【感想・ネタバレ】ヒエログリフを解け ロゼッタストーンに挑んだ英仏ふたりの天才と究極の解読レースのレビュー

あらすじ

1000年以上、誰も読むことができなかった古代エジプトの謎の文字“ヒエログリフ”。ナポレオンのエジプト遠征でそれが刻まれた黒い石板“ロゼッタストーン”が発見され、イギリスとフランスのふたりの天才学者がその解読に乗り出したとき、国の威信をかけた究極の解読レースの幕が上がった。性格も思考方法も正反対のライバルは、“神々の文字”とも呼ばれた謎の言語に、どのように挑んだのか? アメリカ探偵作家クラブ賞受賞作家が、壮大な解読劇を新たな視点から、スリリングかつリーダビリティ溢れる筆致で描く、傑作ノンフィクション!

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Posted by ブクログ

古代エジプトは極度に乾燥した気候であり砂漠に捨てたものはいつまでもそのままであった。ナイル川により耕作は安定していて永遠性が信じされていた。そういう文化のもとに古代エジプトの永遠を求める思想がうまれた。ヒエログリフは紀元後の時点ですでに神秘的な目で見られていた。ひと目見て美しくこの世の真理を表しているとさえ長らく信じられていた。
このようにエジプトの歴史からヒエログリフの解読の歴史を解説していく。ナポレオンのエジプト遠征によるロゼッタストーン発見からトマス・ヤング、シャンポリオンの2名の登場とその解読の過程へと進む。
ヒエログリフは絵文字ではなく表音文字と表意文字の両方の側面があった。作者が英語文化圏の人であるためヒエログリフの解説はアルファベットなどの表音文字を中心に進む。しかし漢字文化圏である日本人は表意文字と表音文字を見ることに親しんでいる。実際解読の過程で中国語の解説書を読んで参考にしたシーンがあるくらいだ。その点が本書の解説がなんだかズレていると感じる点になる。これは文化が違うから仕方のないことだが。
総じて非常に面白く読んだ一冊。線文字Bや暗号解読についても気になったのでサイモンシンの暗号解読を読み始めた。

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2025年05月06日

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ロゼッタストーン。そう聞くだけで胸が躍る学生時代を私は送った。古代エジプトの文字であるヒエログリフ解読の歴史ついては、学部生の頃、恩師から「エジプト学史」の授業で学んだ。文字通り、エジプト学の歴史を扱う講義だった。エジプトの面白さは古代史だけではない。トレジャーハンティングの時代を経て、考古学、歴史学的な調査に至るまで、実に興味深いエピソードに溢れているのだ。

本書は、ヤングとシャンポリオンの2人によるヒエログリフの解読レースを克明に追ったものだ。細かいエピソードを積み重ねることで、2人の天才のキャラクターを浮き上がらせている。あまり日の当たることのないヤングにここまでページを割くとは、作者のドルニックはヤング推しなのか。
もちろん、解読の謎解きもエキサイティング。版元がミステリの老舗、東京創元社さんなのもうなずける。実際、ドルニックはアメリカ探偵作家クラブ受賞作家でもある。これは立派なミステリなのだ。たまらん。

実は去る2022年がシャンポリオンによるヒエログリフ解読から200年のメモリアルイヤー。本当なら東京創元社さんは去年のうちに出したかったんじゃないかなと想像している。

なお読んでいて、いくつか誤りに気がついた。たとえば、「大いなる家」ペル・アアのくだりは、ペルとアアが逆に解説されている。他にも王朝名の間違いなどもあった。とはいえ本書は学術書ではない。読み応えのある人間ドラマであり、芳醇なミステリなのだ。やはり、たまらん。

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2023年10月27日

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ナポレオンのエジプト遠征で発見されたロゼッタストーンに刻まれていたのは古代エジプトの文字“ヒエログリフ”だった。英仏二人の言語解読レースの行方とは。→

ロゼッタストーンもヒエログリフも知らない真っ白な状態で読み始めた私でも、とても楽しく読めた。エジプトにまつわる話やナポレオンの逸話なども入っていてグイグイ引き込まれた。
ヤングとシャンポリオンがいいんだよなぁ……。ヒエログリフはシャンポリオンが解いたというのが歴史的事実らしい→

けど、ヤングやそれ以外の人たちも関わっていた(というか、影響し合っていた?)のがわかって良き。

ラストの「n」のくだりはゾクリとした。うわぁぁぁ!ミステリ好きはこういうの好きじゃない?私は好きだ!

