ものである。実際にはヒルタ島と呼べるやうな場所ではなかつたやうで、「こちらの舞 台は『島』ではなく、草木の一本も生えぬ『岩』であって」(「訳者あとがき」301頁)とある。その記録があるかと言へば、「彼らがそこで何を考え、いかにして生き残ったのかは、歴史に埋もれてしまっている。だれもそのときの記録を残さなかった。」(「著者あとがき」293頁)とある。つまり何があつたかは分かつても、具体的な記録はないのである。そんな中からこの物語は作られた。「一度ページをめくったが最後、途中で本を置くことはまず無理だらうが」(「訳者あとがき」 304頁)といふのはいささか言ひすぎだが、後半はそれに近くなる。ファンタジーとは全く違ふ物語であつたが、それとは別のおもしろさがあつた。
    ・実話に基づく無人島ものであるが、この事件の記録は残つてゐない。名前が記録されてゐるのかどうか。物語の登場人物には名前がある。大人3人は職業を持つ。子供達に職業がないのは当然だが、その代はりそれぞれに豊かな性格が与へられてゐる。作者としては何が起きたかを想像することも大変だつたであらうが、同時に子供や大人の性格付けもまた大変であつたらう。これが一人一人実にくつきりと描かれてゐる。一人の大人は教会の墓掘りだつた。「牧師の代理が務まるとは、だれも思っていない」(39頁)のに、いつの間にか牧師然とし始める。たかが墓掘りのくせにと思つても、なかなかそのやうにはできない。しかも火の管理をしてゐるのである。例へばこの一事だけでも11人の動きは違ふ。それだけでもおもしろい。そして鳥、何種かの鳥が出てくる。最後にまとめてある。「セント・キルダの鳥たち」(295〜297頁)である。これを見ると絶滅した鳥もゐる。オオウミガラスである。飛べないし陸上では不器用、無防備だが、代はりに「水の中では敏捷に泳ぐ。」(295頁)そんな鳥である。たまに姿を見せる。これを食ふことはなかつたらしく、人の近くに平気で行くやうであ る。その他の鳥はどうなのであらうか。フルマカモメはランプ代はりらしい。食ふのはカツオドリらしく、その幼鳥のグガは 御馳走だつた。このやうな鳥達も豊かに描かれてゐる。カツオドリの見張り役が王である。「このカツオドリさえつかまえてしまえば、あとは」(23頁)獲り放題である。それを最初につかまへれば「カツオドリの王として仲間内で君臨できるのだ。」(同前)さうして子供達の中心になつたクイリアムが主人公となる。鳥と子供達の豊かな個性で読ませる物語と書いて おかう。12人ゐるが11人になつた物語である。

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    2023年02月10日
  • 少女と少年と海の物語

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    海を漂流する過酷さ、物語のつよさとよわさ、いのちを殺して食べるということ、いまこのときの(こういう言い方はしたくないしよくないと思うが)立場と身分の差のようなものの描かれ方には、ハッとさせられる部分があった。

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    2022年12月21日
  • サヨナラの前に、ギズモにさせてあげたい9のこと

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    両親の離婚後母と14歳の老犬ギズモと暮らす13歳のジョージ。幼なじみで親友だったマットは、最近いじめっ子たちとつるんでジョージに嫌がらせをしだしたので、ギズモだけが彼の慰めだった。
    ところがギズモの調子がおかしい。病院で元気は回復したものの、どうも高齢のためにお別れのときが近づいているらしい。
    ギズモと永遠にいられるわけではないと知ったジョージは、残された時間を思い切り楽しむために、「ギズモにさせてあげたいことリスト」を作り、それをクリアしていくことにした。

    愛犬との来たるべき別れのときのために、できることを精一杯しようとする少年と、それに対する周りの子どもたちや大人の反応を、優しく描いた物語。

    ******* ここからはネタバレ *******

    表紙の絵本チックな絵と、非常にわかりやすいタイトルから、決して難解な本ではないと予想しましたが、果たしてそのとおりでした。
    内容もタイトルそのまま、余命短い犬のバケットリストを消化していくお話です。

