北田絵里子のレビュー一覧

  • あのこは美人

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    好感持てる人が1人も出ない本。

    オチはどうつけるのだろうか?
    という興味だけで読み進めたけど、
    最後までパッとしない感じだった。

    一点、よかったのは、
    整形のデメリットについて知れたこと。

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    2023年06月04日
  • 夜が来ると

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    チェストの上で寛ぐトラの装画と、朝の四時にリビングに漂うトラの気配に、冒頭から期待値が上がる(トラが個人的に好きなのだ)。
    トラの気配と共に生じた切迫感で胸が騒ぐ朝に自治体派遣のヘルパーと名乗る女性が現れる。主人公の視点があやふやになってくるのにつれて不穏さがどんどん増し、現実が溶けていく様がスリリング。ついついページをめくる手が早まる。

    でも、一人の読み手としては、主人公であるルースの視点から見た混沌のクライマックスで物語をぷつんと終わらせて欲しかった。何が事実か分からない不安感の高まりと心理描写が最大の読み応えなので、現実の視点から語られると少しだけ熱が醒めてしまう。
    もちろんエピローグ

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    2023年02月01日
  • 穴の町

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    ネタバレ

    所属感のなさや不思議なことをある程度受け入れる描写などは確かにカフカっぽい。
    ラストの穴の底の街の様子がもっと知りたかった。

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    2022年12月25日
  • あのこは美人

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    韓国で生きる四人の女性の視点で描かれる物語。
    階級格差、女性蔑視、美容整形…韓国の女性たちが直面している問題が詰まっていて、読んでいてものすごく息苦しかった。日本もここまでひどくないにせよ、そう大して変わらないようにも思う。
    完全に手を取り合っているわけではないけれど、4人の奇妙 な連帯感に支えられて読み進めた。
    彼女たちの未来に希望がないわけではない、という程度の微かではあるがハッピーエンドの光があった事に救われた。

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    2022年05月12日
  • レイラの最後の10分38秒

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    1990年、トルコ。イスタンブルの路地裏のゴミ容器のなかで、一人の娼婦が息絶えようとしていた。テキーラ・レイラ。
    しかし、心臓の動きが止まった後も、意識は続いていた──10分38秒のあいだ。
    1947年、息子を欲しがっていた家庭に生まれ落ちた日。厳格な父のもとで育った幼少期。家出の末にたどり着いた娼館での日々。そして居場所のない街でみつけた"はみ出し者たち"との瞬間。

    トルコ・イスタンブールの元娼婦テキーラ・レイラ。彼女の心臓が止まり、脳が死ぬまでの10分38秒。レイラの歩んできた悲しい人生と心がつながった五人の仲間の友情物語。酷い環境に閉じ込められるんだけど、レイラは常

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    2021年09月20日
  • レイラの最後の10分38秒

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    ネタバレ

    面白かった。登場人物のみんなに共感できる。トルコってそんななんだ,と思いながら読んだ。
    終盤,映像化向きな展開になっちゃったなーという感想。それで印象が落ちる訳ではないけど。

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    2021年05月25日
  • レイラの最後の10分38秒

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    主人公の女性レイラは最初から死んでいるのです。しかもごみ箱に捨てられて。体は死んでいるのですが、意識だけは10分38秒残っていて、その間レイラが生涯を走馬灯のように回想するというところが第一部。第二部はその友人たちがレイラの遺体をめぐって行動に出るお話としてつながっていきます。レイラは10代で故郷を捨て都会へ行き、あっけなく騙されて娼婦となります。読者からは転落人生のように思えて、しかしそのことをただ嘆くのではなく、5人もの親友に出会って力強く生きていきます。レイラの心はその境遇においても濁るがありません。イスタンブールという街は複雑な社会情勢、たくさんの宗教、人種が交差する街。そこでたくまし

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    2020年11月14日
  • レイラの最後の10分38秒

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    娼婦レイラは、殺されイスタンブールの裏道のゴミ箱に捨てられた。息絶えてから10分38秒、レイラにこれまでの事がフラッシュバックする。
    男の子を期待され生まれてきたレイラ。イスラム教の厳格な教徒である父の元、厳しく育てられるが、叔父に性的ハラスメントを受けた。自由を求めて家出し、イスタンブールへ向かうが、娼館に売り飛ばされてしまう。そこで出会ったそれぞれに傷を抱える仲間たち。
    第二次大戦後のトルコ、厳しい戒律と裏腹とも思える怪しい社会の裏側。第一部心は、ひたすら暗いレイラを取り巻く社会に読み手も暗くなる。第二部体は、残された仲間のレイラの遺体奪還ストーリー。あきれて笑ってしまう。そして、泣けてく

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    2020年11月14日
  • 荒野にて

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    伯母に会いたい一心で、自分の道を切り開いたチャーリーはすごい。15歳の小さな体の中に一体どれほどの生命力が込められているのだろう。見習わなきゃ。父を慕い、伯母を慕い、逞ましく生きた少年。自分でお金を稼ぐことを覚えたり、良くないことでも生きていくために必要な事を本能で身につけている。だが、それでも世間はチャーリーに厳しい。それでも諦めなかったのは、過去の思い出や会いたいと思う強い意志があったからこそだと思う。すごい。若いって素晴らしい。

