殊能将之のレビュー一覧

  • 殊能将之 読書日記 2000-2009 The Reading Diary of Mercy Snow

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    気になった部分をパラパラと眺めながら、じっくりと味わうつもりだったのに、気がつけば一気に通読しちゃったよ。軽妙かつロジカルな語り口で紹介される膨大な量のSF、ミステリのなんと魅力的なことか。何より、センセーが本を読むことを楽しんでいることが伝わってきて、コッチまで嬉しくなってくる。殊能センセーのファンになったのは作品もさることながら、こうした日記の文章から伺いしれる人柄に惹かれたからなんだと改めて認識。作り手側の熱意を感じさせる充実しまくりの付録や註、解説も素晴らしい。memoのTV鑑賞記やレシピの出版もぜひともお願いしたい。

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    2015年06月29日
  • 美濃牛

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    ネタバレ

    700頁を超える大長編。クライマックスで登場する美濃牛の正体は何だったのか。天瀬の幻聴?亀恩洞の迷宮と窓音の中の迷宮の対比が印象的であった。

    前半は様々な人物の視点からなる群像劇で、キャラ同士の掛け合いも楽しめる。気に入ったのは藍下と出羽のコンビ。
    クライマックスで美濃牛が現れたのが面白かった。それも天瀬の前だけに。美濃牛ではなく窓音を選んだ天瀬。果たしてそれは天瀬の意思だったのだろうか。
    窓音の底知れぬ存在感は美濃牛をも凌ぐかもしれない。

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    2014年05月08日
  • 美濃牛

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    ネタバレ

    殊能さんの著書は思い出深いハサミ男に続き2作目。読みごたえのある長編だが、登場人物が個性豊かで楽しく読めた。序盤の親子の対比がよかった。何よりも引用の数が半端じゃない。すごくいろいろなものを読み漁っていたんだなと感心した。ご冥福をお祈りします。

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    2013年05月26日
  • ハサミ男

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    ネタバレ

    読書や映画を見るとこで気づくんだけど、こういう一人称が誰なのかわからない系のミステリーは一定数ある。そして大体面白い。

    これもミステリーの古典だと思っているので、まさかという驚きがあるとは思っていつつも、あーこれかーも驚された。
    またミステリーとしても最終的に犯人が捕まらないあたり、警察側に犯人(1人の殺人のみ)がいるあたり新しくて面白い。この後の物語を想像してしまうというのが面白い小説のひとつだと思う。

    語られない部分がある分、語られない部分が何か気になるよね。

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    2026年10月08日
  • ハサミ男

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    なんとなく違和感はあったので、やっぱりなという部分もありつつ、しっかり混乱はした
    にしても終わり方....!メッチャおもろい!

    あと本筋とは別だけど、ところどころに出てくるユーモアが結構私の好みをくすぐってきました、こういうのすき

    ・人間の無意識というのは、どうして下の、奥の、底の、暗いところに見いだされるんだろうね。それはたんに、人間がお日様のもと、地面の上で暮らしているからじゃないかね。もぐらはきっと、無意識は上のほうの明るいところにあると思ってるよ

    ・警察官たる者、ミステリなどは読まずに馬鹿にすべきなのだろうか、と磯部は思った。そうすると、銀行マンは経済小説を馬鹿にし、恋人たちは恋愛小説を馬鹿にし、野兎は童話を馬鹿にしなければならない。地球人に化けて、こっそり街にひそむ火星人は、きっとサイエンス・フィクションを鼻で笑っているに違いない。「アンナノ噓バカリジャナイカ!ワレワレノ地球侵略ノ参考ニハナランヨ」

    ・(葬儀屋は)坂道をゆっくり昇り、ときどき立ち止まっては、周囲に視線を投げかけていた。いったい、何をしているのだろう。どこかに葬儀の必要な死人でも落ちていないか、と探しているのか。

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    薹(とう)が立つ・・・①野菜などの花芽をつけた茎が伸びて固くなり、食べるのにちょうど良い時期を過ぎてしまうこと。 ②人間の若々しい盛りの時期が過ぎることや、適齢期を過ぎること。

