杉田七重のレビュー一覧

  • 最後の語り部
    タイトルと表紙からのイメージと違ってSFだった。彗星の衝突を避けて宇宙に飛び出した少女。将来は語り部になりたいと思っていたのに、慌ただしい出発の中で、希望していた神話のインストールに失敗する。380年後に目覚めた時、予定とは違いディストピア的な状況。物語の力を頼りに戦う少女。面白かった。でも、まだま...続きを読む
  • ガリバーのむすこ
    母さんと別れ、ボートに乗り込んだ難民の少年オマールがたどり着いたのは小人の国だった。そこは、300年前に「ガリバー」が訪れたリリパット国で……。とびきり楽しいお話の中に平和を実現するための鍵を閉じ込めた、今読んでおきたい作品。子どもたちにぜひ手にとってほしい。

    「まるで病原菌のように、戦争はあらゆ...続きを読む
  • 海賊たちは黄金を目指す 日誌から見る海賊たちのリアルな生活、航海、そして戦闘
    イギリスの海賊バッカニアの物語。海賊達の日誌や記録をベースにしたノンフィクション。海賊といえば、よく映画に登場する荒くれ者で金銀などの財宝に目がくらみ 残虐行為も辞さない恐ろしい人達というイメージがあった。当然、世間のルールは無視、一般社会とはかけ離れ、上下関係の厳しい世界を想像していたが、重要な決...続きを読む
  • 世界のはての少年
    児童図書と言っても、
    私に取っては
    骨太でずっしりとくるテーマでした。
    所々にセント・キルダの言い伝えが
    美しい言葉とともに描き出されて
    とても味わい深かった。

    世界のはてという絶景の様子もまざまざと
    目前に広がっているように感じられ
    その表現の素晴らしさは
    岩島での過酷さを体感として迫ってくるよ...続きを読む
  • ヒエログリフを解け ロゼッタストーンに挑んだ英仏ふたりの天才と究極の解読レース
    ロゼッタストーン。そう聞くだけで胸が躍る学生時代を私は送った。古代エジプトの文字であるヒエログリフ解読の歴史ついては、学部生の頃、恩師から「エジプト学史」の授業で学んだ。文字通り、エジプト学の歴史を扱う講義だった。エジプトの面白さは古代史だけではない。トレジャーハンティングの時代を経て、考古学、歴史...続きを読む
  • ヒエログリフを解け ロゼッタストーンに挑んだ英仏ふたりの天才と究極の解読レース
    ナポレオンのエジプト遠征で発見されたロゼッタストーンに刻まれていたのは古代エジプトの文字“ヒエログリフ”だった。英仏二人の言語解読レースの行方とは。→

    ロゼッタストーンもヒエログリフも知らない真っ白な状態で読み始めた私でも、とても楽しく読めた。エジプトにまつわる話やナポレオンの逸話なども入ってい...続きを読む
  • 最後の語り部
    ペトラ達家族と他選ばれ者は、彗星が地球に追突するため、宇宙船に乗って新しい土地を探しに行く。その間長い眠りにつき、目覚めたのは380年後。しかし、目覚めた時すべてが変わり果てていた。SF読み物。ペトラに起こる悲劇と支えてくれる物語の力に圧倒される。ぐいぐい引き込むストーリー展開が面白い。今年1の本に...続きを読む
  • 最後の語り部
    ★5 彗星衝突のため地球を脱出した少女。睡眠から目覚めると画一的で理想的な社会で… #最後の語り部

    ■あらすじ
    地球にハレー彗星が衝突してしまう西暦2061年の近未来。限られた一部の人間だけが宇宙船で地球を脱出をすることができた。
    宇宙船に乗り込んだ主人公の少女ペトラとその家族は、新しい住処である...続きを読む
  • ヒエログリフを解け ロゼッタストーンに挑んだ英仏ふたりの天才と究極の解読レース
    実際は数十年に及ぶじりじりとした解読作業を、その苦労がちゃんとわかる説明ありながらスピード感をもって一気に読ませてくれる。ヒエログリフを、ついに読めるようになった彼がエジプトの王家の谷に行きそこで刻まれていた文を読んで驚いたシーンがかっこいい。
  • ヒエログリフを解け ロゼッタストーンに挑んだ英仏ふたりの天才と究極の解読レース
    小学館のサイト・小説丸でこの本のコラムを書かせて頂きました!

