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「読む」のは「書く」より簡単、ではありません! 化石化した自分の読み方の癖に揺さぶりをかけ、新たな読みの引き出しを増やし、創造的な活動に結びつけるための8つの戦略を解説。
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Posted by ブクログ
第二言語(いわゆる外国語)の習得は、母語である第一言語の習得のさいに構築した言語世界を転移させる形で起こります。 ですから、第一言語でしっかりした土台をつくっておかないと、せっかく、第二言語を学んでも高度な運用能力は身につきません。 その日本語の運用能力を高めること、本書で焦点を当てるのは、「読む」...続きを読むという行為です。言語の学習には、「読む」「書く」「聞く」「話す」という四つの技能があるといわれています。 「読む」ということは、文章に多様な意味を見いだす行為であり、人間の創造力の基盤となる行為である。 ■読むというプロセス ①画像取得活動 文字列を脳内に取り込む活動 ②文字認識活動 画像として脳内に取り込まれた文字を、文字として認識する活動 ③意味変換活動 文字列を意味に変換する活動 ④内容構成活動 脳内の辞書と文法によって意味に変換した文字列を、すでに私たちの頭のなかにある知識やその場の状況と結びつけ、実感をともなうイメージに構成する活動 ■5つの読む ①スキャニング(超速読)表現検索のための読み キーワードを探す ②スキミング(速読) 大意把握のための読み ③味読(平読)楽しみのための読み ④熟読(精読)概念取得のための読み ⑤記憶(超精読)内容再生のための読み ■速読 話題ストラテジー:文章を貫く話題が何かを早い段階で見抜き、その話題にかんする知識を利用していこうの理解を迅速かつ適切にする 内容スキーマー:話題によって活性化するスキーマー 形式スキーマー:言語形式に関わるスキーマー ・あるスキーマ―を「わかった」ら、分かった瞬間から、別のスキーマーを呼び出すことができなくなるので、わからなくなるというジレンマに陥る ・速く読みたいから、タイトルや冒頭の文を目に留めて何の話題がどのように展開されるかを簡単にても想像してみる 取捨選択ストラテジー:速くよむためには、手っ取り早い方法は、読む分量をへらすこと。重要そうなところだけを選んで読む ・漢字だけを拾っていけば、文章の内容がだいたいわかる ・段落の最初の文に言いたいことがかかれている。 ・各文の冒頭にある、指示詞や接続詞を重視して、それを軸に文章を読んでいく ・文末の「~のだ」「~のである」に注目する ■味読 視覚化ストラテジー:文章を視覚化する、視覚化できない文章もある 視点のメカニズム 視座 注視点 視野 視点 1人称と3人称 予測ストラテジー:後続文脈の候補を縛ることで理解の侵攻を効率的かつ効果的にする 関係の予測 深める予測と進める予測 内容の予測 ・文章理解とは、文章を介した書き手と読み手の対話 文脈ストラテジー:文脈とは文章を理解するさいに使われる書き手と読み手の共有知識 現場文脈、記憶文脈、言語文脈 結束性の把握、つながりを理解する 一貫性の把握、推論や連想によってつながり、まとまりを理解する ■精読 行間ストラテジー ・行間をよむとは、書かれていることをヒントにしてかかれてないことを読み手が推論すること ・文と文の間に意味のスキマがある場合、橋をかけるような推論を行うこと ・精緻化:書かれている情報だけでは十分な理解ができないとき、読み手の頭の中にもっている背景知識を用いて情報を加えることで足りない情報を補填したり、抽象的な内容を具体化したりする推論を行うこと 理由を考える精緻化と、例を上げる精緻化がある 解釈ストラテジー:読み手によって異なる内容に到達するのが解釈です。解釈は読み手一人一人の個性によって、文章に新しい価値を付与する創造的な行為です 比喩、寓話を使う 直喩と隠喩 自己の専門性、個人的経験、思想的背景を加えてみる 暗黙の前提を疑う 抽象的なことばが使われている場合、具体的な言葉を当てはめてみる 記憶ストラテジー 読みやすい文章はすっと頭から消えていきます。記憶するために、自動化された理解活動を、非自動化、複線化し、能動的なものにすること。 理解の速度を落として、脳内に情報を留めやすくすること 反復読み 構造を組み替えながら試行錯誤しながら読む 音読 音が理解を深める効果がある、音読すれば、わからないところが、どこだかがわかる 換言と要約 わからないと、言い換えができない。