武田邦彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
環境エネルギー問題、放射線関連について、この本の著者である武田氏の本を何冊か読んだことがあります。彼が著者の中で指摘している様に、環境(CO2温暖化、石油枯渇、放射能)関連の解説本を読む場合には注意が必要だと感じています。
その著者がどのような団体に属しているかによって、書かなければならない内容・避けるべき内容が決まっているからです。お蔭さまで、本を読むときに、その内容を鵜呑みにするのではなく、一歩引いて観る癖をつけることができたと思っています。武田氏は自分はどの団体にも属さず、特定の補助金を貰ってないので真実が書けると、以前読んだ本には書いてありました。
さて、この本は、武田氏が3年間(2011-14)に渡って雑誌向けに書かれていた内容をベースにしたもので、6つの問題について書かれています。日本人の9割が思い違いをしている、というタイトルにあるように、この本を読んで、なるほどと納得した点もあり興味深かったです。
以下は気になったポイントです。
・常識とは、事実ではなく、その社会で都合の良いようにあることを常識としているだけ(p3)
・日本は昔から国があったので、殿様同士の戦いはあったが、住民はみな、日本国民として保護されていた。中国は国がないので誰も住民を守ってくれないので、城壁の中に隠れて生活する(p13)
・中華料理店に行くと必ず丸テーブルがあるのは、親族一同が毎日のように裏切らないようにするための細工(p14)
・今から2200年前に秦の始皇帝が揚子江と黄河の間の小さな地域を統一したが、すぐに漢王朝に変わり、後漢末期には大虐殺があって支那人(漢人)の9割は殺されて新しい国になった(p15)
・沖縄はアメリカ一国管理、台湾が連合国管理という違いがあったが、台湾も沖縄もアメリカは併合しなかったので「国」ではなくなった(p18)
・アジアでは、インドネシア、ベトナム、フィリピン、台湾、日本の地域に住んでいる民族は、生活パターン、考え方、背の高さが似ている、EUのようなものをつくるなら、この5か国がいいだろう(p20)
・南京が日本軍に占領された時の人口は20万人、3か月後には逃げていた人が帰ってきて、30万人。南京の中立地域にあった国際委員会に、日本軍に殺されたと訴えたのが49名(p26)
・軍隊も、降伏も国際法で厳密に決まっている、降伏は、1)軍隊が、2)集団で、3)白旗を掲げ、4)武器を携帯したまま、5)抵抗せずに投降するときに限る、これを捕虜になる権利という(p28)
・ホンダの創始者、本田宗一郎は、戦争前に始めていた自動車修理の東海精機をトヨタに売って、浜松でオートバイを作り始める、松下電器、ソニーの前身もこのころ創業(p38)
・人間社会にとって戦争に負けるより恐ろしいのは、「古い社会、古い人間が社会に残っていること、日本は戦争に負けることで、幅をきかせてきた、軍部・財閥がなくなった(p40)
・年金制度が始まるとき、厚生省の中では、「年金で集まるお金は国家予算より大きくなるから、それを扱う厚生省のトップは日銀総裁より強い権限をもつ、年金給付の40年後には物価が上がり、積み立てたお金はなくなったも同然になるので、使ってしまえ」と言っていた(p47)
・若い人がいなくても年金負担の少ない世界を作るには、コンピュータのクラウド化と、女性の社会進出、この二つが「かつての若い人」になる(p51)
・日本のお金は長い期間(40年間:25歳から65歳)をとると、一定比率で低下する。物価上昇:4.3%、生活改善:3.3%、年齢による出費増:2.3%、の合計10%(毎年)価値が下がる(p53)
・毎年10%、お金の価値が下がるので、10年で3分の1、30年で25分の1となる。55歳から年金を納めたほうがよい。多くの人が若いときに死なず、子供が少なくなれば、お金の価値が下がっていく限り、年金が維持できなくなるのは当然(p55)
・自分だけの年金を貯金するのは50歳からで、それから15年間の間に、65-80歳までの必要なお金の50%を蓄積する。50歳以上で、というのが肝心で、それ以前の貯金は無駄になる、また50歳以上で貯金できる環境を整えておかなければならない(p56)
・政府は国民に節約を呼び掛けて、消費を抑えさせて預金させる、消費が減るので企業は再投資できずお金を借りない、なので銀行にお金が余り、国債を出して吸い出すことができた(p59)
・40年間たっても、100万円は100万円、ただし、物価は540万円になる。したがって、100万円のお金は、18万円までに腐ってしまう(p64)
