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それは、あまりに儚く、あまりに永い、「一瞬」――。
わずかな一瞬で悪夢に陥る、バトンミス。期待された400メートルリレーで勝利を逃した高校女子陸上部が、どん底から這い上がる!圧倒的感動を呼ぶ、青春陸上小説。
高幡高校陸上部の女子リレーチームは、バトンのミスによりインターハイ出場を逃していた。
傷が癒えないメンバーを抱え、それでも来年に向けて、新しいメンバーで再始動。
しかし、選手の怪我、校則違反・部則違反、チームメイトの家庭問題、恋愛問題、他校ライバル選手への嫉妬、そして将来の進路の悩みなど、次々に試練が。
さらに正規メンバー枠の争奪戦もし列になり……。
果たして彼女たちはインターハイに出場できるのか――。
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100分の1秒が勝敗を分ける短距離競技は、天国も地獄も紙一重だ。
個人競技でありチーム競技でもあるリレーの魅力を、とことんまで描いた!
悔しさも、涙も、喜びも、ときめきも全部乗せ!のド直球な青春陸上物語。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
陸上強豪校の女子部員達目線で語られる部活動青春譚。
自分は運動が嫌いだった。走るのは特に嫌い。マラソンなんてもっての外でマラソンシーズンの体育の授業は憂鬱だった。運動部なんてとんでもない。陸上部なんてどういう理由で入部するんだろう、理解出来ないと思っていた。根本的に自分とは違う人達なんだろうなと。作中では強豪校故にか才ある子達が集っていた。小さな頃から足が速いと褒めそやされて来た子達。なるほど、輝く素質があったから走るのが好きになり陸上という競技にのめり込んで行くんだなと得心が行った。
走るのは嫌いだ。でも陸上競技を見るのは好きだ。この上なくシンプルな勝負。故に鮮烈。特に短距離走は僅かな時間、圧倒的な速さで駆け抜けて行く姿に強烈に目を奪われる。速い奴が強い。そして作中で知ったのだが、この事実は覆らないのだそうだ。概ね前情報通り順当に勝負がつく。番狂わせはない。そんな世界で登場人物達はコンマ秒を削る為に死力を尽くす。全力で喜び、悔し涙を流す。狂気じみた魅力があり、自分にも素質があったのなら、陸上の世界に足を踏み入れていた可能性もあったかも知れないなと思えた。
最後のリレーは映像が浮かぶようでこちらまでドキドキした。
静けさの中で告げられるオンユアマークの号令、持ち上げられる腰、乾いた空砲、チャチャチャというスパイクがグラウンドを噛む音。Audibleでやや激しめのエクササイズしながら聞いていたのが相乗効果を産んだのかも知れないが、緊迫感や選手の覚醒に鳥肌が立った。
たくさんのキャラクターが登場し、主要人物達には良くないところもあったものの、部活動を通して誰しもに成長が感じられたのが良かった。特に理不尽に屈しなかったアカネとそのアカネを認めてリーダーシップを発揮出来たサキの印象が強く残っている。
Posted by ブクログ
『そして少女は加速する』は、女子陸上部の4×100mリレーを描いた青春小説。
読んでまず強く残ったのは、バトンパスという一瞬の重さでした。
ほんのわずかな判断ミス、タイミングのズレで、勝利が悪夢に変わる。その現実が、これでもかというほどリアルに突きつけられます。4継で勝利を逃し、どん底に落ちたチームが、そこからどう立ち上がるのか。その過程が丁寧で、決して都合よく進まないのが印象的でした。
特に心を打たれたのは、メンバーそれぞれの視点で描かれる感情。走ることへの向き合い方、仲間への思い、プレッシャーや恐怖。そのすべてが、インターハイ出場をかけたレースの「一瞬」に収束していく構成に、自然と感情移入していました。
陸上を知っている人はもちろん、チームスポーツの経験がある人にも刺さる一冊。
「結果は一瞬、でもそこに至るまでの時間は長い」そんな当たり前だけど忘れがちなことを思い出させてくれる本でした。
Posted by ブクログ
「風が強く吹いている」「一瞬の風になれ」など駅伝もの、リレーものには名作が多いが、本書もその列に加わった。
初めは冒頭に登場する春谷風香が主人公かと思ったが、本書の主人公は特定個人ではなく、都立高幡高校陸上部の女子4継リレーチーム全員。
風香が入学・入部してから1年半の春夏秋冬の学校生活や部活動を通じて、それぞれの少女が抱える環境、過去、競技への思い、人間関係、悩みなどがそれぞれの視点で端的に語られ、それらが絡まり合い、もつれ合いながら大会でのレースにぶつかっていく。
幡高メンバーの誰もスーパーエースでないのもいい。(他校にはいる)
南関東や全国にぎりぎり手が届くか届かないかの状況ゆえに、部員たちは挑み、励み、耐え、挫折し、悩む。
最下級生から最上級生になっていく一年一年、立場の変化に戸惑い、先輩と自らを比べて自身を失い、それでも最善を尽くし成長していく。
チームの集大成となる最終盤のレース。
たった50秒足らずの濃密な時間。
4人のランナーがそれぞれの想いを背負い、限界を超えていく。
高校最後のレースに培ったすべてを懸ける咲、その日4本目となるレースに疲労の限界を破りゾーンに突入するあかね、久しぶりの100Mのレースに突如覚醒する百々羽、弱気を克服し潜在力を発揮するイブリン。
予想を覆す活躍は周囲の人々を、そして読者を興奮の渦に巻き込む。
下級生気質で、故障で走れなかった風香は何かを感じ、次期主将に立つ。
彼女たちにはまだ次の1年が残されている。
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小説・文芸
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