わからないと要約ができない アウトラインを覚えていれば、その内容を再現できる 目次 序章 なぜ「読む」技術を鍛えるのか 第1部 読みの理論 第1章 「読む」ということ 第2章 「読む」技術の多様性 第2部 速読―速く効率的に読む技術 第3章 話題ストラテジー 知識で理解を加速する力 第4章 取捨選択ストラテジー 要点を的確に見ぬく力 第3部 味読―文章世界に自然に入りこむ技術 第5章 視覚化ストラテジー 映像を鮮明に思い描く力 第6章 予測ストラテジー 次の展開にドキドキする力 第7章 文脈ストラテジー 表現を滑らかに紡いで読む力 第4部 精読―深く多面的に読む技術 第8章 行間ストラテジー 隠れた意味を読み解く力 第9章 解釈ストラテジー 文に新たな価値を付与する力 第10章 記憶ストラテジー 情報を脳内に定着させる力 主要参考文献 おわりに ISBN:9784334035563 出版社:光文社 判型:新書 ページ数:264ページ 定価:780円(本体) 発売日:2010年03月20日第1刷
"すばらし国語の授業を受けたような気分になった。備忘録として、抜粋しておく。 速読-話題ストラテジー(文章を正確に読むために意識すること2点 ・その文章が何について書かれているか考え、頭の中の知識、経験と引きつけて理解する ・文章を読み始める...続きを読むときタイトルや書き出しに目をとめ、何の話題がどのように展開されるか想像する) -取捨選択ストラテジー(文章の要点を的確に抽出して読むために意識すること4点 ・漢字で書かれた重要情報を拾い出す ・段落の冒頭文を大意の理解に役立てる ・文頭の指示詞と接続詞から、文章の話題とネットワークを把握する ・「~のだ」に代表される文末表現から、書き手の主張のネットワークを把握する) 味読-視覚化ストラテジー(文章中に描かれている場面を鮮明に映像化して読むために意識すること3点 ・視覚的イメージを喚起する表現に着目し、そうした表現を手がかりに映像を再現する ・視覚に関わる描写を、視座・注視点・視野・視線の四つの組み合わせとして、分析的に理解する ・一人称視点か三人称視点かを峻別し、それを軸に一貫した視点を構成する) -予測ストラテジー(文章を話の流れに乗って深く読むために意識すること3点 ・文章を読む過程で、疑問に思ったことや深く知りたいことを問いとして発する ・次がどんな展開になるのか、先のストーリーに注意を向ける ・次にどんな内容がくるのか、その具体像を絞り込み、実際の文章の内容と照合する) -文脈ストラテジー(文章を誤解なく円滑に読むために意識すること3点 ・違和感のある表現に出会ったら、その表現とつじつまが合うように文脈を再調整する ・指示詞と接続詞がある場合、そうした手がかりを頼りに、文章で展開される書き手の思考の筋を追跡する ・文を超える意味の連鎖が形に表れない場合でも、文章の全体像を意識し、内容の一貫性が保たれるように読み進める) 精読-行間ストラテジー(文章中の隠れた意味を読み解くために意識すること6点 ・あくまでも書かれた材料をヒントにして、書かれていないことを推論する ・あるべき内容が描かれず、展開に飛躍がある場合、そこで立ち止まって深く考える ・書いてある情報だけでは不充分に感じられる場合、理由や具体例を自分なりに補填する ・わかりにくい文章を読む場合、その背後にある筆者の表現意図を見抜くように努める ・登場人物に感情移入する場合、事実の描写の背後にある感情を汲み取るようにする ・事実を伝えることを目的とした文章を読む場合、文章の内容を批判的に吟味し、事実の描写の背後に隠された意図を見抜くように心がける) -解釈ストラテジー(文章を創造的に読むために意識すること6点 ・含蓄ある文章に、自己の専門性や個人的経験、思想的背景を投影し、寓話化してみる ・暗黙の前提を疑い、自分と異なる社会・文化的立場に立った理解を試みる ・文章を整合的に理解するときに生じるほころびを繕うような新たな理解を想定する ・抽象的な文脈に置かれた抽象的な言葉を、自分に身近な具体的な言葉に置き換えてみる ・無理な解釈を保留し、文章がそこまでしか書いていない理由を考える ・多様な解釈をもとの文章に還元し、その整合性を検討する) -記憶ストラテジー(文章に書かれた情報を頭にしっかりと定着させるために意識すること5点 ・繰り返し読んで文章の構造を徐々に把握し、そこからトップダウン処理で内容を整理する ・音読によって、文と意味のつながりだけでなく、音と意味のつながりにも注意を払う ・表面的な言い回しに引きずられず、原文の内容を自分の言葉に置き換えて理解する ・要約によって、書き手の言いたいことと文章のアウトラインを押さえる ・文章との対話を心がけ、多様なストラテジーを用いて文章を能動的に理解する) これらは、読む技術と同時に文章を書くときにも心がけるべきものともいえる。"
著者の本って外れがないなあ。 いろいろ知りたかったことが極めて簡潔にわかりやすく書かれていて、たぶん今後何回も開くであろう予感。