    わかりやすい作品ですが、主人公の年齢は13歳。中学生向けとしては、幼い印象を受けました。
    幼馴染のマットが、ちょいワルになってしまったという設定なので、背伸びしたがる年齢として13歳を選んだのでしょう。でも、このストーリーなら、高学年や中学年向けとしても充分対応できると思います。

    まず、バケットリストの内容が、決して楽にクリアできるものばかりじゃなかったにも関わらず、うまいことコンプリートできてしまったことに興そがれ感を持ちました。
    特に、リストの「ゴールデンビーチに行く」ための旅費を稼ぐために出場したコンテストで優勝して賞金をゲットして、そのビーチへの道中に強盗に出会い、ギスモの活躍で難を逃れ、「ギズモが有名になる」リストまでクリアというのは、「エルマーのぼうけん」レベルのうまくいき感ではありませんか?
    年少児なら安心感のある作品でいいと思うのですが、ヤングアダルトの切迫した悩みに応える作品ではないようです。

    それに、ドッグセンターでバイトするリブが、犬のトレーナー兼トリマーで、センターのオーナーよりも実力があって、飼い主のジョージでも言うことを聞かないギズモにも一発で芸を仕込める腕前を持っていたり、
    お父さんの彼女のローザががソーシャルワーカーで、リブの家の担当をしていたり、
    強盗事件が解決したときに、ヤングケアラーであるリブの家への支援も増えたとか、
    と、かなり世間が狭くて都合よくつながっています。


    なので、私の印象としては、読むことに不慣れな中学生か、読める中学年からがオススメです。

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    2022年01月03日
  • 少女と少年と海の物語

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    すごい。
    海で嵐が来て遭難。樽みたいな黒いところに人間?死んでる?
    恐る恐る見たら女の子で生きていた。
    わずかな食料と水を分け合い生き延びる2人。
    亀を見つけて、抵抗があったが生きるために食べる。
    美味しくてたくさん食べた。
    食べたおかげで元気が出て、自分が強くなったような気がして気分も上向に。
    海で死の一歩手前という極限状態。
    サメと戦い右足の一部を失い気絶した少年は、目が覚めたとき
    病院のベットの上だった。
    少女と困難を乗り越え生き延びたのに、
    その少女はいない。
    探しに行かないと!
    すごいストーリー。
    初めからラストまで
    力が入ってしまうような読書体験。
    一気読み。

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    2021年09月11日
  • ブラックホールの飼い方

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    断片的に心に響く箇所はあったけれど、自然に心に入ってくるというより、一生懸命理解しようと努めながらなんとか読み終えた。

    あとがきを読むといい話に思えるので、読解力の問題でしょうか…


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    2021年08月05日
  • イマジナリーフレンドと

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    ネタバレ

    小さな子供が自分のためだけに作り出したイマジナリーフレンド。

    小さな女の子のフラーが作ったイマジナリーフレンドのジャック。

    ジャックはみんなに嫌われていると思っていたけれど、本当は違っていた。
    周囲はジャックのことが単に見えていないだけで、そもそもそこに存在していないのだった。

    自分がイマジナリーフレンドだと知ったジャックは
    存在するということを望み、フラーの元を離れ自分探しの旅に出る。

    時にやんちゃな男の子の相棒となり
    一番毛嫌いしていたダックスフントとなり
    気弱だけど知識と想像力豊かな男の子の相棒になり
    どんなに生まれ変わってもイマジナリーフレンドには代わりない自分の姿を認め
    大人になったフラーとその娘のイマジナリーフレンドになり
    再会を果たすまで。

    イマジナリーフレンド目線!まさかの!
    いいね。私も子供の時にイマジナリーフレンドが欲しかったなー!

