あらすじ
「読む人にわかりやすく印象に残る文章を書くために、プロの作家はまず、接続詞から考えます」。ふだん何気なく使っている接続詞の具体的な役割を知り、効果的に使う技術を磨く。
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Posted by ブクログ
文章は接続詞で決まる
著:石黒 圭
紙版
光文社新書 370
接続詞専門の解説書です。めずらしい
プロの作家は、接続詞のよい使い手
旧来:接続詞とは、文頭にあって、直前の文と、接続詞を含む文を論理的につなぐ表現である
⇒
本書:接続詞とは、独立した先行文脈の内容を受け直し、後続文脈の展開の方向性を示す表現である
接続詞の論理は、論理のための論理ではなく、人のための論理である
気になったのは、以下です
■接続詞の役割
・接続詞は、「読み手のためのもの」である
・接続詞の6つの機能
①連結関係を表示する
②文脈のつながりをなめらかにする
③重要な情報に焦点を絞る
④読み手に含意を読み取らせる
⑤接続の範囲を指定する
⑥文章の構造を整理する
■論理の接続詞
①順接の接続詞
だから系 だから、したがって、ゆえに、よって、そのため、それで
それなら系 それなら、それでは、すると、そうすると、そうしたら、だとすると、だとしたら
そうしないと、そうでないなら、さもないと
②逆説の接続詞
しかし系 しかし、だが
ところが系 ところが、にもかかわらず、それなのに
■整理の接続詞
③並列の接続系
そして系 そして、それから、また
それに系 それに、それにくわえて、そればかりか、そのうえ、しかも、ひいては
かつ系 かつ、および、ならびに
④対比の接続詞
一方系 一方、他方、それにたいして、反対に、反面、逆に
または系 または、もしくは、ないし、あるいは、それとも
⑤列挙の接続詞
第一に系 第一に、第ニに、……
最初に系 はじめに、つづいて、ついで、その後、
まず系 つぎに、さらに
■理解の接続詞
⑥換言の接続詞
つまり系 すなわち、つまり、ようするに、いいかえると、換言すると、いわば、いってみれば
むしろ系 むしろ、かえって、そうではなく、いな、というより、というか、かわりに、そのかわり
⑦例示の接続詞
たとえば系 たとえば、具体的には、実際、事実、
とくに系 とくに、とりわけ、ことに、なかでも
⑧補足の接続詞
なぜなら系 なぜなら、なぜかというと、だって、なにしろ、なにせ、というのは、というのも
ただし系 ただし、もっとも、ちなみに
■展開の接続詞
⑨展開の接続詞
さて系 さて、ところで、それにしても、それはそうと、それはさておき
では系 では、それでは、じゃあ
⑩結論の接続詞
このように系 このように、こうして、かくして、以上、結局
とにかく系 とにかく、いずれにいても、いずれにしろ、どっちにしても、どっちみち
■文末の接続詞
⑪否定の文末接続詞
のではない系 のではない、名刺+ではない
だけではない系 だけではない、~だけ…のではない
⑫疑問の文末接続詞
か、のか、のだろうか
⑬説明の文末接続詞
のだ系 のだ、のである、のです、の、んだ、んです
からだ系 からだ、ためだ
⑭意見の文末接続詞
と思われる系 と思われる、と考えられる、と言える
のではないか系 のではないか、のではないだろうか、んじゃない
必要がある系 必要がある、べきである、なければならない、てはないらない
■話し言葉の接続詞
対話での使用リスク
①相手の発話権の奪う
というか、ていうか、つうか、てか、むしろ
②言い方を訂正して気分を逆なでする
というか、ていうか、つうか、てか、むしろ
つまり、ようするに、ようは
③逆接の使用で無用な対立を生む
でも、けど
④自己正当化を目立たせる
だから、だって、たって~だもん
目次
序章 接続詞がよいと文章が映える
第1章 接続詞とは何か
第2章 接続詞の役割
第3章 論理の接続詞
第4章 整理の接続詞
第5章 理解の接続詞
第6章 展開の接続詞
第7章 文末の接続詞
第8章 話し言葉の接続詞
第9章 接続詞のさじ加減
第10章 接続詞の戦略的使用
第11章 接続詞と表現効果
主要参考文献
おわりに
索引
ISBN:9784334034733
出版社:光文社
判型:新書
ページ数:256ページ
定価:760円(本体)
発行年月日:2008年09月
2008年09月17日初版1刷発行
2008年11月25日3刷発行
Posted by ブクログ
接続詞を解説した本は初めて。
そして、接続詞の種類の多さ、使い方のポイント、読み手聞き手に対する印象などわかりやすくまとまっている。文章を書く時に、話す時に参考にしたい内容が盛りだくさんの一冊。
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接続詞の類型と微差について、かなり細部まで解説している。日本語ネイティブでも新しい気付きがあるだろう。文章を書く機会がある人には、大きな武器になる知識ばかりだ。
また、接続詞の観点からいくつかの「文学」を解説しているのも、文法書としては新しい。その他の例文も、その文脈に適合したものが選ばれていて、著者の教養と誠意が伝わってきた。
