殊能将之のレビュー一覧
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『黒い仏』はあまりにアレだったわけだが、こちらはいい意味で普通。端正な本格ミステリといえる。ユーモアも楽しめるし、ミステリとしても表題作のとある部分には驚かされた。人によっていろいろな楽しみ方が出来るのではないだろうか。表題作は作者の優しさも感じられる傑作。「樒/榁」も楽しめた。Posted by ブクログ
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※本書は「鏡の中は日曜日」の重大なネタバレがあるので、そちらを先に読むべし。
面白かった。伏線の散りばめ方が見事。また、シチュエーションの作り方が凝っていて、オチまで含めてこんなミステリは他に類を見ないと思う。少々冗長な部分はあるが、殊能将之作品の中でも傑作の部類と思う。Posted by ブクログ -
完全に騙された!
続きが気になって読み終えるまで何も手につかず状態。後半頭が???状態になりつつ読み進めるとえーーー?!となります。作者に騙された。また風景や人間の描写が上手でリアルに想像できる文章が好きだった。読み終わってすぐはじめから読み返したくなる本。 -
言葉の使い方が丁寧で、登場人物の思考力も高いため、余計なひっかかりを感じずに読むことができる。それでいて物語の構造・展開も秀逸である。万人におすすめできる傑作。
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気になった部分をパラパラと眺めながら、じっくりと味わうつもりだったのに、気がつけば一気に通読しちゃったよ。軽妙かつロジカルな語り口で紹介される膨大な量のSF、ミステリのなんと魅力的なことか。何より、センセーが本を読むことを楽しんでいることが伝わってきて、コッチまで嬉しくなってくる。殊能センセーのファ...続きを読むPosted by ブクログ
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ああ、この展開ね。と見せかけてのこの展開。
トリック自体に奇抜さは無いが、真理的トリックの裏をかくような技術に舌を巻くしかない。
若干の物足りなさを感じなくも無いが、これを面白いと言わずしてどんな作品を面白いと言えばよいのか。
ということである。Posted by ブクログ -
個人的に最悪な状況で読み進めた本。扁桃炎やら、身内のクソッタレな問題やら。人はいつでもどこでも大抵俺を困らせる理解不能な存在だ。俺の思いと小説はいつでもその時々の状況にリンクする。そうだよな、アル中になったお前。Posted by ブクログ
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殊能さんの著書は思い出深いハサミ男に続き2作目。読みごたえのある長編だが、登場人物が個性豊かで楽しく読めた。序盤の親子の対比がよかった。何よりも引用の数が半端じゃない。すごくいろいろなものを読み漁っていたんだなと感心した。ご冥福をお祈りします。Posted by ブクログ
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以下くそネタバレ。
これはミスリード。やられたわ。
ハサミ男と言いつつ、本当に男かどうか説明も描写もないから、女説はありえるなと序盤で思っていたものの、自然とその可能性を考えなくなっていた。やられた。
文章も読みやすいし、面白かった。Posted by ブクログ -
どんでん返しの定番だが、そう言われるだけの仕掛けがあった。途中読み違えたのかと思い、何回か前のページを読み返してしまうくらいに、まんまと騙されてしまった。
言葉選びも丁寧で情景が浮かびやすい。それ故に、事実を知ったあとで読み直すと頭に浮かぶ景色もきっと変わるであろう作品。
Posted by ブクログ -
2024.05.15
叙述トリックに見事やられてしまった。
「わたし」という一人称はなんてややこしいんだろう。
そして「ハサミ男」という世間で言われる名称。
知らず知らずのうちに犯人は男だと勘違いし、そこから見事に騙された。
忘れた頃にまた読みたい、と思わせる作品だった。Posted by ブクログ