あらすじ
1000年以上、誰も読むことができなかった古代エジプトの謎の文字“ヒエログリフ”。ナポレオンのエジプト遠征でそれが刻まれた黒い石板“ロゼッタストーン”が発見され、イギリスとフランスのふたりの天才学者がその解読に乗り出したとき、国の威信をかけた究極の解読レースの幕が上がった。性格も思考方法も正反対のライバルは、“神々の文字”とも呼ばれた謎の言語に、どのように挑んだのか? アメリカ探偵作家クラブ賞受賞作家が、壮大な解読劇を新たな視点から、スリリングかつリーダビリティ溢れる筆致で描く、傑作ノンフィクション!
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Posted by ブクログ
1000年以上誰も読むことができなかった古代エジプトの謎の文字“ヒエログリフ”。
ロゼッタストーンの発見から解読まで。
未知の文字を解読することの難しさ、そもそも文字なのか?とか表音?表意?とか考えてみたら、難しすぎる作業。シャンポリオンが最終的に解読した話は知っていても、ワクワクして楽しい読書だった。
ただ、シャンポリオンがなかなかの性格なので、ヤングに頑張って欲しいって思ってしまう…。
Posted by ブクログ
あ〜面白かった!ヒエログリフを解読するまでのノンフィクション。ギリギリ何とか読みこなせたかな。ナポレオンがロゼッタストーンを発見するところから始まるので、解読に取り掛かる話は100ページ目から始まる。それまでは、ロゼッタストーンがどのようにしてイギリスに持ち込まれたとか、3000年続いたエジプト文明の神秘や永遠の命と復活を信じるエジプト人の宗教観、とうに失われた言語を解読することの困難さが延々と語られる。ちょっとだけ、いつ始まるんだと思ってしまった。。。
当時のヨーロッパの熱狂的なエジプトブームと、過剰なまでのエジプト文明に対する神格化。芸術のような文字のヒエログリフは、当時の知識人でさえ世界の真理を語っているのだと信じていても不思議ではない。
昔読んだ子ども向けの歴史漫画では、ヒエログリフはいわゆる象形文字みたいなものではなく、アルファベットに近いものだったらしいという話があったけど、そんな単純な話ではなかった。外国から来た文字の音読みをヒントに、ヤングがカルトゥーシュを発見し、そしてシャンポリオンが更に深く解明、決定詞を見つけるまで。決定詞の詳細が語られなかったけど、シャンポリオンが最後まで明かさなかったのか。それにしても彼の忍耐力は想像を絶する。本にも書いてあったように、まさしく海水をスプーンで救うような作業の連続。言葉は同じ言語であっても時代によって変化するし誤植も多い。未だに解明されない部分も多いとか。いろんなパターンをこなす必要があるなら、そのうち生成AIが何とかしてくれてたらいいな。
寄り道の話も結構多くて、オベリスクを持ち帰ったウィリアム・バンクスや、元はサーカス団にいたジョバンニ・ベルツォーニ、アブ・シンベルの探索の話も面白かった。つい先日、ふしぎ発見!のスペシャルがあって、今まで漠然と観てたけど、カルトゥーシュがサラッと出てきておぉ!となりました。改めて知識はすごい。