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接続詞を分類、系統立てて各カテゴリーの役割を説明してくれる。さすがに接続詞ともなると使い方がわからないということはないが、要不要や効果的な使い方を改めて考えさせてくれる。前半は分類と説明なので斜め読みだが、本の後半、接続詞による性格診断、自分がよく使う接続詞はなんだろうとか、例文に接続詞は必要だろうかと考える部分は新鮮。
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文章を書く時に、適切な文章の繋ぎ方が分からず難儀していたことから、この本を読んでみた。
接続詞の重要性と考え方・使い方がよく分かる、良い本だと思う。
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仕事を①インプット⇒②付加価値⇒③アウトプットに分けると、
この本は③アウトプットの方法を示す本。
文章(アウトプット)=内容+構造
内容は経験次第、構造はこの本とロジカルライティングで十分だと思います。
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アカデミックライティング(日本語ですが)のマニュアル本はかなり多く出版されていますが,本書は接続詞に焦点を絞っている点で,他書に比べたオリジナリティがあります。
接続詞の使い方しだいで,文章の論理展開がクリアかどうかが決まると言っても過言ではありません。
他のマニュアル本よりも断然おすすめできる内容だと思います。
Posted by ブクログ
接続詞の役割、用法、使い方の留意点について、国立国語研究所・総合研究大学院大学教授、一橋大学大学院言語社会研究科連携教授の著者が記したものです。
国語の試験で空欄に当てはまる適切な接続詞を選択させる設問があるように、用いるべき接続詞は客観的な指標に基づいて自ずと決められるように思ってしまいますが、実際には書き手の主観的な論理によって決められるとのこと。
例えば、頑張って勉強したから80点だったのか、頑張って勉強したのに80点だったのか。どちらの接続を採用するかは書き手の認識に大きく依存します。
このため、読み手と書き手が同じ文脈を共有していないと、接続詞は理解を促すどころか阻害する要因ともなりかねず、事実に忠実に客観的に文章を書きたいときには接続詞をつけないほうが賢明ということになります。
一方、主観に影響される接続詞には、新たな関係の発見をうながす創造的な側面もあるということ。佐藤信夫が『レトリック感覚』にて発見的認識の造形というレトリックの働きを明らかにしようとしていたことを思い起こしましたが、接続詞にも同様の働きを見出しうるのは興味深く感じられました。
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接続詞との観点から文章術を見直す内容を伝授。
本文にもあるが、接続詞から文章構造を考えるというのは目からうろこであった。
接続詞の多様もダメだが、ないのも困る。
就活のワナ に紹介してあったので読んだが、とても役に立った。
Posted by ブクログ
生徒の文章を添削していると、しばしば座りの悪い接続詞の使い方に出会う。しかし、なぜその接続詞の使い方はおかしいのか、説明の仕方に苦心してしまうことがある。
本書はそんな「わかっている」けど、説明しようとするとまごついてしまう接続詞の効用について、例をふんだんにわかりやすく解説してくれている。
ただし、あくまで個人的なことだが、私は学生の頃から「わかっているつもり」の文法の話を読むのが、まどろっこしくて苦手だ……。
あくまで「わかっているつもり」だということも、わかっているだけれども。
そのため、なかなかはじめは興がのらず……。
とはいえ、上述のように本書は添削の時など接続詞の使い方を改めと噛み砕いて説明しなくていけない時に非常に有用だと思う。
一度読んで目から鱗というような読書体験を味わうというよりも、帯にもあるように小事典のように手元に置き、必要に応じてページを繰る方が本書の良さが表れるように感じた。
Posted by ブクログ
あまり話題にはならない、「接続詞」に焦点を当てた新書。
1.2章では品詞としての接続詞、接続詞の機能の5つを紹介してから、3章から4種10分類をして解説している。
3章では「論理の接続詞」として、順接・逆説の接続詞の解説をしている。
4章では「整理の接続詞」として、並列・対比・列挙の接続詞の解説をしている。
5章では「理解の接続詞」として、換言・例示・補足の接続詞の解説をしている。
6章では「展開の接続詞」として、転換・結論の接続詞の解説をしている。
7章では「文末の接続詞」、8章では「話し言葉の接続詞」、9章ではさじ加減、10章では戦略的効果、11章では表現効果として接続詞活用のポイントを解説している。
接続詞をなんとなく使うのではなくて、どのように使うのか、逆に言えば読むときや添削の際には重要なポイントになると思う。
Posted by ブクログ
今まで文章書いてて接続詞についてうやむやしてたことがスッキリした.論文などを書いてる人にはぜひお勧めしたい本である.接続詞の負の面や,文学における創造的な役割などいろいろな角度から接続詞を分析していてとても興味深い.