・インフレに勝てる商品は、株を買うこと、個別の株ではなく、日経平均を買うこと、これを買って40年寝かせるのがポイント(p67)
・メタボを気にして、170センチの人が70キロ(BMI=24)から61キロに落とすと、癌にかかる可能性は14%増える。87キロまで体重が増えても、発がん率は変わらない。厚生省のデータによれば、糖尿病が怖ければ痩せろ、癌が怖ければ小太りが良い(p72)
・男性の喫煙率が半分になったのに、肺がんが6倍になった、女性は喫煙率がほとんど変わっていないのに、肺がんが5倍になっている。(p75)
・タバコが健康を害する、というのはとんでもない言いがかりで、禁煙運動が始まった白人の「黄色人種のタバコ習慣」に対する嫌悪感に他ならない(p76)
・コレステロールの80%は体内で合成される、つまり体が必要とするもので自分で合成するもの。それは善玉も悪玉も。悪玉といったのは、輸送を担当しているので、研究の最初のころは何をしているか分からなかったから(p80)
・コレステロール降下剤は、市場規模5000億円、コレステロールの低下が「うつ」につながるとの指摘もある(p81)
・痛風の元となる尿酸も、体内で80%合成される、現在ではビールや牛肉を食べても、それだか体内での合成する量が少なくなるから問題ないとされている。性格が攻撃的な人ほど、体内の尿酸が高くなる(p82)
・データをよくよく調べると、人間の価値観は25歳の時に決まり、そのまま65歳ころまでほとんど変わらない。その意見も実は「社会の意見」。だから同窓会は楽しい、考え方は同じだから(p97、98、99)
・人間が見ているものは目の像ではなく、それを頭で加工したもの(p105)
・会社を経営するときは、相棒と2人でやる場合は、それぞれが93%の力を出す。社員を7人雇うと、4人分の仕事しかしない、給料が倍になったようなもの、それなら4人で1.5倍にした方がいい(p110)
・生物は常にサボろうとする。それは生きる自体がとても辛いので、他人がいれば他人にしてもらおうとする。人口密度の高い日本ではなおさら(p110)
・人間のオスが性欲を失うと、メスは必死になってお化粧をし、オスの性欲を誘導して交尾を達成しようとした。お化粧の痕が見られる人骨は、200万年前から発掘されている(p131)
・200年後の鉱山は探査できない、いつも無いと言っていないと価格は暴落する、という2つの理由から、石油の寿命はいつまでたっても40年と言う謎は納得される(p155)
・地球ができた46億年から今までの地球の変化を調べ、それに基づいて今の地球ができるために、どのくらいの石油系物質がないといけないかを計算すると、その寿命は500万年。人間が手に届くのは10分の1だが、厳しく見て600分の1として、8000年ということになる(p157)
・ダムをつくってしばらくすると、川の下流の自然が破壊されてきた、水力発電は、太陽の光エネルギーが位置のエネルギーに変わったものをさらに電気エネルギーに変換すること。ダムを造ることによってエネルギーが半分になれば、そのエネルギーを使っていた自然が影響を受けるのは当たり前(p161)
・200年前、イギリスは産業革命によって増えた生産を維持するために、エネルギーを主として森林から得た。イギリスの山はたちまち、禿山となり、独立した広大なアメリカも森林破壊された。自然エネルギーでは豊かな生活はできないと悟って、石炭・石油を利用してきた(p163)
・原発の電気を使うというメリットがあるので、1年1ミリシーベルト(1億人で5000人の発癌というデメリット)を我慢しようということで、1979年パリ(ICRP)で国際的に合意された。1ミリには「我慢の限度」という名前がある。それ以降、世界中が1年1ミリで統一されている(p165)
・現在日本で適用されている、1年20ミリとは、1年に胸のレントゲンを400回に相当する放射線である。ICRPが20ミリを許容しているのは、1)暫定的に数週間、2)それに相当するメリットを個別、具体的に示すこと、としている(p167)
・日本の場合は、さらに「地産地消の給食」がセットされるので、同様にさらに、1年間20ミリを浴び、合計40ミリとなる(p167)
・官僚による政策作り→東大教授による権威化→NHKによる空気化、が行われる(p170)
・特定の地域の人を絶滅させようとする場合、着物・家・暖房を取り上げる。最初の年の冬に、寒さに耐えられない幼児と老人が死ぬ、そのうち「普通の人」が死に、何十年も経つと、若者・洞窟に逃げた人まで死ぬ(p176)