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    2020年01月08日
  • 穴の町

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    消える町の本を執筆する予定で、実際に町に穴が開いて、消滅に向かう。穴の存在は不明だが、町の様子は明らかに過疎で、店に人が来ない、交通も機能してない。どこに行っても同じでしょ?という住民の中、わずかながら希望を持っていた女性と町を後にする。「都市」では二人は少しも馴染めず、女性はかつての住民のように希望を失う。希望って多分住民とのコミュニケーションかと思うけど、彼女のやり方もなかなか一方的であって、んー、って感じ。デカプリオ主演のビーチっていう映画を思い出したよ。

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    2019年10月18日
  • 荒野にて

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    この人はバンドもやってていわゆる二足のワラジなんだが、それが駄目に作用してない素晴らしい作家だなあ。や、これ一冊しか読んでないけどね。15歳の全然擦れてない少年のひたすらしんどい旅、ただそれだけなんだけど、どん底の腹ペコの中、この子は少しも誰かのせいとか、自分だけがなんでこんな目に、とか「くさらない」で、唯一の親族伯母さんの住む土地にひたすら向かって進んでゆく。地味な話なのに、読むのがしんどいほどに現実の厳しい描写が痛々しく、このリアルな感覚を表現できる、すごい書き手なんだなあー。

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    2019年10月14日
  • 穴の町

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    消えゆく町についての本を書こうとしている男が、穴が生じて消えてしまう町や名無しの都市をガラス越しに見ているような小説だった。英国人とは違う、オーストラリア人の孤独というか、白人入植者とアボリジニの間の問題のようなものを感じた。この本自体が「消えゆく町」について書かれた本であるから、作中で完成させられなかった「消えゆく町についての本」になるような構造が面白いと思った。自らの住む日本に引き寄せて考えると、都市はいわゆる「東京」だろうか。でもオーストラリアでしか書かれえないテーマで、そこがまた面白いと思えた。

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    2019年07月27日
  • 荒野にて

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    トレーラーの運転手として転々とする父親と暮らすチャーリー、15歳。父親の新たな仕事のためにオレゴンに引っ越してきた。以前いたところではフットボールの選手として表彰されたこともあるチャーリー。新学期と共に地元のフットボールチームに入るため日々ランニングは欠かさない。その途中で競馬場があることを知り、調教師の手伝いをすることにする。狡猾な老調教師デルだったが、そこで競走馬のリーン・オン・ピートに愛情を注ぐようになる。やがて、父親がトラブルに巻き込まれ重傷を負って病院に入院し意識が戻らないまま、亡くなってしまう。そしてリーンもけがをしているようで安楽死になりそうだとわかる。チャーリーは唯一自分に優し

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    2019年05月31日
  • 荒野にて

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    彼の15歳までのこの人生はつらいわー。。。
    いろいろ酷い目にも合っているし、彼自身生き延びるために万引きという犯罪を犯したりしているのに、なぜか妙にピュアな印象。

    『シービスケット』と『すべての美しい馬』と『ブッチャーズ・クロッシング』と『八月の光』のあちこちのピースを組み合わせたような。

    これ以外のラストだったら、全く別のジャンルのお話になってしまいそう。

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    2019年04月03日
  • 夜が来ると

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    なんだろう、ともかく重い。ページ数のわりに読むのがえらい難儀するのは、言葉が難しいというか、予測不可能な言葉遣いというか。終盤に向けてどうなるか分かってるようにも思うのに、どうにも一気に読ませないという、適当に端折って良いものか、いや、ちゃんと読まないといかんのかも、と思いながら、じんわりと読み進む。
    でもトラは良かった。トラと真剣に格闘するシーンは良かった。トラ可愛いよね。

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    2018年08月22日
  • 夜が来ると

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    夜になるとトラがあらわれる。密林の気配とともに。

    75歳のルースの元にトラと同時期に現れたヘルパーのフリーダ。ユーカリオイルで床をぴかぴかに磨きあげる彼女は…

    老いていく、身体がどんどん思うように動かなくなり、記憶も自信がなくなってくる、
    トラは本当にいるのかしら?
    フリーダは本当は何者なのかしら?

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    2015年11月15日
  • プリムローズ・レーンの男(下)

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    途中でジャンル変わってるやん。
    この展開でゴチャゴチャさせすぎずに世界観描き切ったんはある意味評価。

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    2015年06月19日
  • プリムローズ・レーンの男(下)

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    ネタバレ

    面白いんだけど、何をどう突っ込んでいいのか悩む。
    SFからミステリから要素が詰め込まれていて、ごった煮の面白さだったけれど、いささか禁じ手使いまくりな気もしなくはなかった…。
    あと読む人凄く選びそう。色んな意味でマニアックだと思うので。

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    2015年01月01日
  • プリムローズ・レーンの男(下)

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     ○○だと思ったら○○でしたという、驚天動地のスリラーなのである。ルール無用の物語を読みたい者だけが手に取るがいい!と叫んでおこう。
     ネタバレしない程度のあらすじをいえば、妻を亡くしたノンフィクション作家が、プリズム・レーンの男と呼ばれる、謎の男の殺人事件の謎を解き明かそうと調べ始めるのだが……って最初の10ページ位で分かることしか書けない。
     だいたいにおいて、足下が安定しない。「まさか」「いやいや。それは無いだろう」ということがしばしば起きる。
     読んでくださいとしか言えない。

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    2014年12月13日
  • ソングライン

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    オーストラリアのソングラインに魅力を感じると言うよりも、「どうして旅に出るのか」「ノマド的な生活スタイルとは?」というチャトウィンの思想的な部分に魅かれる。それに色々な人々の旅想(?)とも呼べるような、チャトウィンによる引用やノートもとても魅力的だった。次は、『パタゴニア』。

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    2012年10月11日