Posted by ブクログ
接続詞の効用が体型的に書かれている。
論文では「つまり」が多くなりやすく、そこがわかりにくくなる。
文章をしばらく寝かせて自分と切り離すことの大切さ。
「でも」や「けど」はその展開をさえぎってしまう。
テクニカルライティング
Posted by ブクログ
接続詞の用い方をそれぞれの言葉について解説しながら説明している。
なんとなく日本語教授法の延長かなと思った。
つまりは多用しない方が良い。
たとえばはその後に続くのが一つだけの場合は使わない。
Posted by ブクログ
接続詞について体系的にまとめられている。
文語的な表現も多く、やや読み進めるのに時間がかかってしまったが、これまで何気なく使っていた接続詞を見直すのによい機会となったと思う。
本を読むというより、辞書としての機能もあり、手元においておきたい一冊だ。
Posted by ブクログ
なるほど、こら面白い! 筆者である石黒先生のご専門は文章論とのことで、そこから考えると、いわゆる日本語学畑の方ではないと思われますが、だからこその理にかなった発想には「なるほどなー」と呟かずにはいられない。やや納得のいきづらい部分や、冒険的な解釈が見られることを加味しても、十分に役に立つ一冊と言えましょう。
文章・談話になくてはならない接続詞に注目し、どう読み手・聞き手に訴えかけるか、どう書き手・話し手の主張を受け入れるのかの2つの側面の解説は一読の価値はあると思います。どう書くか、だけでなく、どう読むかまで身につけられるのですよ。お買い得。
そんでもって、内容もさることながら、専門的な研究内容を一般向けに書くとはどういうことかを示してくれていることにも価値が見いだせる。なるほど、こうやって書けば門外漢にも伝わるんだな。
もちろん、その結果、研究書としての価値は下がってしまっている感は拭えませんが、普通に読み物として楽しめる書籍でございます。
【目次】
序章 接続詞がよいと文章が映える
第一章 接続詞とは何か
第二章 接続詞の役割
第三章 論理の接続詞
第四章 整理の接続詞
第五章 理解の接続詞
第六章 展開の接続詞
第七章 文末の接続詞
第八章 話し言葉の接続詞
第九章 接続詞のさじ加減
第十章 接続詞の戦略的使用
第十一章 接続詞と表現効果
主要参考文献
おわりに
索引
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[ 内容 ]
多種多様な役割を知り、効果的に使い分けるには-接続詞使用のセンスを磨くための小辞典。
[ 目次 ]
接続詞がよいと文章が映える
接続詞とは何か
接続詞の役割
論理の接続詞
整理の接続詞
理解の接続詞
展開の接続詞
文末の接続詞
話し言葉の接続詞
接続詞のさじ加減
接続詞の戦略的使用
接続詞と表現効果
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
普段何気なく読み書きしている接続詞の分類や同系の言葉の使い分けについて分かりやすく書かれています。巻末の索引のお蔭でリファレンスとしても役立ちそうです。
Posted by ブクログ
文章をより正確に読み・書きするための基礎技術について学びたくて購入した。
文脈同士を繋ぐ接続詞全般について、書き言葉だけでなく、話し言葉の中での用法を紹介しており、興味深い内容だった。一方で、読み・書きの力を向上させるための、具体的な方法や注意点について、もう少し記載があるとありがたいと感じた。
Posted by ブクログ
タイトルの通り日本語における接続詞の役割を解説する本である。
書き言葉だけでなく口語体にも触れており、接続詞について多角的な視野からアプローチをかけている。
本書において特に眉唾物なのが、接続詞の使い方に人の性格が浮き出るということだ。「てか」を多様してしまう私は、飽きっぽいが機転を効かせられる人間らしい。
このように、接続詞に対して特殊なアプローチをかける本書は座学としては大変面白い。しかし、本書はあくまで接続詞の役割や特徴を述べるに留めており、実際に整然とした文章を書けるようエスコートしてくれる性質ではないことに注意していただきたい。
言語学という側面から評価すれば星4をつけていたが、実践向きな内容を期待していたので厳しい評価に致しました。
Posted by ブクログ