・1980年代、アメリカの農業は不況にあえいでいたので、農業議員を中心にして、「地球温暖化」「生物多様性」という議事環境問題をつくって、農産物価格の上昇をもくろんだ、CO2削減ができないなら農業に補助をしろ、という運動(p178)
・生物多様性の狙いは、発展途上国の森林が開発されて畑になり、農作物の生産量が多くなり値段が下がる恐れがあった。さらに発展途上国の森林開発を、環境問題にして、それを資源にするという計画だったが、こちらは、CO2問題と異なり、原子力業界や欧州の応援もなく、頓挫した(p181)
・COP3(京都)でアメリカはゴア副大統領を派遣したが、その決定内容を、上院で全会一致の95対ゼロで否決、生物多様性については、COP10(名古屋)はアメリカは代表団さえも送らなかった(p182)
・人間が登場する前までは、生物はDNAという「親からもらった情報」のみで生きてきたが、DNA情報よりも100倍多い、脳情報を持った初めての生物である(p188)
・次世代の人間のような動物は、火星人のように頭がやわらかく、食べれば脳の体積が増えるようになるだろう(p190)
2015年5月31日作成 -
Posted by ブクログ
原発問題をめぐるウソ
エネルギー問題のウソ
自然エネルギーは、環境破壊を引き起こす
水力や風力は環境の乱れに
太陽電池をつくるコストが膨大
バイオマスは食糧危機を招く
石油の埋蔵量は増えていてあと8000年はだいじょうぶ
地球温暖化問題のウソ
温暖化は生物にとってよいことだ
節電は温暖化防止にはほとんど降下がない
森林はCO2を吸収せず、トータルではプラスマイナスゼロになる
環境とリサイクルも第のウソ
ダイオキシンの毒性はわずか
エコバッグはむしろ資源の無駄使い、ゴミ袋は副生成物
ペットボトルのリサイクルは資源を余計につかう
紙のリサイクルは森林を荒廃させ破壊する
食品はリサイクルできない
描くと健康問題のウソ
添加物は安全なレベル
狂牛病の感染の確率は低い
コラーゲンは胃で分解されてアミノ酸になるだけ
メタボと生活習慣病の因果関係はない
タバコよりも長寿によって肺がんが増えた
人工甘味料の発がん性はマスコミの誤報
大麻は麻布の材料。麻薬成分はカンナビノールだけ
大麻取締法の存在が麻薬ではない証拠 -
Posted by ブクログ
10年程前から多くの生物が絶滅していていると以前に本で読んだことがあります。また日本の国鳥である「トキ」は絶滅寸前で、人工的に生かされている状態です。この本の著者である武田氏は、そのような状態は「トキ」にとって果たして良い状態なのかと問題を投げかけています。
二酸化炭素の温暖化の問題等、武田氏の書かれる内容には注目してきた私なので、この本も手に取ってみました。人類(ヒト科)もいずれは滅びるのかもしれませんが、誰かに保護されている状態なのでしょうか、等と空想に浸ってしまいました。
また、3章に書かれていた内容で、「命は無生物からできた」ということ、「石油に似た炭素資源」は500万年分ある(p199)というのは驚きでした。
以下は気になったポイントです。
・生物の分類は、大きい方から、界(動物界)門(脊椎動物門)網(哺乳網)目(霊長目)科(ヒト科)属(ヒト属)種(ヒト種)、亜種に分かれている、ヒト科には、チンパンジー・ゴリラ、ヒト属には、ネアンデルタール人等が属している(p20)
・属は複数の種を含むので、容易には絶滅しないので長い歴史で見るときには、属で整理する(p22)
・古生代まで遡ると、いままでに5回の大きな絶滅があり、最近は中生代末期(0.5億年前)のEnd Kで、巨大隕石がメキシコ湾に落ちて恐竜が絶滅したもの(p29)
・最後の隕石が降ってきたのは、1000万年前、2600-2700万年毎に一度、巨大隕石が落ちて生物が絶滅する(p30)
・現在と中生代の終わりを比較すると、少なくとも2000万種ほど多い(p34)
・12年目に地表に出てきた蝉は、2,3,4,6で割り切れるので、2,3,4,6年前に地中に潜った「違う種類の蝉」と遭うことになり、同じ種類の蝉との出会いが減ることになる。素数の13年目に出てきた蝉は、同じ種類の蝉としか遭わない、結果として13,17年蝉が残った(p49)
・抗生物質は細菌が増殖するときに細胞膜を作るのを邪魔する、すると細胞膜ができないので細菌は増殖できなくなり、その結果、人間にとっては「病気が治る」ということになる(p55)
・日本の紅葉が極採色になるのは、その色の種類が27色になるから、赤くなるカエデ、漆が9科20種、黄色になるイチョウ、ヤナギが7科10種、褐色になるブナが4科6種の合計36種もあるので(p61)
