武田邦彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
夢の原子炉と言われていた(言われてきた?)「もんじゅ」が14年ぶりに運転を再開しました。原子力発電所から出てくる廃棄物を使ってエネルギーを作るシステムなので、もう少し良いイメージを持っても良いと思いますが、それを運転して作られる「プルトニウム」が原爆の材料になるということもあり(p43)、イメージが良くないと思っているのは私だけでしょうか。
私もできれば危険なシステムは使うべきでは無いと思っていますが、人類がエネルギー源を「木」から、石炭、石油へと危険を乗り越えて開発してきたことを考えると、原子力を含めた新エネルギーについて開発する姿勢は大事にすべきだと思います。
この本では環境問題で何冊も本を執筆されている武田氏が各種エネルギーについて、その将来性も含めて解説した本です。
以下は気になったポイントです。
・戦争開始時には、10キロのお米の値段:3円、石油ショック前:870円、石油ショック後:3200円、石油の値段が10倍になった時、お米は4倍、戦前比較で1000倍となった(p22)
・地球上の地下深くには、「石油に似ていて石油のようなもの」は多いが、水素が不足していて(粘度が高くて)使えないものが多い(p30)
・ガワール油田は1200億バレルの埋蔵量があると言われていたが、もう7割消費した、現在は高圧の水を油田に700万バレル圧入して、100万バレルの原油が水と一緒に出てくる(p33)
・普通は軍事技術の方が難しいが、原子力の場合は、それが逆で、軍事用の原爆は簡単に作れるが、平和用の原発は数段難しい(少しずつ爆発させるための制御)のが特徴(p48、51)
・日本の原発は全て「軽水炉」という、普通の水(軽水)を使って原子炉が自分自身で爆発を止める(自動的に反応を止める)機能がある(p53)
・各国のエネルギー自給率は、日本:4%、ドイツ:27、イギリス:78、アメリカ:61%、カナダ:140%である(p65)
・太陽電池を普及できない本当の理由は、1)太陽電池を組み立てるときの電気だけを計算して、材料を製造するものはカウント外、2)電気だけの収支で、使用する石油や材料製造コスト、物流エネルギーは計算外、である(p76)
・ダムを造っても、上流から流れてきた土砂を時々「排砂」してダムゲートを開ける必要がある、腐った水が流れ出て下流は悪臭が立ち込めて魚は生存できなくなる(p84)
・今使っている石油は、そのまま燃やすのが90%以上なのであり、プラスチックになるのは10%以下なのでプラスチックをリサイクルしても石油の節約にならない(p94)
・世界のガソリン消費の割合において、アメリカ:52%、日本:6.1、中国:5.2、カナダ:4.1、ロシア:3.6、ドイツ:3.5%@2007である(p117)
・穀物自給率が100%を超えている国は、「お金」か「土地」が余っている国のどちらか(p122)
・為替を操作することで、かつてイギリスはインドの富と努力を吸い取ったが、現代はイギリスがアメリカ、インドが日本になっている(p126)
・2005年にアメリカ南部州を襲った「カトリーナ」は史上最強と言われたが、100年前にはもっと大きなハリケーンがあって6番目の大きさ(p139)
・石油はあと30年もすると、使いにくくなって値段が上がると、石炭が登場することになる、最低でも2000年程度はもつ(p162)
・核分裂の材料はウランであり、300年程度しかもたないが、もうひとつの方法である核融合は重水素が原料で海に膨大に存在するので、3000年程度はもつ(p182)
・ドイツには風力発電もあるが、石炭や原子力の発電方式で全体の8割を作っているし、フランスから原子力による電気も購入している(p188) -
Posted by ブクログ
郵便局などで販売されている個人向け国債は購入していませんが、銀行などの金融機関はわれわれの定期預金等を運用するために国債を購入していると聞いています。CO2やリサイクル問題で著作を読んでいた武田氏が「国債は買ってはいけない」という本を書かれていたことに最近気づいたので読んでみました。
彼の論旨によれば、国債よりも株に投資すべしということです、自分や子供に投資するよりも確実という点には疑問がありますが、結果としてお金の大きさだけで判断するのであればそうかもしれません。
日本が将来的に発展することを見越して日経平均を買うべきというのが彼の結論のようなので、日経平均連動の投資信託の今後の動向に注意してみたいと思いました。