    のべつまくなし(のべつ幕無し)・・・休みや切れ目がなく、ひっきりなしに物事が続くさま

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    2026年10月06日
  • ハサミ男

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    叙述トリックにまんまと引っかかった笑
    読み進めるうちに違和感はあったはずなのに、最後までうまく誘導されていた。
    終盤に入ってからの展開の加速感が強く、一気に畳みかける勢いが印象に残った。

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    2026年09月30日
  • ハサミ男

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    読み終わってすぐに読み返した。
    どんでん返し好きにおすすめされるだけある。
    展開の早い感じではなく、ドキドキ感はあまりなかったので星4。

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    2026年09月30日
  • ハサミ男

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    ネタバレ

    前評判が良かった分、変に推測してしまって純粋に楽しめたかわからなかった...

    まず中盤までは非常に退屈する時間が流れた
    伏線を張るための時間なのだろうけど、展開が遅すぎるので飽きてきた

    それ以降は楽しめた
    テンポ感が上がるとミステリーらしさが湧き立ち、緊張感もあった

    ただ真犯人が堀之内
    主人公が女
    この事実に違和感がなかった

    まず堀之内に関しては違和感がありすぎる
    村木が写真を撮ったり、捜査に出ないなど、作中でも出てくる違和感があり、堀之内が模倣犯だろうなって思いながら読んでた

    主人公に関しても男として読ませたいんだろうなって思いながら読んでた
    でもみんなが絶賛するのだから、こんなことよりもっと凄いことが起こると過剰に期待していた

    ある小説の叙述トリックを知ってたからか、免疫がありすぎたのか少し残念ではある

    でもテンポ感を除けば全体的に楽しめたので良かった!

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    2026年09月26日
  • ハサミ男

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    まずオチに驚いた。
    最初はそうだと予想していたが、途中から視点が変わり、分からなくなったあとの、ぐるぐるとした不安感、高揚感は面白かった。

    犯人が犯人めいていないミステリー。

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    2026年09月25日
  • ハサミ男

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    なんとなくナットがうまく噛み合わない感じがずっと続き、とある章から「えっ・・・どういうこと・・・・???」と混乱、そういうミスリードさせてたのかと段々わかってくるとまた最初から読み直したくなる。結局3番目の殺人を犯した犯人はなぜ最後嘘をついたのか謎。

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    2026年09月25日
  • 殊能将之 未発表短篇集

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    全体的に面白かった。
    特に最後の『ハサミ男の秘密の日記』を読んで、へぇ~ってなった。なんか面白い人だったんだなと身近に感じた。

    短編は、作者が亡くなった後に未発表だったものを講談社の編集部から引っ張り出してきたものらしい。
    作品自体はデビュー前に書かれたもの。
    それぞれ別物で書かれたものだから統一感はないものの、サクッと読めるし良かった。

    個人的には3話目の『精霊もどし』みたいな話が好き。日常から非日常へ入り込んでしまう感じが面白い。
    『犬がこわい』は入りが面白いので、1話目として良い感じ。『鬼ごっこ』は何でもありのハチャメチャな話。

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    2026年09月24日
  • ハサミ男

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    ネタバレ

    タイトルの先入観に騙される。
    ハサミ男=男なんじゃないか。って。

    ネタバレが出てからは
    レビューに期待しすぎてしまっていたかも。
    女の人が犯人だって分かる伏線あったかな。

    被害者の家族のことが気になる。
    =犯人の家族、父親との仲が悪いのかな。

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    2026年09月23日
  • ハサミ男

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    これはびっくりした。ハサミ男の先入観もそうだし、真犯人もそうだし。どうなるかわからないまま読んでいった。頭の良い子が好きという変質者っぽい発言も。

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    2026年09月22日
  • ハサミ男

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    叙述トリックが大好物なので、
    また手を出してしまった
    騙されるまいと気をつけながら読んだが、
    種明かしまで結局気づけなかった…(笑)
    殺人犯が探偵を兼ねるという設定は面白いと思った
    最近の叙述トリックものでは
    ありがちな仕掛けではあったので、
    叙述トリック慣れしていなかったら
    さらに驚きが増していたかなと思う
    ラストがとっても不穏