・生物が進化すると絶滅が減る理由は、絶滅により強い生物が誕生し、気候変化・食糧不足に耐えられるようになったから、その結果、生物種の数も増えた(p85)
・一時期、セイタカアワダチソウが目立ったのは、黄色の花が咲くこと、土の中にモグラやネズミが多く、土の中に栄養分があったから、根から他の植物の生長を抑制する物質を出すため、最近は土地がやせてきたので、伝統的なススキが勢いを増してきた(p95)
・オーストラリアにとって、イギリス人は侵略的外来種だが駆除されていない、自然の中に人間は入っていないから、それ以外にも、牛、羊、ウサギ、赤狐も外来種だが、赤狐のみ侵略的と呼ばれるのは、人間の役に立たないから(p102)
・アメリカは、地球温暖化と、生物多様性条約は、当初は熱心だったが未だに批准していない、特に後者の条約については、アフリカ側が、ABS条項(植民地して以来の利用してきた利益を戻すべき等)が入ったから(p132)
・水道の水が安心して飲めるのは世界で7か国、戸籍が整っているのは6か国、現金書留が必ず届くのは日本、ジュースの販売機を全国津々浦々におけるのは日本のみ(p144)
・ペストは周期的に襲ってくる病気で、欧州では全人口の3分の1が死んだ、天然痘は航海中の船で蔓延して船員が全滅した、アメリカインディアンは免疫を持たない天然痘により死亡率は9割を記録したこともある(p162)
・ダイオキシンは、一時期、「人間が作り出した史上最強の猛毒」と言われたが、毒性研究の結果、1999年に結果が出た、それは「一般的には毒性あるが、人間はダイオキシンに対する防御があり毒物とは言えない」であった(p178)
・1970年には石油の寿命はあと40年であると言われたが、それから40年経過した2010年も同様に40年と言われている(p195)
・現在では、「命は無生物からできた」ことが確定している、地球上に生命が誕生したのは、「地球に二酸化炭素と水があり、それで化学反応を起こすだけのエネルギーが太陽の光として与えれたから」(p198)
・地球上にある「石油に似た炭素資源」を計算して、世界の石油消費量で割ると、500万年となる(p199)
・資源の寿命とは、資源会社が自分の持っている鉱山の寿命を発表し、それを合計して平均したもの、鉱山会社は資源を探査するのにお金がかかるので、100年後の山は探さず、せいぜい30年程度のものしか探さない。従って、鉱山会社の発表する数値はいつも30年程度になる、さらに長い年数を発表すると資源の相場が下がるため(p200)
・Y遺伝子は男のみが持っているので、欠陥があればそのまま父親から男の子供へ伝わる、このY遺伝子は哺乳動物特有のもので、今から1.6億年前にできて、それから徐々に傷ができて最初の1000個ほどの情報が、70程度に減少している、これがゼロになると男性という性が怪しくなり、人間と言う種族の寿命はあと500万年程度と推定される(p226)
2012年8月19日作成 -
Posted by ブクログ
本書は東日本大震災以前に書かれている。著者はエネルギーの、特に原子力発電について、震災前に喝破していた。
それは二つに要約される。一つは、日本の軽水炉型原発は技術的には安全だということ。もう一つは日本の原発は地震に耐えられないかもしれないという点だ。実際に地震(津波)で原発は壊れた。逆に言うと、地震に耐えうる原発は安全ということである。
震災を機に集団ヒステリーのような反原発の嵐だが、日本の将来のエネルギーを考えるなら、原発をゼロにするというのはいかがなものか。資源のない我が国は、地震で壊れない耐震設計を施した原発を作り、エネルギーを確保すべきではないか。 -
Posted by ブクログ
著者は、原子力関係が専門の学者なのだろうが、本書を読んで「まあ、なんと身も蓋もない」言い方かと苦笑する思いをもった。
「原発は安全」「安全なのになぜ僻地に建てるのか」「危険手当としての交付金」などを読むと、危険なのに安全と言いながら巨額の金をばら撒く姿が浮かび上がる。みんな、うすうすはわかっているが、表向きの論理では専門家は誰もが言わないことをズケズケ語る本書は、一旦巨大事故が起こってしまった現在では「まさにその通り」と言わざるを得ないと思えた。
本書の「人類は地震に耐える原発をつくったことはない」との主張や「放射性被爆」についての考え方、「エネルギー問題」についての考察等は、一考の価値があると思えた。
ただ、本書は一般にもわかりやすいという目的の書なのだろう。内容はポイントのみに絞られていて薄いとも思える。
原発やエネルギー問題は、重要課題であるだけにもっと専門的な徹底した考察も必要だとも感じた。その意味で本書は、ちょっと物足りない。