以下は気になったポイントです。
・国債を買ったら損になるというのは、お金の本質(「貯めれば減る」「使う人が得をする」「手数料で儲ける人がいる」「かなり儲かる仕事に使わないと減る」)から見れば当然(p36)
・イギリスと貿易したインドは、「香料をイギリスに運び、その代金のポンドをイギリスに運んだ」、イギリスは、「香料を買い、その代金はもどってくるのでそれを使った」(p44)
・ギャンブルの条件とは、1)勝ち負けは判断でなく「運」、2)多くの人は負けるが、少数は勝つ、3)場を提供する人が儲かり、客は損をする、である(p54)
・日本競馬においては、重賞レースやクラシックレース、日本ダービーに代表されるようなハンディキャップのない実力勝負のレースもあり(p54)
・血の通った物価には、1)時代とともに同じものの値段が代わる(年率10%程度)、2)時代とともに生活がかわる、3)人間は年相応の生活がしたいという条件を含むべき(p67)
・原油価格が上がると物価が上がる、その理由は、自然の恵みを、労力(人)、道具(鉄)、エネルギー(石油)で育てて製品にするから(p76)
・去年のお金と今年のお金は区別ができないので、年々少しずつお金の価値を下げるようにすると、実質的にサービスと値段がおなじになる(p82)
・国民年金制度ができた1961年の月々の支払は100円、初任給が1万円の時代であるので、今の価値にすると月:2000円(p112)
・若い頃の20年間の積立はほとんど無になる、その理由は「血の通わない物価スライド:4.3%」と「人に優しい物価スライド:10%」に差があるから、40年間で8倍異なる(5.4倍と45倍のため)(p115)
・積立というのは「足し算、引き算」で決まるが、時代とともに変わるお金の価値は「比」で決まる(p117)
・積立型年金の矛盾の理由は、積み立てた人が得をするのではなく、積み立てたお金を使う人が得をするため(p118)
・成長の限界(メドウズ博士)の論文で言われていることは、石油がなくなるから困るのではなく、石油のような資源が無限にあると生産量があがり、環境は破壊されて人類が危ないと言っている(p132)
・国民が貯めた1400兆円のうち、450兆円はアメリカが消費済、政府は600兆円使ったが今はない、返される可能性のあるのは民間に渡った350兆円のみ(p145)
・今の巨大会社が成功したのは、戦争で当時の巨大会社が一気になくなったから(p169)
・高卒の生涯賃金は1.7億円、大卒は2.2億円、その差は5000万円、その間の教育投資を1000万程度とすると良い投資である(p199)
・株に投資するとは、1)自分が歳をとらない、2)自分がいつも元気、3)子供は必ず立派になる、という前提をおくということ(p203)
・アドバイスを専門にやっているところの話を聞くのがよい、売買手数料はとらずに、アドバイス料のみをとるのが良い(p212) -
Posted by ブクログ
最近、売れっ子作家の武田邦彦氏の著作である。
生物多様性を生物誕生からの歴史の中で考えると、生物多様性は高まっているらしい。
「生物多様性」も実は利権であり、先進国が、発展途上国の生物多様性を利用して新薬の開発等に役立てたいという目的があった。しかし、途上国もその利権の分け前を主張しだしたため、米国はやる気を失っている。
生物多様性が減少し、生態系が破壊されると人類にも被害が及ぶので、自然保護ということが叫ばれているが、この考え方は正しくないというのがこの本の主な主張である。
「成長の限界」とか「沈黙の春」といった本についても独自の解釈があり興味深い。 -
Posted by ブクログ
明瞭すぎて逆に不安になる本。真偽は今のところおいておくとしても(疑っているというより、納得ができていないという感じ)世の中には自分の知らない考え方があるんだなぁという感想を持った。
随所に顔を出す「政府陰謀論」的主張がちょっとトンデモ風味だなぁと思いつつ、昨今の環境問題論は確かに著者の言うとおりそもそもは科学的問題のはずなのに政治問題に歪められている感も否めないから一概には切り捨てられないかな、とも。ただオレの結論としては「保留」で。
てか、武田邦彦という人はもっとトンデモな人かと思ってたので、思ってたよりずっとまともな学者だと思った。学者というより、ざっくりした考え方はむしろ工学屋的だ。
あと、今この人は河村市長のもとで名古屋市の市政のアドバイザーをしているとのこと。これについてはなんか妙に納得。名古屋ならアリだな、アリアリ。