石黒圭のレビュー一覧
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タイトルの通り「予測」がキーワードになっている。
予測と聞くと当てるための予測をイメージしてしまうが、そうではなく文章の後に続くであろう展開の幅を限定することなんだとか。
極端な例えだが、ゴジラの話を読んでいるのに「次は大谷翔平が出てくるな」と思う人はいないように、ある程度どうなるか(ゴジラが暴れるかも、どうしてこんなとこにいるのか等)を読み手は絞っていることがわかる。
大事なのは「文章理解とは文章を媒介にして読み手と書き手が擬似対話をすること」を理解することであり、書き手に常に問いの予測をすることで読み上手になれるんだと感じた。
私が、一番勉強になったのは5章の「行間を読ませる」だ。
私が思うに、どんな本(特に小説や戯曲)でも、行間の存在に気づき、深く読み、深く理解することができるかどうかが「読み上手」になれるかどうかなんじゃないかと思う。
そのためにやはり「予測」は重要で、予測は行間の存在を気付かせてくれる。
行間の存在に気づき、その行間を埋める工夫をして、そこでやっと書き手との対話が始まり、問いたり答えたりを繰り返して、文章理解へつながっていくんだと思う。 -
Posted by ブクログ
生徒の文章を添削していると、しばしば座りの悪い接続詞の使い方に出会う。しかし、なぜその接続詞の使い方はおかしいのか、説明の仕方に苦心してしまうことがある。
本書はそんな「わかっている」けど、説明しようとするとまごついてしまう接続詞の効用について、例をふんだんにわかりやすく解説してくれている。
ただし、あくまで個人的なことだが、私は学生の頃から「わかっているつもり」の文法の話を読むのが、まどろっこしくて苦手だ……。
あくまで「わかっているつもり」だということも、わかっているだけれども。
そのため、なかなかはじめは興がのらず……。
とはいえ、上述のように本書は添削の時など接続詞の使い方を改めと噛み砕いて説明しなくていけない時に非常に有用だと思う。
一度読んで目から鱗というような読書体験を味わうというよりも、帯にもあるように小事典のように手元に置き、必要に応じてページを繰る方が本書の良さが表れるように感じた。 -
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人間の思考力を規定するのは言語力であり、言語力の基礎になる部分は語彙力に支えられてい
語彙力= 語彙の量(豊富な語彙知識)×語彙の質(
の高い語彙
内容語は、名詞・動詞・形容詞など、実質的な意味を持つ語であり、日本語の場合、漢字や片仮名で表されることが多い語です。一方、機能語は、助詞、助動詞、感動詞、接続詞など、文法的な機能を持つ語であり、平仮名で表されることが多い語になります。 内容語を扱う能力は 語彙力 と呼ばれ、機能語を扱う能力は 文法力 と呼ばれ
人間が語彙を習得するときには、かならずまず理解語彙になって、それから使用語彙になるという順序で進み
使用語彙では、読み手に違和感を与えないことが重要で、読み手の知識や文脈、感情などに配慮することが求められ
語彙を増やす方法の第一は、「類義語を考える」
対義語を考えることの意義の二つ目は、対義語を考えると、もとの語の意味理解が深まること
対義語で言葉と世界への感性を磨く 対義語を考えることの意義の三つ目は、対義語を考えると、想像力が刺激され、言葉、さらには世界にたいする感性が磨かれること和語の長所は、耳から聞いて、すぐに意味がわかることです。漢語は同音異義語が多く、「こうかがある」と言われても、耳で聞いただけでは、「効果がある」なのか「校歌がある」なのか「硬貨がある」なのか「考課がある」なのか、わかりません。 「効き目がある」ならば耳で聞いてもすぐにわかります。人前で話すときの原稿を作る場合は、漢語を和語に置き換えるようにすると、聞き手に親切。
本書は、 ① 言葉の形に価値があるという「信仰」 ② 言葉の形を変えれば中身まで立派になるという「幻想」 ③ 目を惹く表現を生みだせば偉くなれるという「
という、言葉をめぐる現代社会の病と戦うために書きました。
トレーニングでき良かった。 -
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日本語環境におけるリモートワークの仕事術を紹介する本というよりは、
日本語論:リモートワークの仕事術=6:4
といったような印象の本。
リモートワークの仕事術に関する内容は本の中盤に比較的集中しているように感じた。
またこの本の序章では、日本語学的な内容の他にも、リモートワーク関連以外の内容として、仕事のコミュニケーション技術についても分かりやすく書かれている。
全体を通して、仕事一般のコミュニケーション技術やフォーマルな日本語表現の特徴についての解説は、社会人経験の浅い自分にとっては勉強になるものであったが、リモートワークの実用的な方法論を知りたい人にとっては物足りないと感じるのかも知れない。
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タイトルが「堕落論」のパロディだったとは…。
まったく気づきませんでしたよ。
つかみがたい日本の段落。
(「美しい日本の私」のつもりで言ってみた。)
どうしたらいいか、自分も全く心もとない。
そこで読んだのが本書。
談話にも適用できる「段」という概念が面白い。
