殊能将之のレビュー一覧
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購入済み
誰が読んでも面白いに違いない!
言葉の使い方が丁寧で、登場人物の思考力も高いため、余計なひっかかりを感じずに読むことができる。それでいて物語の構造・展開も秀逸である。万人におすすめできる傑作。
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Posted by ブクログ
ネタバレ1ページ目の朝食の説明より、女性視点で読み始めたため、男性視点で読み続けていた方の感想が興味深い。模倣犯が探偵側にいた事には衝撃だった。
序盤から繰り返される、「ハサミ男」と「医師」との会話が面白く、知性溢れる引用が好みだった。
殺害動機や自殺嗜好の原因などもう少し詳しく知りたいと思うところがあり残念だった。
それに加えて、あれだけ自殺未遂を繰り返す人物の容姿が美しく、警察に惚れられるという展開は理解しがたいものがあり、かなり有耶無耶にハサミ男が日高であるとされた結末にどこか心残りもあるが、これだけのシリアルキラーをどこか魅力的に描ける著者の力量には圧倒された。
もう一周してこようと思う。
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Posted by ブクログ
なんとなく違和感はあったので、やっぱりなという部分もありつつ、しっかり混乱はした
にしても終わり方....!メッチャおもろい!
あと本筋とは別だけど、ところどころに出てくるユーモアが結構私の好みをくすぐってきました、こういうのすき
・人間の無意識というのは、どうして下の、奥の、底の、暗いところに見いだされるんだろうね。それはたんに、人間がお日様のもと、地面の上で暮らしているからじゃないかね。もぐらはきっと、無意識は上のほうの明るいところにあると思ってるよ
・警察官たる者、ミステリなどは読まずに馬鹿にすべきなのだろうか、と磯部は思った。そうすると、銀行マンは経済小説を馬鹿にし、恋人たちは恋愛小説を馬鹿にし、野兎は童話を馬鹿にしなければならない。地球人に化けて、こっそり街にひそむ火星人は、きっとサイエンス・フィクションを鼻で笑っているに違いない。「アンナノ噓バカリジャナイカ!ワレワレノ地球侵略ノ参考ニハナランヨ」
・(葬儀屋は)坂道をゆっくり昇り、ときどき立ち止まっては、周囲に視線を投げかけていた。いったい、何をしているのだろう。どこかに葬儀の必要な死人でも落ちていないか、と探しているのか。
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薹(とう)が立つ・・・①野菜などの花芽をつけた茎が伸びて固くなり、食べるのにちょうど良い時期を過ぎてしまうこと。 ②人間の若々しい盛りの時期が過ぎることや、適齢期を過ぎること。
のべつまくなし(のべつ幕無し)・・・休みや切れ目がなく、ひっきりなしに物事が続くさま -
Posted by ブクログ
石動シリーズ4作目にして最後の作品。
まずはシリーズの順に読むことをおすすめする。その方がより作品を楽しめる。
本作は750年前の騎士の亡霊が取り憑いて、自分の殺人事件の謎を解けというところからはじまる。しかしここまで石動シリーズを読んできた人ならば、途中で始まる逃走劇や大立ち回りにもついていけることだろう。
わりとはじめのあたりで密室殺人に対する一つの解を示したが、それでは成仏(クリスチャンの亡霊なので正しい表現ではないけど)できなかった。
後半で改めてその事件に対する解が示される。そして亡霊憑きは治る。しかしやっぱりこの霊は天に召されることも地獄に落ちることもない。
アントニオだけが捉えられるようになった最後、騎士は事件の真相を語り始める。最後に明かされるトリックは、果たしてそんな解決でいいのだろうかと思わなくもないのだが、それを悲哀というか悲愴が上塗りして、そんなことはどうでもいいと思わされる結末だった。
本作は多重解決ものと言ってもいいだろうし、ややバカミスと言われるのもむべなるかな、人によって評価が分かれる作品なのは間違いない。
しかし、ようやくここへきて石動、アントニオのキャラが立ち、そこへ水城という石動以上の名探偵まで現れて、いよいよこのシリーズもここから加速したのではと思うと、続きを読むことが一生できないのは、なんとも寂しいかぎりである。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ前作『黒い仏』はミステリーのふりをしつつ、バカミスとも評されるほどの急展開で読者を明後日どころか別次元にぶん投げるという荒技を披露してくれたが、本作はちゃんと最後まで本格ミステリーとなっている。
二つの時間軸で進められる物語は、だいたい叙述トリックがあったりするという個人的統計があるのだけれど、やっぱりこの作品も叙述が一つのキモであることは間違いない。「あーそういうことね」となる部分だけでも、しっかりとミステリーを楽しむことができる。
文庫版では、続編というか後日譚に位置付く『樒/榁』も収録されており、二人の名探偵の活躍を楽しむことができる。 -
Posted by ブクログ
ミステリー小説とはなんぞやと改めて問いたくなるくらい、物語の解決パートに向かい始めたあたりから怒涛の???が頭に浮かぶ。
そりゃあこれを推理小説として期待して読んでいたらブチギレるかもしれない。でもそもそもミステリーって「謎」っていうだけで、そういう意味では思いっきり謎である。
観光列車に乗っていたと思っていたのに、だんだんとその景色が怪しくなり始め、気づいたら急展開のローラーコースターだった。そんでもって最後は元の位置に戻ってくるんじゃなくって、銀河鉄道よろしく空中へ飛び立ち、そのまま読者を放り投げておしまい!って感じの小説。
そういう意味では、この感じで続編を読んでみたかった自分がいる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ購入してからずいぶん長いこと本棚の栄養にしてしまっていたけれど、ようやく読み終えた。
名探偵石動戯作の活躍するシリーズの始まりということで、文庫本にして700ページを超える文量の物語をすいすい読み切ることができるのか不安であったけれど、気づけばあっという間に読み終えてしまった。
岐阜県の山近くにある集落の中で起こる連続殺人事件。首なしの死体、牛の角で貫かれる死体など、小さな集落と反比例するかのようなスケールの事件に加え、どんな病気も治るという奇跡の泉にまつわる人々の思惑も加わって、そして最後に出てくる「美濃牛」。
事件は解決されたはずだが、美濃牛の亡霊はまだ取り憑いている。