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Posted by ブクログ
[ 内容 ]
予測は、つぎに出てくる内容を絞ることで、読解を、速く楽しく正確にするものである。
豊富な具体例でそのコツを体感しながら、読み上手・書き上手をめざそう。
[ 目次 ]
第1章 文章理解とは?(頭のなかの理解の姿;音に頼るか文字に頼るか;読んだ順に理解できる不思議;文章理解のしくみ;ボトムアップ処理とトップダウン処理)
第2章 予測とは?(予測を体験する;予測させる力の幅;予測のいろいろ;当たる予測と外れる予測;予測とは何か;予測は文法ではない;予測を研究する方法)
第3章 問いの予測とは?(「深める予測」と「進める予測」;冒頭文の「深める予測」;「ケーベル先生」に見る「深める予測」;順接展開の「進める予測」;逆接展開の「進める予測」)
第4章 答えの予測とは?(「答えの予測」に価値があるジャンル;予測が当たって怖くなる;予測が外れて可笑しくなる;予測が外れてホッとする;「盲点」をつくテクニック)
第5章 予測の表現効果とは?(書くことと予測;構成を予告する;意味のまとまりを作る;文章のタメを作る;行間を読ませる;文章世界に引き込む)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
人は文章を読むとき、自分では意識せずとも後続文脈を予測し展開を想定しながら、流れに乗って読んでいるということを説明した本。
本書では主に「読む」技術に重点を置いて説明されており、実際に文章を読むときには、ほとんどの人は著者の言うように自然と予測をしていると思う。だから逆に、予測の仕組みを理解して読解力を上げるという恩恵よりも、むしろ書く際の心得として役立つ気がする。
読む人の予測を裏切らない(あるいは良い意味で裏切る)ように意識すれば、理解しやすい文章が書けるようになるのではないだろうか。
Posted by ブクログ
読解テクニックの一つに「予測」があると著者は言う。人間は次に出てくる言葉や文章を予測しながら読むからこそ、文章が読めるのだとも述べられている。
「なるほど」と思わせる説得力のある文章が連なるが、この本は学術書ではなく、新書である。そのため文章が平易で読みやすい。
受験で読解に苦しむ前の高校1、2年生や留学生試験を控えた人に読んで欲しいと思った。
Posted by ブクログ
正直、私には少し難しく感じた。分かったのか分かっていないのか、なんとなく分からないまま最後まで読み進めた。
しかし、最後の筆者の言葉に救われた思いがした。
「本書で紹介した予測という考え方を、みなさん自身の今後の読書に活かしてくださることを…」と。
”そっか〜予測という考え方を知っただけでも大きな進歩だったのでは”と。それで改めて、本書の予測の定義に戻って読み直してみると、実に明解に記載されていた。
「予測とは、今読んでいる文をとおして感じられる理解のモヤモヤと、そのあとに続く文脈で解消しようという期待する読み手の意識こと」だと。
これで、すっきりした。要は、読書を受け身ではなく能動的に読む姿勢を持つことが、まず必要だということだ。モヤモヤが出てきても、その答えを主体的に見出す力を身に付けるようにして読んでいこうと思う。
Posted by ブクログ
「予測」して読むことに重点を置いた本。「予測」に特化して書かれた本を読んだことがないので斬新だった。
だが主にフィクションに関してのことが多いような気がしたので、そこが残念だった。
Posted by ブクログ
ボトムアップ処理:一つ一つの要素の意味や機能を考え、それを順々に組み立てて、文の内容を徐々に理解していく方法。
トップダウン処理:その文章に何が書かれているか、先行文脈などからあらかじめ見当をつけ、それを利用してここの分の内容を理解していく方法。
アメリカでの70年代の人工知能の研究で性能の低い当時のコンピュータに効率よく文章を理解させる実験を重ねた結果、スキーマを組み込んだトップダウン処理の研究が飛躍的に発展した。
読書における予測は、①深める予測、②進める予測があり、それぞれ、①読んでいる文に情報の不全感があって、「いつ」「どこで」「誰が」「何が」「何を」「どう」「なぜ」などと言った疑問視を使って、文の情報の不完全な部分を補おうとする予測と②今読んでいる文章は理解できたので、「それから」「すると」「それで」「だから」「しかし」といった接続詞を使って、次の展開を四郎とする予測です。これらは車の両輪になります。
それで予測というのは、次ぎにくる内容を一つに決定するのではなく、ある程度限定することが予測の基本的な働き。
その他助として言語コーパス等がある。それは、「たしかに〜かもしれない」のあとには何パーセントの確率で逆説の接続詞が入るといったものです。
それらの予測によって意味の箱のようなものを頭の中に作り、その箱が埋まったら片付け、また別の意味の箱を作るという作業を繰り返して文章を理解している。パソコンのフォルダのように階層になっている。
文章を「書く」にあたっては、「謎」がキーとなります。というのも、文章理解とは問題解過程すなわち「謎」を解く過程だからです。優れた文章は縦走性のある問いが有機的に関連してできています。そしてその問いを解き明かそうと予測を重ねるうちに、その文章世界に引き込まれ、読みが広がっていくのです。
タイトルには「読解」のみの表現であるが、文章を作る方にも有用であると、考える。欧米のビジネス文書で進められているのはトップダウンであると思うが、昔の性能の低いコンピュータで研究もなされたところが説得力があるように思えた。
Posted by ブクログ
文章の書き手の意図を体系的に理解できるようになること、及びその結果として速読を身につけることを目的としている本。ただし、この本を一回読んだだけでは「予測」は身に付かないであろう。繰り返し読むためにも購入するのが良いのではないか。