あらすじ
時代や状況で変容する「正義」の本質を抉る。
「正しいこと」とは何か。時代や社会、性別、立場、職業などによって、常に変容する「正しさ」の本質を、具体的な事例をあげながら、わかりやすく解説する。ギリシャ哲学から説き起こされがちな西欧型の「正義」は果たして正しいのか? あらゆる宗教、哲学、倫理学などをふまえた上で、現代人にとっての「正しさ」を掘り下げる。「原発」「エネルギー問題」にみる「正しさ」とは何か? 戦争における「正しさ」とは? 男女関係における「正しさ」とは? 会社の上下関係にみる「正しさ」とは? など科学的思考によって、現代の生活に役立つ「正しさ」を明快に整理し、日本特有の「空気」にダマされず、生き抜くための哲学書であり、実用書です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ある意味痛快である
相変わらず世間に媚びないアケスケのステキな人だ
全体観を前提にしたモノの見方を披露している
潔癖なまでな選択力を持てる所以は覚えのいいことと相まって
視野の広さと好奇心の強さと部分と全体の捉え方によるのだろうか
この本は今現在にヒットする実例を上げながら
「正しい」というモノが持つ建前と本音からなる矛盾をとらえた上で
自分にとっての答えと世間体からなる答えに迷わず
瞬時に判断できる秘訣を順を追って伝授している
最初の一章だけ読んで納得してしまうと
次の章で逆転するようなことに出くわすだろう
「正しい」を五段階に分けて紐解いていく
正しさの理解を得ることと同時に
現状の問題に対する考え方をも引き出してくれるだろう
Posted by ブクログ
テレビにもよく出ている武田氏の本
正しさとは何かをいろいろな面で論じていてなかなk面白いと
思いました。
地球温暖化・節電などのうそとその裏に隠されているトリック。
電気料金の高さ。
アメリカの西への進行の歴史と停止。慣性力の正義
男女の違い。仮の正義(上司と部下・親子)。考える脳と受けいれる脳
日本によくある空気を作り出す正義とそのトリック
それぞれ、趣のある話が多いと思います。
Posted by ブクログ
武田邦彦と言えば,科学的に捉えた「環境問題の問題点」について指摘してきている学者です。原子力開発のまっただ中にいたこともあって,なかなか貴重な体験をしていらっしゃる方です。講演会も聞いたことがあります。
本書は,大学の講義を聴くように,「正しい」とは何かを,哲学的に解説してくれます。武田教授が,なんで,あのような発想をして,問題点を指摘できるのか。その一端が垣間見れました。
「正しいこと」や「正義」,あるいは「善意」は,人の数ほどあるんです。それを知っていて人とつきあうことが大切です。
「自分も正義」「人も正義」,そのぶつかり合いが戦争だったりします。人類が戦争を避けるために大切なことも述べられています。
北朝鮮が諸悪の根源だと思っている人,アメリカからの独立を求めている人,右翼,左翼…とにかく,いろいろな立場の人に読んでもらいたいです。
Posted by ブクログ
一部では「トンデモ」扱いされてしまう武田先生による、「正しい」の多面性を実感させる講義、といった形になっています。
「正義」ではなく「正しい」とは何か、という点、そして、哲学の本ではなく科学者の書いた本、であるところが面白い点です。
全部に納得する必要も、武田先生を好きにする必要もありませんが、自分が正しいと思っていることが、どういう意味を持っているのかもっとよく理解するためによい一冊です。