勝見明のレビュー一覧
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■鈴木敏文のことば
A.「顧客のために」ではなく、「顧客の立場で」考えろ。
B.仮説づくりは、「どうしてなのか」と疑問を発するところから始まる。
C.「美味いしいもの」とは「飽きるもの」でもある。
D.仮説とは、「明日の顧客」に向けたメッセージにほかならない。
E.人は「損と得」を同じ天秤にかけず、利益より損失の方を大きく感じる。
F.常に変化に対応すれば、市場は飽和しない。
G.どこまで挑戦し、どこで妥協するかで、その人の人生観が決まる。
H.「上質さ」と「手軽さ」の2 つの座標軸で「空白地帯」を見つけよ。
I.統計データは鵜呑みにするな。恣意的な調査は疑ってかかれ。
J.問題意識は、世の中に流布される情報を鵜呑みにはしないことから生まれる。 -
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顧客の立場でを知りたくて読書。
鈴木敏文氏についての本は初めて読ませてもらった。正直、今まで住んだ地域にイトーヨーカ堂はなかったのであまり馴染みがない。しかし、小さいときから身近にあるセブン-イレブンについての説明は非常に興味深い。改めてセブン-イレブンの凄さを知ることができる。また行ってみたくなる。
読書で線を引くことをやんわりと否定し、線を引くなら自分の考え方と異なる点、新しい情報へ引くなら意味があるとしている。確かに知らなかったことを知るから読書の意味があると思うし、新しい視点を生み出すヒントとなるから当たり前のようで、忘れがちな王道だと思う。
過去の経験から今を生きるか、未来から逆算して今を生きるか、あるいは、そのとぢらでもない柔軟性を持って今を生きていくのが鈴木氏の哲学だという。
成熟社会のマクロ経済には心理学の視点が必要だが最大の氣づき。
もうひとりの自分をもつ、自己客観視を高めることで自分の自己対峙をすることの重要性を知る。
著者の編集が優れているので非常に読みやすい。
読書時間:約55分 -
Posted by ブクログ
"「未来を起点にした発想」を持ち、「お客様の立場で」考え、新しいものを生み出さなければならない。"
セブン&アイ・ホールディングス代表取締役会長兼CEOを務めた鈴木敏文氏の経験を元に、成功した要因や秘訣などを紹介した著書。
民間企業で主にBtoCを中心の業態であるからこそ「お客様の立場で」ということがよく出てくるものの、挑戦するための姿勢や気概、挑戦の足枷となってしまうことなど、どんな業態にも共通することが紹介されています。
もし何かに挑戦する際に立ち止まってしまった時などに、解決の糸口やヒントとなるかもしれません。
短く章が区切られているので読みやすいと思います。 -
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セブン&アイの鈴木敏文さんによるCX(カスタマー・エクスペリエンス)の要諦。構成の勝見さんが鈴木さんに話を聞いてまとめた本。
内容としてはいかに売るか売れるために何をすべきかが中心に論じられていて、CXを変えるための戦略の立て方や組織論があるわけではない。鈴木さんとしてはCXを変えることを考えることがすべての出発点ということなんだろう。
ポイントは何を言おうとお客様の立場に立って考えるのかということ。それはお客様のためにではなく、あくまでもお客様の立場に立つということ。そうでないと、「川の思考」になってしまい「井戸の思考」にはならない。「川の思考」とは川に流れてくるもの(=お客様のニーズ)に石(=商品)を投げて当てるような芸当だけれど、「井戸の思考」とは、自分がここだと思った場所(=自分ならこれが欲しい)を掘って地下水脈(=お客様のニーズ)とぶつかることをいう。すなわち、自分もお客様として考え、自分が欲しいものを徹底して考えるということだ。
一方でそれは、お客様の顕在ニーズではなく、潜在ニーズを探るという行為であって、データをみても街の様子、人々の流れをみても、常に潜在ニーズはなんだろうと考えるということでもある。