エジプトについて、文字についてもっと知りたい気持ちが盛り上がる一冊。

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2023年09月14日

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実際は数十年に及ぶじりじりとした解読作業を、その苦労がちゃんとわかる説明ありながらスピード感をもって一気に読ませてくれる。ヒエログリフを、ついに読めるようになった彼がエジプトの王家の谷に行きそこで刻まれていた文を読んで驚いたシーンがかっこいい。

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2023年06月05日

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ネタバレ

1000年以上誰も読むことができなかった古代エジプトの謎の文字“ヒエログリフ”。

ロゼッタストーンの発見から解読まで。
未知の文字を解読することの難しさ、そもそも文字なのか?とか表音?表意?とか考えてみたら、難しすぎる作業。シャンポリオンが最終的に解読した話は知っていても、ワクワクして楽しい読書だった。
ただ、シャンポリオンがなかなかの性格なので、ヤングに頑張って欲しいって思ってしまう…。

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2025年11月25日

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とても面白かった。序盤はなかなかヤングとシャンポリオンが登場せずヤキモキしたが、ロゼッタストーンについての説明なども必要だから仕方ないか。

万能の天才ヤングとエジプトに魅せられたシャンポリオン。ヤングがヒエログリフの解読だけに専念していたら結果は違っていたのだろうか。
雑学的に登場する他の登場人物も興味深く、掘り下げて知りたくなった。

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2025年11月09日

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ノンフィクションに苦手意識があったので、読めきれるか不安を感じながら読んだ。
読んだ感じとしてはあまりノンフィクションとは感じずに読むことが出来た。
解読がなかなか進まなさと本の長さにやるせなさを感じ、読書が進みにくいところもあった。

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2025年09月26日

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ネタバレ

あ〜面白かった!ヒエログリフを解読するまでのノンフィクション。ギリギリ何とか読みこなせたかな。ナポレオンがロゼッタストーンを発見するところから始まるので、解読に取り掛かる話は100ページ目から始まる。それまでは、ロゼッタストーンがどのようにしてイギリスに持ち込まれたとか、3000年続いたエジプト文明の神秘や永遠の命と復活を信じるエジプト人の宗教観、とうに失われた言語を解読することの困難さが延々と語られる。ちょっとだけ、いつ始まるんだと思ってしまった。。。
当時のヨーロッパの熱狂的なエジプトブームと、過剰なまでのエジプト文明に対する神格化。芸術のような文字のヒエログリフは、当時の知識人でさえ世界の真理を語っているのだと信じていても不思議ではない。
昔読んだ子ども向けの歴史漫画では、ヒエログリフはいわゆる象形文字みたいなものではなく、アルファベットに近いものだったらしいという話があったけど、そんな単純な話ではなかった。外国から来た文字の音読みをヒントに、ヤングがカルトゥーシュを発見し、そしてシャンポリオンが更に深く解明、決定詞を見つけるまで。決定詞の詳細が語られなかったけど、シャンポリオンが最後まで明かさなかったのか。それにしても彼の忍耐力は想像を絶する。本にも書いてあったように、まさしく海水をスプーンで救うような作業の連続。言葉は同じ言語であっても時代によって変化するし誤植も多い。未だに解明されない部分も多いとか。いろんなパターンをこなす必要があるなら、そのうち生成AIが何とかしてくれてたらいいな。
寄り道の話も結構多くて、オベリスクを持ち帰ったウィリアム・バンクスや、元はサーカス団にいたジョバンニ・ベルツォーニ、アブ・シンベルの探索の話も面白かった。つい先日、ふしぎ発見!のスペシャルがあって、今まで漠然と観てたけど、カルトゥーシュがサラッと出てきておぉ!となりました。改めて知識はすごい。

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2024年11月12日

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古代エジプトの保守性、ナポレオンのひどさなど枝葉が面白かった。乾燥した砂の国の巨大建造物文明だからこそ謎として残ることができたのなら、世界には痕跡を残すことのできなかった文化が無数にあるのかもしれない。

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2024年06月02日

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ちょっとダラダラしてたけど
ワクワク読んだ。面白かった。
ヤングのすごさがあまりわからなかったけど…
エジプトで買ったヒエログリフのペンダント、
久々つけてみるかな?

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2024年01月30日

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ヒエログリフの解読にかかわった人たちに焦点をあてたドキュメンタリ。
ヒエログリフの専門的な解説をある程度期待してたけど、そのあたりは最小限でちょっと肩透かしだった。
ヤングとシャンポリオンという二人の天才の人物もおもしろいけど、その周辺のちょっと胡散臭い人物もおもしろい。

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2023年09月30日

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この本を手に取ったきっかけは、何となく面白そうだったから。ロゼッタストーンの解読に挑戦する天才2人にフォーカスしながら、ナポレオンをはじめとして、数々の冒険野郎を脇に固めたストーリー展開、翻訳にフォーカスしたらすぐに飽きてしまうであろう話を楽しく読み進めることが出来た。

それにしても、この本に出てくる大半の人たちは、人生を賭けてるのがすごい。メイン主役のシャンポリオンはこれだけに人生を捧げていて、天才って人生を捧げて何かを成し遂げる人の事だなと。