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    2021年06月11日
  • ブラックホールの飼い方

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    趣旨は十分理解できるんだけど、この手のお話はネタに乗れるか乗れないか、かなあ。ブラックホールをフェアリーテイル的にとらえることが、わたしはちょっとできなかった。たぶん相性の問題。

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    2020年12月20日
  • フラミンゴボーイ

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    英国に住むヴィンセントは、試験が終わったのでフランスへ自由な旅行に出かけたが、フラミンゴの大群の中で体調を崩し倒れてしまう。そんなヴィンセントはロレンゾに助けられる。自閉症のロレンゾは、ロマ(ジプシー)の女性ケジアと暮らしている。ヴィンセントは、なぜケジアとロレンゾがそこで二人で暮らすようになったかを聞く。
     
    第二次大戦中のドイツ軍による障害者やロマへの弾圧をくぐり抜けた二人のストーリーをケジアが語って聞かせるのだが、そういう設定にする必要性が伝わらなかった。

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    2020年11月25日
  • モリー、100匹の猫を見つけた保護犬

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    猫を探す犬、そんな相棒を持った猫専門の探偵なんてあるんだとこの本を見つけて感心した。
    その道のり、そして活躍劇はなかなかの感動もので、イギリス人らしいユーモアも交えてのドキュメンタリ-は一緒に猫を探し出しているような気持ちにさせ、ハラハラさせてくれた。
    冒頭の写真を見ながら、あーこのねこちゃんが、また犬ちゃんっが見つけられたのかーって眺めるのもこの本の魅力だ。
    でも、犬を飼うのはご遠慮願いますw

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    2020年09月30日
  • フラミンゴボーイ

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    「アーニャはきっと来る」2020.3月刊と、テーマや登場人物が似ている。良かったのだが、読者としては、似た話を書くなら一冊に凝縮させてほしいと思ってしまう。最後にモヤモヤが残った「アーニャ…」だったが、こちらは終わり近くの英国人の部分がサラッとしすぎていて、最後にもうひと盛り上がりあって有無を言わせぬ結末でなかったのが残念。そして、自閉症を扱うには、一部分を捉えて都合よく使った感がしてしまいました。

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    2020年08月24日
  • フラミンゴボーイ

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    ネタバレ

    心を通わせて、希望を失わないで。

    ある男の回想という形をとって語られる物語。少年の時、旅路で世話になった人の昔話。それは、フラミンゴと話ができる少年と、その少年の隣にいた少女の話だった。

    人間は自分と違うものを嫌う。戦争は残酷な行為に理由を与える。発達障害のロレンゾを笑った人もいたし、ロマのケジアにロマというだけで辛くあたった人もいた。サロモン先生はユダヤ人というだけで殺されてしまった。ケジアの両親もロマという理由でキャンプに連れて行かれた。

    メリーゴーラウンドは希望だ。すべては元の場所に帰ってくる。乗るのは主に子ども。希望の象徴だ。カポラルはケジアやロレンゾにとって、敵の立場にあたるドイツ兵だ。でも、彼は兵士になる前は教師で、亡くした子を想い、ロレンゾとケジアを守ろうとした。大人たちは警戒した。ケジアも信じきれなかった。でも、ロレンゾは受け入れ、信じた。カポラルは裏切らなかった。第二次世界大戦のヨーロッパにおいて、特にフランスにおいて、ドイツはどうしても悪者である。カポラルのような人もいたのだ。そして、ケジアは自分の希望の象徴である聖女サラをカポラルに託した。彼を守ってくれるように。再会のシーンは光に満ちている。

    一時は激減したフラミンゴが帰ってきて、ケジアは両親と再会し、ロレンゾと共に生き、メリーゴーラウンドは今も回っている。優しく、愛おしい物語である。あまりにうまくいきすぎているかもしれない。でも、それは皆が信じたから起きたことなのだ。信じることは難しい。希望は儚い。でも信じてみたいと思う。

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    2020年08月23日
  • 怪盗紳士モンモランシー

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    ミステリー、と何かで見かけたので読んでみた。
    が、ミステリらしき要素を見つけられない。

    あと何冊かで完結するとあとがきにあったので、この本はミステリに続くための人物紹介の巻といったところか。
    今後、どんな展開になるのか、長編好きな方には、オススメ出来そうなきがする。

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    2017年04月13日