宮田珠己のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「風が強く吹いている」「一瞬の風になれ」など駅伝もの、リレーものには名作が多いが、本書もその列に加わった。
初めは冒頭に登場する春谷風香が主人公かと思ったが、本書の主人公は特定個人ではなく、都立高幡高校陸上部の女子4継リレーチーム全員。
風香が入学・入部してから1年半の春夏秋冬の学校生活や部活動を通じて、それぞれの少女が抱える環境、過去、競技への思い、人間関係、悩みなどがそれぞれの視点で端的に語られ、それらが絡まり合い、もつれ合いながら大会でのレースにぶつかっていく。
幡高メンバーの誰もスーパーエースでないのもいい。(他校にはいる)
南関東や全国にぎりぎり手が届くか届かないかの状況ゆえに -
Posted by ブクログ
正直なところ、陸上という全く興味がないジャンルだったので期待度低めで読み始める。
そもそも男性作家の描く少女像は気持ち悪いことが多く、それだけでどうかなと思っていた。
でもずっと好きで読んでいる宮田珠己氏だし、本が出たら買うことにしている。しかも小説だ。
ごちゃごちゃ言わずに読まなくては。
そう思って読んだ。
結果は疾走感あるいい小説だった。
軽快で軽過ぎず、読んでいて辛過ぎない、等身大の少女たち。
それぞれの性格もうまく書き分けられていて、日頃から本を読む著者が読者の立場に時々たちながら書いているのかなと思うような中だるみ一切なしの面白い小説だった。
早速高校生の娘にも勧めた。 -
- カート
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試し読み
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Posted by ブクログ
ちょっと前のエッセイなので、結構気軽に海外にいけれてのが、時代を感じる。若い人が書いたのかとおもってたらわりと年上だった。
冷静に自分を外側から見てるけれど、ほんとうは楽しくて仕方がない人なのかもなあ。
食べることが面倒くさいというのはよくわかる。
大阪に住んでるので、だいたいの距離はわかるけど、一体なんでそこまでして発作的に歩くのかわからんという表題エピソードだけにとどまらず、海外の憧れの遺跡巡りや、テレビに出たときのかんじとか、なんかどれもこれもなんとなく脱力してて、よい。自分は唯一無二であるとか大仰しくいうわけじゃなく、かといって陰日向でじみじみしてるわけでもない、好きなことをしながら、