あらすじ
激しい嵐で乗っていたヨットが転覆。小さな手漕ぎボートで漂流していた少年ビルは、やはり嵐で遭難したらしい一人の少女と出会う。少女はベルベル人のアーヤ。ビルは乏しい食料を彼女と分け合い、アーヤはビルに物語を語って聞かせる。絶望が襲うなか、二人は心を通わせ、物語の力がビルの心を救う。だが食料は尽き、死の危険が刻々と二人に迫っていた……。極限状況下の少年と少女の運命は。カーネギー賞最終候補にもなった感動の大作。
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Posted by ブクログ
「少女と少年と海の物語」は児童書。
自分の子ども時代の読書力では
到底この物語を読み終えることはできなかったと思う。
繰り返し訪れる過酷さ、言葉も価値観も違う人と理解することの難しさ。
つらくてつらくて、途中で放り出してしまっただろう。
「お話は大事なの。食べ物と水が大事なように。」
はっとするような一節を頼りに
いい歳になった我が身ですら自分を励まし読んでいく。
素晴らしい本に出会うためには
その本に挑める強さも
必要なんだなぁと痛感いたしました。
Posted by ブクログ
パンドラ船から遭難したイギリスの少年ビルと、偶然遭遇した移民の少女アーヤの物語。
飢餓、灼熱の太陽、サメや天候等、海上で生き抜くことの大変さ、アーヤが少しづつ語る物語に、読み終わるのがもったいないと感じるくらい引き込まれた。
読み終わった後、普通に生きていることが特別に感じた。
Posted by ブクログ
嵐に巻き込まれ遭難したヨット初心者の英国少年と、わけありそうなベルベル人の少女が、偶然出会い、漂流し、そして・・・という物語。
海の生物、大海原、嵐の描写が迫真に満ちており、引込まれる。
過酷な環境の中、物語を小馬鹿にしていた少年が、やがて少女に物語をせがむ・・・
物語は生きる力・・・
「そうなんだよ、少年!」大きくうなずく私w
アフリカの事情に疎く、そこも衝撃。まさかあの国で・・・と。
民族問題を織り込み、少年と少女が共に漂流し、苦みの遺る展開が、現代版漂流記。「十五少年漂流記」や「ロビンソン・クルーソー」のような冒険譚では終わらない。
ラストに涙し、胸が熱くなる。
Posted by ブクログ
海を漂流する過酷さ、物語のつよさとよわさ、いのちを殺して食べるということ、いまこのときの(こういう言い方はしたくないしよくないと思うが)立場と身分の差のようなものの描かれ方には、ハッとさせられる部分があった。
Posted by ブクログ
すごい。
海で嵐が来て遭難。樽みたいな黒いところに人間?死んでる?
恐る恐る見たら女の子で生きていた。
わずかな食料と水を分け合い生き延びる2人。
亀を見つけて、抵抗があったが生きるために食べる。
美味しくてたくさん食べた。
食べたおかげで元気が出て、自分が強くなったような気がして気分も上向に。
海で死の一歩手前という極限状態。
サメと戦い右足の一部を失い気絶した少年は、目が覚めたとき
病院のベットの上だった。
少女と困難を乗り越え生き延びたのに、
その少女はいない。
探しに行かないと!
すごいストーリー。
初めからラストまで
力が入ってしまうような読書体験。
一気読み。