武田邦彦のレビュー一覧
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リサイクル利権による演出に惑わされないように、警鐘を鳴らす一冊。データの恣意的や論理のすり替えがあり、素直に聞き入れ難い部分もあるが、世の中の常識やメディアのメッセージを疑う視点の必要性に気付くには良い本か。
言うなれば、武田先生の皮肉である。
皮肉だから、常識という思い込みに斬り込むために、無理やりな論を展開している印象を受けてしまう。逆張りやイタズラ好きなおじさんなので、尚のこと。というよりも言葉が足りないのだろう、例えばダイオキシンが人体に影響が無いなど、人の論文を紹介しているだけで、説明がない。
しかし、たまには、おじさんの話も良いものだ。 -
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環境エネルギー問題、放射線関連について、この本の著者である武田氏の本を何冊か読んだことがあります。彼が著者の中で指摘している様に、環境(CO2温暖化、石油枯渇、放射能)関連の解説本を読む場合には注意が必要だと感じています。
その著者がどのような団体に属しているかによって、書かなければならない内容・避けるべき内容が決まっているからです。お蔭さまで、本を読むときに、その内容を鵜呑みにするのではなく、一歩引いて観る癖をつけることができたと思っています。武田氏は自分はどの団体にも属さず、特定の補助金を貰ってないので真実が書けると、以前読んだ本には書いてありました。
さて、この本は、武田氏が3年間( -
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原発問題をめぐるウソ
エネルギー問題のウソ
自然エネルギーは、環境破壊を引き起こす
水力や風力は環境の乱れに
太陽電池をつくるコストが膨大
バイオマスは食糧危機を招く
石油の埋蔵量は増えていてあと8000年はだいじょうぶ
地球温暖化問題のウソ
温暖化は生物にとってよいことだ
節電は温暖化防止にはほとんど降下がない
森林はCO2を吸収せず、トータルではプラスマイナスゼロになる
環境とリサイクルも第のウソ
ダイオキシンの毒性はわずか
エコバッグはむしろ資源の無駄使い、ゴミ袋は副生成物
ペットボトルのリサイクルは資源を余計につかう
紙のリサイクルは森林を荒廃させ破壊する
食品はリサイクルできな -
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10年程前から多くの生物が絶滅していていると以前に本で読んだことがあります。また日本の国鳥である「トキ」は絶滅寸前で、人工的に生かされている状態です。この本の著者である武田氏は、そのような状態は「トキ」にとって果たして良い状態なのかと問題を投げかけています。
二酸化炭素の温暖化の問題等、武田氏の書かれる内容には注目してきた私なので、この本も手に取ってみました。人類(ヒト科)もいずれは滅びるのかもしれませんが、誰かに保護されている状態なのでしょうか、等と空想に浸ってしまいました。
また、3章に書かれていた内容で、「命は無生物からできた」ということ、「石油に似た炭素資源」は500万年分ある(p -
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本書は東日本大震災以前に書かれている。著者はエネルギーの、特に原子力発電について、震災前に喝破していた。
それは二つに要約される。一つは、日本の軽水炉型原発は技術的には安全だということ。もう一つは日本の原発は地震に耐えられないかもしれないという点だ。実際に地震(津波)で原発は壊れた。逆に言うと、地震に耐えうる原発は安全ということである。
震災を機に集団ヒステリーのような反原発の嵐だが、日本の将来のエネルギーを考えるなら、原発をゼロにするというのはいかがなものか。資源のない我が国は、地震で壊れない耐震設計を施した原発を作り、エネルギーを確保すべきではないか。 -
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著者は、原子力関係が専門の学者なのだろうが、本書を読んで「まあ、なんと身も蓋もない」言い方かと苦笑する思いをもった。
「原発は安全」「安全なのになぜ僻地に建てるのか」「危険手当としての交付金」などを読むと、危険なのに安全と言いながら巨額の金をばら撒く姿が浮かび上がる。みんな、うすうすはわかっているが、表向きの論理では専門家は誰もが言わないことをズケズケ語る本書は、一旦巨大事故が起こってしまった現在では「まさにその通り」と言わざるを得ないと思えた。
本書の「人類は地震に耐える原発をつくったことはない」との主張や「放射性被爆」についての考え方、「エネルギー問題」についての考察等は、一考の価値