    エジプトに人生を捧げたその情熱に、ラスト、
    我ながらなんでやと思いつつも大号泣…。
    (激しく入れ込んで読んだため。
    感動本ってわけではない!)

    ナポレオン遠征からのヨーロッパでのエジプトブーム。
    ヒエログリフ・謎の文字・ギリシャ語が併...続きを読む
  • ガリバーのむすこ
    普通の人間と小人が仲良く暮らしているなんて、夢みたいな話だったけれど、小人の説明が詳しかったり、現実の話(難民キャンプなど)と空想が組み合わされたりしていて、話が伝わりやすく、まるで本当にあったお話のように感じました。
  • 秘密のノート~JELLY~
    本編とあとがきから抜粋

    つらいときや、そんなに楽しくない時は、
    素直に選択肢その1を選ぼう

    私たちはみんな作り笑いを浮かべている
    それは選択肢その2
    でも常に忘れないでいよう
    いつだって、選択肢その1を選ぶことはできるんだって

    ちょっとしたことで大きく凹んでしまうことがある。
    →大人になって経...続きを読む
  • ガリバーのむすこ
    5.6年。ガリバー旅行記からの、現実アフガニスタンに住んでいた僕が戦争によって難民になり、ガリバーのむすこに勘違いされる話。表紙の絵の展開も最後も素敵。
    戦争を絡めたモーパーゴさんの話は本当にさらりと深い。
  • サヨナラの前に、ギズモにさせてあげたい9のこと
    ジョージは愛犬ギズモともうすぐサヨナラの時を迎える。その前に、してあげたいことの計画をたてる。一つ一つクリアしてゆく過程は楽しいのだが…
    その中で、ジョージが抱える問題(いじめにあっていること、親友マットとの関係、精神的に辛くなると発作が起きてしまう)、両親の問題、そしてギズモを通して知りあったリブ...続きを読む
  • ブラックホールの飼い方
    小学生向きの夏休みのおすすめの本で紹介されていたので読んだ。
    まず、主人公ステラの聡明さに驚いた。
    11歳でカール・セーガンやアインシュタインの理論を知っていて、ホットサンドとトマトのスープが作れる!すごい。弟との関係はリアル。
    彼女がブラックホールに出会って、なんでも吸い込むラリーと過ごして、自分...続きを読む
  • 少女と少年と海の物語
    パンドラ船から遭難したイギリスの少年ビルと、偶然遭遇した移民の少女アーヤの物語。
    飢餓、灼熱の太陽、サメや天候等、海上で生き抜くことの大変さ、アーヤが少しづつ語る物語に、読み終わるのがもったいないと感じるくらい引き込まれた。
    読み終わった後、普通に生きていることが特別に感じた。
  • 怪盗紳士モンモランシー2 ロンドン連続爆破事件
    前作で華麗にスパイへと転身したモンモランシーが、トルコでまさかの薬物中毒となっていた!頼みの綱のロバート医師は手術の大失敗で失意のドン底。セルヴィン卿は2人を連れてスコットランドで療養させるが、そこでは謎の幼児の死亡事件が起こり、ロンドンでは駅の爆破事件が勃発するという最悪のタイミング。しかし、ヘタ...続きを読む
  • 怪盗紳士モンモランシー
    19世紀イギリス。逃亡中の失敗で、全身に瀕死の重傷を負ったモンモランシー。外科医の実験台となる事で奇跡的に回復し無事、刑期を務めた後、出所となった。「お金持ちになる!」の野望を胸に、獄中で練り上げた計画を実行に移す。紳士と泥棒の二重生活が始まった。無数に走る下水道を駆使して鮮やかに宝石店を襲う様や、...続きを読む
  • ブラックホールの飼い方
    面白いと同時に深く考えさせられることが書いてある本だった。

    ブラックホールとの出会いから色々なことを経験する中で、お父さんとの関係、弟やお母さんとの関係、自分のおうちとは何か、自分を形づくってるものは何か、、ということを身をもって知っていく様子が描かれている。

    お父さんとの冗談ばかりのやりとりが...続きを読む
  • 秘密のノート~JELLY~
    前半はとにかくつらかった。

    でも、レノンの登場以降、主人公ジェリーの気持ちが救われたことに安堵し、また悪い流れになったときは涙が出そうになるなど感情移入して一気に読み終えました。

    この本に出会えてよかった!

    これも、日本語のタイトルと表紙がよかったと思います。原書はちょっと重すぎる…。

    中学...続きを読む