また、他社をみないという姿勢もなるほど、という感じだった。他社をみるとマネをしたくなってレッドオーシャンに巻き込まれるし、何よりの弊害はお客様をみなくなって、他社のマネをすることが優先されてしまうこと。これは日本企業あるあるなのではないか。
まあ、簡単に書いてはあるけれど、なかなか難しいのも事実だから、この行動様式を習慣化しないとそもそも入口にも立てない。躊躇していては始まらないので、今日からそのような思考を始めるべきということなんだろう。
なお、本書についていえば、構成の勝見さんの文章がやや長すぎる印象を受けた。もう少し短くした方がリーダブルだったとは思う。 -
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ネタバレ野中氏の本。共感・物語りの重要性、その不足を痛感していることから読書。
共感経営、まさにその言葉の通り整理も可能だが、簡単に表現すると、共体験、接触機会なども通して、心を動かすことが人を動かし、大きな流れにつながると言う本質を語った本とも言えそう。
メモ
・企業経営やイノベーションや大きな成功は論理や分析でなく、共感→本質直観→跳ぶ仮説というプロセスにより実現される
・日本企業の三代疾病 分析過剰、計画過剰、法令遵守過剰
・共感とは他者の視点に立ち、他者と文脈を共有すること。
・共感は利他主義を生む
・相互主観性・共感の3段階
1 感性の総合 相手になり切る我汝関係
2 知性の総合 主客分離で相手を捉える我それ関係
3 完成と知性の総合 相手と無心無我で私の主観をこえた我々の主観を生み出す 我汝関係
・イノベーションは演繹思考からは生まれない。
・物量で戦う消耗線か、共感力と知力で戦う機動戦か -
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ネタバレ消費は経済学ではなく心理学で考える。
本当のような嘘を見抜く。
合理化は、経費を減らすことではない。経費を減らして利益が増えるのは縮小均衡になるだけ。
中長期的な数値目標は持たない。つじつま合わせになるだけ。
多様化の時代、ではなく画一化している。
富士山型の売上グラフから、茶筒型に変わった。
顧客のため、と顧客の立場で、では意味が全く異なる。
顧客の立場で考えると、自分たちには都合が悪い。
ノウハウ本は過去の成功体験に基づいている。成功体験はやり方は参考にならない。
真似をするほうが楽、は本当のような嘘。価格競争に陥るだけ。
経営とは顧客のロイヤリティを高めるもの。単品管理もそのため。
顧客は飽きる。飽きる商品を毎日提供する。
顧客の期待度はどんどん高まるもの。
消費者が既に買ったものはもう売れない、は本当のような嘘。欲望にはきりがない。
携帯の支出のためにモノを買わない、は本当のような嘘。新しいものを生み出していないから。
市場調査は本当のような嘘を生み出す。
顧客は今ないものは欲しいとは言えない。何が欲しいかはわかっていない。だから仮説を立てて検証する。
仮説を立てて挑戦する。仮説を立てないのは仕事をする気がないのと同じ。
失敗を恐れない。個人の想いの投影でいい。
人間は理想を追い求めているときのほうが安定しているもの。
試食サービスは試したいという顧客心理を読んだもの。
顧客とはわがままで矛盾したもの。
ヨーカ堂では、おでんはパックに入ったほうが売れる。セブンイレブンでは自分で選んだ方が売れる。
会社に慣れる、はダメ。いいことではない。顧客の立場を忘れる。
温度が同じでも、夏と冬では感じ方が違う。社内から見るのと社外から見るのでは違う。玄人にはならない。
顧客ニーズの捉え方=川モデルと井戸モデル。顧客は川の反対側にいるわけではない。井戸のように自分と同じところにいる。=顧客のために、ではなく顧客の立場で。
主客一体で顧客心理の深い世界で直感する。
日本では知行一致が強さの秘密。アメリカは知行分離。現場は考えない。