接続詞の用法に迷うことが多いので、ヒントになるかと思って読んでみたが、結局、あまり考えず、自分なりに感覚的に書いていくのが性に合っているみたい。というか、接続詞以前に根本的に文章力ないからな、ワシ。
Posted by ブクログ
論理の接続詞=順接、逆説、だから、それなら、しかし、ところが
整理の接続詞=並列、対比、列挙、そして、それに、かつ、一方、または、第一に、最初に、まず
理解の接続詞=還元、例示、補足、つまり、むしろ、たとえば、とくに、なぜなら、ただし
展開の接続詞=転換、結論、さて、では、このように、とにかく
しかし、が続くと読みにくい。意見と事実を分ける。だが、で置き換える。
まず、つぎに、さらに。
つまり、で切れ味を出す。
学者が素人向けの解説文をかくと、つまり、のオンパレードになる。
なぜなら、使わないほうが洗練した文章になる。~からです。が末尾の接続詞。
接続詞はないのが普通、あるのが特別。
2重の接続詞。しかしだからといって、そしてまた、しかし一方、
Posted by ブクログ
文章を書く時に、適切な接続詞を使うと、文章や言葉をうまく強調できたり、文脈を変えることが出来ることが分かりました。 でも、一番面白いと思ったのは口語で使う接続詞で性格の一端が分かってしまうことです。「でも」「だから」の使い過ぎに注意しなければ。。。
Posted by ブクログ
再読して、良書であることを確認。
普段僕たちは、これだけ微妙なニュアンスの違いを無意識に使い分けてるなんてすげえなあとあらためて思った次第。
とても丁寧で、基本的には淡々とした説明なんだけど、最終章はちょいと感動的。言葉を操れてよかったなあとしみじみ。
Posted by ブクログ
割とレビュアーがいるということは話題になった本なんだな。多分,話題になったころに買っているはず。
論文を添削してもらっていたころは自分の文章のまずさに直面し,師匠からも叱責された。それから時間が経過し自分が他者の論文を添削するようになると接続詞の大切さが身にしみた。この本では明解な運用ルールを語っていないが,接続詞の世界が広い,接続詞だけでこれだけ文が書けることを教えてくれる。
Posted by ブクログ
接続詞に注意して、文章を書きましょう。
「そうすれば」、文章も読みやすくなります。
「しかしながら」、接続詞を使い過ぎている文章というのは、
かえって読みづらくなってしまいます。
ということで、接続詞のお勉強の本です。
接続詞をうまく使えるように、注意して文章を書くように心がけたいと思います。
Posted by ブクログ
普段何気なく使っている接続詞が、読み手のためのツールであると同時に書き手のためのツールであるという視点が新鮮だった。良い文章というものは、接続詞だけで読み手が大枠を掴むことができ、また同時に書き手自身も頭を整理することができる。
文章だけでなく、プレゼンや普段の話言葉でも応用できる話だと思うので、普段から注意深く接続詞を選ぶことによって、周囲の反応も変わってくるのではないだろうか。
Posted by ブクログ
微に入り細に入り、日本語への愛を感じる本。書くにも読むにもうまく味合う方法が書かれています。昨今よくもてはやされる欧米由来の作文技術のテクニカル・ライティングが万能ではないということからも伺うことができた。
Posted by ブクログ
普段何気なく使っている「接続詞」について、その使用法によりグループ分けして説明してあり、興味深かった。
接続詞は使用者の意向を含む、というのになるほどなぁと思った。
「坊ちゃん」の例にあるような、美しい接続詞を目指したい。
Posted by ブクログ
タイトルと内容が気になったので購入。
今のところボブの社会的役割は、学生たちが分かりやすい文章を書けるようにすること。
なので、どうしても本書のようなジャンルに手が出てしまう。
接続詞というと、中学時代、現代国語の文法でお世話になったぞ、という印象。
文法には苦しめられた…/(*ι*)ヾ
でも、的確に書いたことを伝えるためには必要な品詞。
ふむふむ…と頷きながら読みました。(-_★)
ボブ的にまだ消化不良な部分もあるので、必要に応じて読み直しです。
今まで感覚的に表現してきたが、非日本語ネイティヴの留学生たちに、この「感覚的」なることを教えるのは骨が折れる。
赤ペンで添削すると、当の本人の表現ではなく、ボブの表現になってしまうし、そのまま丸ごと直すので教育上どうなのか…
悩むところです。( ̄~ ̄;)
本書には例が載っているので、積極的に利用したいと思った読後でした。