段落の機能(まとめ、切り、つなぐ)、種類(意味段落/形式段落だけではない!)を整理し、最後に、コミュニケーションのためにどう使えるか、という話になる。
ネット上の文章の新しい形の段落にも触れている。
段落という「現象」の見取り図を示してくれている。
とはいうものの、これを読んで、すぐに段落を使いこなせるとはとても思えないのだけど。 -
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大人として求められる表現力を、「ぴったり」指向と、「ゆったり」指向に分けて、十種類の表現を磨く観点を提示していく。
ロジカル・シンキング系というか、そういった本では、正確さだけを考えていればいいのだが、仕事をする上ではそういうわけにもいかない。
お客様への接遇表現を扱う本もあるけれど、取引先にメールで連絡する際には、少し冗長かもしれない。
部下にパワハラにならないように指示するなら、謝罪するなら、などと、使う相手と場によって、方針が変わってくる。
「ぴったり系」「ゆったり系」の両方を扱った本って、そう言えばあまり今までなかったような気がする。
石黒さんの本は、これまで読んできたものも、この本も、よく整理されていて、実用的だ。
最近この人が「日本語ビジネスマン」に見えて仕方がない(笑)。 -
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・固より、偏に、徒に、頗る、強ち
・偏った読書は大量の専門語を吸収できますので、けっして悪いことではありません。ただ、飽きてきたら新しい専門分野に移り、そこでもまた大量の本を読みこむこと。それが語彙力増強の秘訣だろうと思います
・「郷里の親へ便りを書く」→「便りを綴る」→「便りを認める」
・「木の葉が風に吹かれる」→「風に踊る」→「風に舞う」→「風にそよぐ」
・「試験前に読書に熱中する」→「読書にハマる」→「読書に浸る」→「読書に耽る」
・「ほめられて何だか恥ずかしい」→「照れくさい」→「面はゆい」
・「落ち着いた雰囲気の住宅街」→「落ち着いた風情」→「落ち着いた佇まい」
・「故人を振り返る会」→「懐かしむ会」→「偲ぶ会」
・「贈る言葉」→「手向けの言葉」→「はなむけの言葉」
・「見る」→「目にする」→「目に触れる」→「目を凝らす」
・×「ご処理のほう、よろしくお願いします」→○「お手続きのほど、よろしくお願いします」
・「聞く」の謙譲語は「うかがう」「拝聴する」。「察する」の謙譲語は「拝察する」
・「確認のうえお受け取りください」の意味での尊敬語「ご査収ください」。謙譲語は「拝受する」
・「住む」の尊敬語は「お住まいになる」。「着る」の尊敬語は「お召しになる」。「買う」の尊敬語は「お求めになる」
・「ご提案の内容に賛成です/同意します/依存ありません」は相手に対する積極的な賛意。「ご提案の内容で結構です/かまいません/よろしいです」は上から目線
・読者の心に届く言葉にするためのコツは、文脈に合った等身大の言葉選びをすること。それに尽きます。奇をてらう必要はないのです -
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あまり話題にはならない、「接続詞」に焦点を当てた新書。
1.2章では品詞としての接続詞、接続詞の機能の5つを紹介してから、3章から4種10分類をして解説している。
3章では「論理の接続詞」として、順接・逆説の接続詞の解説をしている。
4章では「整理の接続詞」として、並列・対比・列挙の接続詞の解説をしている。
5章では「理解の接続詞」として、換言・例示・補足の接続詞の解説をしている。
6章では「展開の接続詞」として、転換・結論の接続詞の解説をしている。
7章では「文末の接続詞」、8章では「話し言葉の接続詞」、9章ではさじ加減、10章では戦略的効果、11章では表現効果として接続詞活用のポイントを解説している。
接続詞をなんとなく使うのではなくて、どのように使うのか、逆に言えば読むときや添削の際には重要なポイントになると思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ・語彙力=語彙の量(豊富な語彙知識)×語彙の質(精度の高い語彙運用)と定義し、語彙の量の増やし方と質の高め方を解説。
・語彙の量は一定数(5万語程度)までは不可欠あるが、それ以上は量より質を高めた方が効率的。
・語彙の質は、相手の心に届くかどうかという定規で測られるので、偉そうな言葉も凝った言葉も必要なく、普通の地味な言葉で十分である。そのコツは、文脈にあった等身大の言葉選びをすることに尽きる。
・類義語を探すときの武器は類語辞典。
・語種は日本古来の固有語である和語、中国から伝来した漢語、外来語に分けられる。和語は身近な内容で、耳で聞いて意味が分かる、内容を易しく示せる一方で、抽象的な内容を表すのが不得手であり、話し言葉向き。漢語は抽象的な内容で、目で見て意味が分かる、厳密な意味をあらわせる一方で、耳で聞いた時に意味が分かりにくく、書き言葉向き。外来語は新しい内容で、海外の最新の概念を手軽に取り込める一方で、目で見たときに意味が分かりにくい。
・「了解しました」は多少失礼に響くため、「承知しました」「かしこまりました」がおすすめ。
・「結構です」というのは「問題ない」という評価を含むため上から目線になる。「同意します」「異存ありません」が適切。
・「ご」は、相手が行為者の場合でも、自分が行為者の場合でも使える語と、相手の行為には使えるが自分の行為には使えない語もあるので、注意が必要。自分たちの中だけで行為が完結する場合はつけにくい。