大野八生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「センス・オブ・何だあ?」の感覚を、まさに息子と(息子の感覚を通して、といった方が正確か)体感しているからこそ、面白い一冊だった。
一歳をすぎて、ぐっと活動量が増えた息子と、よく近所の散歩に出かけるようになった。
いろいろなことに気づき、「ん!ん!」と指さし教えてくれるが、その細やかな感覚に、感心せずにはいられない。
最近は、風に揺れる葉っぱがお気に入りのよう。風の吹き方、吹く方向によって、葉っぱの大きさによって、ゆらゆら、バサバサ、ゴーゴー…
一言に「風に揺れる」といっても、さまざまな揺れ方があるんだな〜なんて、独り身のときには、気にも留めなかったことに、妙に感心したり。
息子と共に観察 -
Posted by ブクログ
ネタバレセンスオブワンダーをもじった著書。「ワンダー」=「感じる」ことと、「何だあ」と疑問をもつことを大切にしようというメッセージを、目の見えない著者ならでは具体例を通して描いていく。
裸足で足の裏の感覚を楽しんだり、音で「地図」を描いたり、匂いで季節が進んでいくかんじを掴んだりと、視覚以外の感覚をフルに働かせて豊かな世界を楽しんでいる著者の姿が印象的だった。
何も見えない「シーンレス」な世界に比べて、感覚を働かせて周囲を豊かに感じることができる世界を「シーンフル」な世界と著者は呼んでいる。この「シーンフル」な世界を生きることの幸せを細やかに描いている。
この本を読むと、目の見える自分がいかに「 -
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Posted by ブクログ
『緑の葉がしげる枝えだに、たくさんのブランコのようにぶら下がっているという、ヘリオトロープ色の、小さなリンゴのように愛らしい、やさしく切ない、遠い夢のような味のする』フラココノ実。
なんて美味しそう。素敵な描写にうっとり。
このフラココノ実は、大人になると食べたくなるという。けれど食べると自分の中の「何か」が消えてしまうらしい。
それでも食べたいのは、誰もが食べているのに食べていない自分は「何か」が足りない気がするからと。
その気持ち何となく分かります。
「「何か」を得れば「何か」を失う。見方を変えれば、どっちかの「何か」は持っているのだ。そこいらじゅうの人がなくしてしまった「何か」を大事に -
Posted by ブクログ
「あしたはかんこの味方だ」空き地のひらたい大きな石のところで
出会ったふじぎなじっちゃん“風助さん”が、かんこに言った
この言葉が、なんとも良くて力づけられる。
人と人とのつながりのあたたかさがあちこちにちりばめられて
読んでいると、どんどん心の奥の方が温かくなっていく。
風助さんと出会って、風助さんがいなくなり、手紙が来て
風助さんのことがいろいろ分かった後、
かんこは「人生をうんと生きた気分」になる。
この「人生をうんと生きた気分」という表現がまたいい。
簡単に理解できたり、割り切ったりできない、
さまざまな想いや体験を超えていくことで、
人は大人になっていくのだろう、と思った。 -