本を読む行為に個性が存在することを知っていましたか? 本を読む行為に技術が存在することを知っていましたか? 知りませんでした。 最近読書術なる本ばかり読み漁っていましたが、それもそろそろ終焉ですかね。 ほぼこの本で僕の求めている答えは網羅された気がします。 読む行為が頭の中でどのように思考され、処理...続きを読むし、理解するのか。 見慣れない言葉、分からない語彙、辞書を片手に時間とない頭使って精読しました。 速読、精読、味読の3つの読み方を8つのストラテジーに分割して読んでいく。 スキーマの発動。 目から鱗でした。 もう少し著者の本読んでみよう。
凄く読みやすかった。 読む技術を三つの分類していて、人間の脳の動きを精確に分かりやすく記述してくれていたと思う。 学生の時にこの本があったら、国語の点数、もっとよくなったかもしれない。
内容(「BOOK」データベースより) 書いたものに現れる個性は「文体」と呼ばれ、よく知られていますが、読むときにも「読体」というそれぞれの人の個性があります。「文体」と違って目に見える形にならないので気づかれにくいのですが、それぞれの人の性格や背景におうじた読みの偏りは確実に存在します。「読む」技術...続きを読むを向上させるには、無意識のうちに身についた自分自身の読み方の癖の姿を知らなければなりません。本書は、自分なりの読み方、「読体」を対象化し改善する目的を持っています。 色々考えながら読む。 というのは面白いかもしれませんね。 そして、大事だと思います。 個人的に大事だと思うのは楽しむことかもしれません。 何事も。。。
速読、精読、味読という3つの読み方と、8つのストラテジーを解説した本。 速読については、話題ストラテジーを子どもたちと考えられるといいな。「書名」や「はじめに」「おわりに」「目次」などに目を通すことで、スキーマの準備をすると理解しやすくなる。選書の際にも役立つ。知識の本の選び方や読み方として押さえ...続きを読むられるといい。 味読については、視覚化ストラテジーについて考えたい。詩を、五感を使って読んでいくのもいいな。予測ストラテジーについては、次の展開を予測しながら読む実践をしたことがあるけど、それは「進める予測」だな。「深める予測」を意識的にやってもいいかも。 熟読については、記憶ストラテジーに含まれる「反応する」をやってみたい。これは「考え聞かせ」と似ているな。解釈ストラテジーの「他の言葉に置き換える」も面白い。「僕はタヌキだよ。」について、さまざまな解釈が可能なことから言葉の不思議さや個性を感じる活動も楽しそう。行間ストラテジーの「筆者の隠れた意図を察知する」について考えることも大事。 ミニレッスンのアイデアをいろいろいただいた。
速読・・・大枠把握のための読み →話題ストラテジー、取捨選択ストラテジー 精読・・・概念習得のための読み →行間ストラテジー、解釈ストラテジー、記憶ストラテジー 味読・・・楽しみのための読み →視覚化ストラテジー、文脈ストラテジー、予測ストラテジー 状況や読書の目的に応じて、上記を使い分けるこ...続きを読むとが大事。速読と精読の両立を目指したくなるが、基本無理なので読み方を意識する。 ◯予測ストラテジー 次の展開を予測しながら読むことで、話の論点や言いたいことを読み取りやすくなる。予測が外れることは決してマイナスなことではなく、むしろいい意味で裏切られた気分にさせてくれることもある。 ◯行間ストラテジー 直接書かれていないこと、すなわち行間に隠されていることを読み取る。同じようなファクトが並べられていても、ときにバイアスがかかった書き方によって、全く違った印象を与えれることもあるので要注意(cf.メディアリテラシー) ◯視覚化ストラテジー 作品に没頭するために文章をビジュアル化する。どこまで具体化するか、意味づけするかどうかは読者の裁量に委ねられる。小説読解の醍醐味。
活字中毒の私としては、これまで読書術に関する本は、ショーペンハウアーからフォトリーディングまで色々と読んできましたが、今の自分にとってとても肚に落ちる内容でした。 著者は文学博士で、文章論が専門ということで、エビデンスもしっかりした読書術に関する本です。 読解ストラテジーとして、速読、精読、味読...続きを読むのカテゴリ別に、8種類のストラテジーを提示しています。 速読に関する技術ではなく、精読や小説等をどう味わって読むかという味読についても、理論的に言及しているのが特徴です。 おすすめです。
小説の読むのに必要な「視点」を意識したことがなかった。今まで何となく読んでたことを痛感させられた本だ。どこで(視座)、だれが(視点)、なにを見ているか(注視点)。「小説で登場人物が目にしたものをどう感じたか」を意識するだけで、自分の知らない感情や価値観を追体験できる。この面白さを味わうことが「味読」...続きを読むなんだろうなー。
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