個人的に面白かったポイントは、文字の発明が、人が集まったからと言う推察の部分。必要に迫られたから作られたなんて、その前の生活とかどうなってたんだろう?とか、現代でも必要に迫られて発明はされると思うんだが、今だと必要な物って何なんだろう?人を集める事で必要な物が発明されて来た歴史に対して、人が減っていく日本では発明がいらないのか?いるのか?など、頭の体操になりました。

あとは、文に現れる文字の頻出頻度を見ていくテクニックとか、今の翻訳の精度を上げた手法の一つは100年以上前にやってる人がいて、こう言う知見が広く知れ渡る事で新しい発明とか産まれるんだろうなと言う期待も。

筆者は、エドワード・ドルニック氏で、サイエンスライターの肩書き。

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2023年08月09日

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サイモン・シンの本みたい
面白い

ヒエログリフの解読法はよくわからなかったが、天才たちが立ち向かったんだなというのはわかった

同じ著者の本も読みたい

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2023年07月30日

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シャンポリオンがヒエログリフ解読したっていうのは習ったけど実際何したんだっけ?という程度の軽い気持ちで読んだけど思った以上に面白かった。一番驚いたのは二重スリット実験のトマスヤングがヒエログリフ解読に大きく貢献していたことだ。多才すぎる。シャンポリオンのコプト語の知識を使った本当の読み解きは要点を除くと意外とあっさり書かれている印象。可哀想なウィリアムバンクスが登場して少しずつ解読が進むあたりが特に面白い。

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2023年07月20日

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それなりにボリュームはありますが、読み物として楽しめました。

「レース」的なハラハラ感はあまりないですw

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2023年03月21日

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ロゼッタストーンの解読に挑んだイギリスとフランスの二人の天才のお話。
ヤングがいなければ、シャンポリオンの解読はなかったし、ヤングだけだと、ロゼッタストーンはいまだに解読されていない。ヒエログリフは不思議な文字だし、解読までの軌跡ははらはらしどおしだった。
シャンポリオンにはもっと長生きして欲しかったなあ。
大変面白かった。

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2023年03月10日

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ロゼッタストーンに刻まれたヒエログリフ解読に挑むシャンポリオンとトマス・ヤングという人物を中心に追ったノンフィクション。
お話の筋はあっちに行ったりこっちに行ったり脱線しまくり、冗長と思われる表現も多々あってお世辞にも洗練されているとは言い難い文章構成が続くんだけど、テーマと語りの面白さでグイグイ引っ張っていく。
1000年以上前に消え去った未知の言語。改めて、よく解読したなあと畏敬の念。

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2025年05月02日

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ネタバレ

・あらすじ
古代エジプトに魅せられた天才シャンポリオン(仏)と万能の天才トマス・ヤング(英)のヒエログリフ解読レース

ヒエログリフに絡めて古代エジプトの思想(死、保守的、美感)や1800年第の英仏、他の古代文字など様々な事柄について書かれている。

・感想
未知の言語を解読するには知識、閃き、執念、運、資金、人脈…色んなものが必要になるけどやっぱり一番重要なのはシャンポリオンレベルの「好き」という興味や好奇心なんだろう。

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2024年03月02日

Posted by ブクログ

ヒエログリフとは誰でも知っているロゼッタストーンに書かれてる文字のこと(タカとか蛇とか)。

ロゼッタストーンは3つの文字で同じことが書かれている。一番上がヒエログリフ、真ん中がデモティック、そして一番下がギリシャ語。

この石の発見の過程から、この文字に魅せられた(憑かれた?)学者や時代背景からとにかく沢山の事を楽しく伝えてくれる本。ヒエログリフがどうやって解読されてきたのかもまるで現場にいるように伝えてくれてて読んでてワクワク。そして例え話が妙に納得だしニヤつくほど笑えるのもいい。たいして興味ない人でも最後まで楽しんで読めること間違いなし。

ヒエログリフ、生で見てみたいっ!!

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2023年11月09日

Posted by ブクログ

いつになったら解読レースが始まるの?と思ったけど後半から面白くなってきた。でも結局あまりレース感はなかった笑

ロゼッタストーン発見からヒエログリフが解読されたと知っていたけれど、単純な話しではなく、そこに至るまでの苦労は想像を超えていた!
ものすごい膨大な地道な作業の繰り返しだったと思うけど、シャンポリオンが実際解読に成功後エジプトを訪れて遺跡の文字を読めた時はきっとものすごい喜びだっただろうな。

過ぎた話ではあるが、フランスとかイギリスがエジプトのオベリスクとかレリーフとか、国に持ち帰るのが気になる。。

私も勉強して、いつか遺跡のヒエログリフが読みたい。

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2023年07月11日

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