槇えびしのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本因坊道策。
彼もまた、己の生き様をカタチに残そうと悩み苦しむ一人です。
碁の世界で道策。算術で関孝和。
春海という人間を構成する一つ一つの要素で、自分と同じように悩み苦しむ人物と出会い、そして彼らの覚悟に打ちのめされながら、前へ前へ進みます。
改暦の儀へと。
戦う相手は暦から、朝廷へ。
丁寧に根気よく向き合っていくことのできた暦という理論。それとちがって、のらりくらりと伏魔殿の様相の朝廷。
理想だけを追い求め、熱意があれば正道と、突き進んできた春海たちに立ちはだかった、過去・前例遵守の公家衆。
徒労と挫折に捕らわれた時に、道策との初手天元を賭けた真剣勝負は、これ以上ないカンフル剤となったは