日経新聞の読み方、が売れるのは、情報を発見できていないのではないかという不安から。自分の考えをしっかりもたないと情報に左右される。
情報を鵜呑みにしない。
物わかりの良い上司は業績に結び付かない。
毎週火曜日に全国のOFC会議をする。常に新しいマーケットニーズを探ること。
人間は自分の問題となると保守的になる。コサバティブ。完売は善、ではない。機会ロス。
スーパーの経験者はコンビニを始めてもうまくいかない。値下げをして売り切ることを目標にする。
今の顧客は迷っているのではない。確認したい、意識が強い。
勉強は過去の経験をなぞるだけ。勉強しても答えは見つからない。あるいはできない理由を探すことになる。
必要以上の機能を付けない。セブンイレブンのATMは安く作れた。手段が目的化すると必要以上のものを作りたがる。
憧れの会社に入ると無意識のうちにしがみつきやすい。
会社にしがみつかないからこそ新しいことをやれる。
みんなが反対することはたいてい成功し、いいということは失敗する。 -
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イノベーションを成功している企業を「共感」というキーワードから読み解く試み。
・日本企業は分析過剰、計画過剰、法令遵守過剰の三代疾病に陥っている
・VUCAの時代においてはこれまでの分析的思考だけでは生き残れないのであり、共感を軸にした物語り戦略をとっていくべきである
・顧客への共感、社員への共感を元に「あるべき姿」を分析的思考ではなく飛ぶ仮説として描き、辿り着きたい場所からの逆算思考で発想するべきである
・この発想は論理的三段論法ではなく、「目的(何を目指すのか)→手段(どのような手段が必要なのか)→実践(その手段を用いて行動に移す)」とつなげる実践的三段論法と呼べる
・物語り戦略にはプロット(筋書き)とスクリプト(行動規範)がある
・スクリプトは訳せば脚本、台本であり、演劇の主人公が場面場面において脚本にしたがって演技するように、スクリプトは蓄積した経験やパターン認識にもとづいて、無意識のうちに心と身体に刷り込まれている思考や行動にまつわるルールのようなもの。つまり、ある特定の文脈や状況において、「こういう場合はこうする」と暗黙知になった行動規範。
・物語(ストーリー)は複数の出来事(WHAT)を並べて記述したものであり、物語り(ナラティブ)は複数の出来事の間の相関関係(WHY)に即して語るもの
・WHYにこそ当事者の主観や直観が表れ、WHYこそが人々の共感の源泉となり、物語りのプロットの軸となり、人々の行動のスクリプトにも結びつく
・物語り戦略はアートとサイエンスの綜合
ビジョン・ミッションとバリューを物語りにおけるプロットとスクリプトと読み替えるような視点。元々ビジョン・ミッション・バリュー自体が定義が統一されていない曖昧なものなので、ストーリーという観点から捉え直すのはわかりやすいと感じる。
事例と解説を交互に行なっていくスタイルは体系的ではないもののそれなりに分かりやすい。
ただ、最後のまとめでユニクロやセブンイレブンを事例として持ち出すべきではなかったと思う。それでの事例もそれなりに有名な企業が多いとはいえ、取り上げているのは企業内の特定の状況における特定のプロジェクトだったからこそ説得力があったのに、これまで散々さまざまな戦略論で分析され尽くしたユニクロやセブンイレブン、富士フイルムの全社戦略を最後に出してしまうことで、結局これまでの戦略論から見せ方を変えただけなのではという印象が強くなってしまう。
VUCA時代における新たな戦略としての説得力を増すのにその事例出す必要ある?と最後に冷めてしまう。
最後はもったいなかったものの全体的には面白味を感じる本ではあります。
もう少し触れていると良かったと感じるのは「アートとサイエンスの綜合」が重要なのである、ということ。最近アートの強力さを論じるものが多いし、これまで軽視されすぎていたからしょうがないと思うけど、だからと言ってアート一辺倒でうまくいくのではなく、あくまでサイエンスとの両輪で走るべきなのにサイエンスが無視されすぎる場面があるように感じるので。