殊能将之のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
なかなかの佳作。
2026年現在、信頼できない語り手の作品だと明らかならば(というか、そうでなくても)中心的な仕掛け自体は秒で見抜かれて当然であるが、それでもなお評価せざるを得ないのは、やはり「それがどのように明かされるか見てみたい」という欲望を結局は掻き立てられてしまうからであるし、もうひとりの真犯人を見つけ出す楽しみがあったからだし、それにまんまと振り回されてしまったからである。それは意外にも、心地よい悔しさだった。
そこそこしっかりと推理する気だったのだが、ちょっと踏み込みの甘い理屈や偏見が大量に描写されるためか、フィクションのお約束についつい甘い態度を取ってしまう癖がいつの間にか顔を -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白いミステリ小説は?の問いの答えとして、度々その名を聞いていた『ハサミ男』。この度やっと読むことができました。
初版から25年近く経ち、80刷以上もされている本作。読み切ってみて、なるほど、これだけ多くの人に読まれるはずだと思いました。物語に引き込む力がすごい。続きが気になって仕方ない!
以下、本作の感想です。
冒頭、じっくり時間をかけ、ターゲットの女子高生に迫っていくハサミ男視点のパートで、一気に本作に引き込みまれました。まるで自分が連続殺人犯ないしストーカーにでもなったかのような気持ちにさせられました。
また、自分が連続殺人犯なのにも関わらず、ターゲットの女子高生が痴漢の被害に遭 -
Posted by ブクログ
ネタバレおすすめのミステリーでよく紹介されるので気になっていた。
たしかに、この作品はミステリー好きなら必ず読んでほしい一冊だと思う。
ネタバレなしの感想は難しかったのでネタバレありで。
叙述トリックの作品ってことを事前に知ってしまったので、なんとなくの予想はできた。
ただ、その叙述トリック部分が明かされてもまだ残り1/5くらいページが残っている。
ここからどんな展開になるかは、叙述トリックに引っ張られてた人ほど予想できないんじゃないかな。
“ハサミ男”の正体をミスリードさせるために、最初から種明かし直前まで色んな仕掛けが散りばめられていた。
その中で、日高がファストフード店にいたという証言があ