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    2026年09月21日
  • ハサミ男

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    ネタバレ

    犯罪者が別の犯罪を究明していくという斬新展開。
    アウトロー側に外れた心情の世界を垣間見れる本。
    非常識だけど強い女性が演じる展開も良き。

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    2026年09月21日
  • ハサミ男

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    夢中で読んで、騙された(笑)途中、ハサミ男が誰だか分からなくなって読み返したり、とにかく読み落としがないように気をつけたにも関わらず。。。時間を置いて、再読しよう。

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    2026年09月20日
  • キマイラの新しい城

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    石動シリーズ4作目にして最後の作品。
    まずはシリーズの順に読むことをおすすめする。その方がより作品を楽しめる。

    本作は750年前の騎士の亡霊が取り憑いて、自分の殺人事件の謎を解けというところからはじまる。しかしここまで石動シリーズを読んできた人ならば、途中で始まる逃走劇や大立ち回りにもついていけることだろう。

    わりとはじめのあたりで密室殺人に対する一つの解を示したが、それでは成仏(クリスチャンの亡霊なので正しい表現ではないけど)できなかった。
    後半で改めてその事件に対する解が示される。そして亡霊憑きは治る。しかしやっぱりこの霊は天に召されることも地獄に落ちることもない。
    アントニオだけが捉えられるようになった最後、騎士は事件の真相を語り始める。最後に明かされるトリックは、果たしてそんな解決でいいのだろうかと思わなくもないのだが、それを悲哀というか悲愴が上塗りして、そんなことはどうでもいいと思わされる結末だった。

    本作は多重解決ものと言ってもいいだろうし、ややバカミスと言われるのもむべなるかな、人によって評価が分かれる作品なのは間違いない。
    しかし、ようやくここへきて石動、アントニオのキャラが立ち、そこへ水城という石動以上の名探偵まで現れて、いよいよこのシリーズもここから加速したのではと思うと、続きを読むことが一生できないのは、なんとも寂しいかぎりである。

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    2026年09月10日
  • ハサミ男

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    ネタバレ

    「ハサミ男」という題名と主人公の一人称、性的接触が無いという一文から物語の序盤で「ハサミ男=女」じゃないか、これがどんでん返し要素?という予想はしていたのだけれど、読み進めると「ほな違うか〜」「あ〜二重人格ね〜」「あれ?」「え?」「い…入れ替わってる…!?」と大混乱。ハサミ男の掌で見事にコロコロされてたわけです。「殺戮に至る病」のように再読でまた違う味が楽しめる作品ですな。毎週せっせと自殺に励むハサミ男とユニークな医師のキャラにクスッと笑え、勿論シリアスな内容だけどそこまで難しく感じずに500ページ読み進める事が出来た。
    ハサミ男はまた現れるのだろうか。いや、あの終わり方は絶対…ね。磯部くんの断末魔が聞こえるのもそう遠くないのかもしれない。

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    2026年09月09日
  • 鏡の中は日曜日

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    ネタバレ

    前作『黒い仏』はミステリーのふりをしつつ、バカミスとも評されるほどの急展開で読者を明後日どころか別次元にぶん投げるという荒技を披露してくれたが、本作はちゃんと最後まで本格ミステリーとなっている。
    二つの時間軸で進められる物語は、だいたい叙述トリックがあったりするという個人的統計があるのだけれど、やっぱりこの作品も叙述が一つのキモであることは間違いない。「あーそういうことね」となる部分だけでも、しっかりとミステリーを楽しむことができる。
    文庫版では、続編というか後日譚に位置付く『樒/榁』も収録されており、二人の名探偵の活躍を楽しむことができる。

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    2026年09月08日
  • 黒い仏

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    ミステリー小説とはなんぞやと改めて問いたくなるくらい、物語の解決パートに向かい始めたあたりから怒涛の???が頭に浮かぶ。
    そりゃあこれを推理小説として期待して読んでいたらブチギレるかもしれない。でもそもそもミステリーって「謎」っていうだけで、そういう意味では思いっきり謎である。
    観光列車に乗っていたと思っていたのに、だんだんとその景色が怪しくなり始め、気づいたら急展開のローラーコースターだった。そんでもって最後は元の位置に戻ってくるんじゃなくって、銀河鉄道よろしく空中へ飛び立ち、そのまま読者を放り投げておしまい!って感じの小説。
    そういう意味では、この感じで続編を読んでみたかった自分がいる。

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    2026年09月04日