勝見明のレビュー一覧
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ネタバレ天下のセブン&アイグループの総帥、鈴木さんの書籍。
最近、新版が出ていて読みたいなと思ったら、昔のものがあったので読んでみた。
最近のデータ分析ブームで色々な書籍があるけれど、本書はその基本的なところをカバーしている良書だと思う。
特殊なテクニックなどではなく、日々仮説思考を持ってデータと現場に接して試行錯誤を繰り返すという基本に忠実な事例が載っているからだ。
かなり目から鱗のことが多かった。
個人的には、現在の日本の消費者は多様性ではなく、極度の同質性であるという指摘がかなり良かった。やはりさすがである。
自分もそういった独自性を出せるように精進したいものだ。
目次
第1章 鈴木敏文はどのように意思決定しているのか
1 「客観」と「直観」、二つのカンで発想する
2 鈴木敏文を見ている「もう一人の鈴木敏文」
3 発想の根本にある「五つの視点」
鈴木流独自発想の視点1 変化の流れを時間軸で捉えると、今の時代の動きが分かる
鈴木流独自発想の視点2 時間軸を輪切りにすると本当のようなウソが見えてくる
鈴木流独自発想の視点3 時間軸で未来に目を向けると、今の時代の顧客心理が読める
鈴木流独自発想の視点4 脱経験的思考――過去の「常識」は今の「非常識」
鈴木流独自発想の視点5 陰陽両面的思考――買い手の「合理」は売り手の「非合理」
4 天才経営者と凡人ビジネスマンはどこが違うのか
第2章 商売は「経済学」ではなく「心理学」で考えろ
5 顧客は「経済人」でなく「心で動く人間」である
6 顧客の心理を読む「琴線と金銭」の商い
7 鈴木敏文は顧客の心理をこう読む
鈴木流顧客心理の掴み方1
「富士山型」発想を捨て「茶筒型」に転換せよ――「昨日のお客」より「明日のお客」
鈴木流顧客心理の掴み方2
海辺の店でなぜ、梅おにぎりが大量に売れるのか――「先行情報」と「経験情報」
鈴木流顧客心理の掴み方3
あいさつ一つで顧客との距離感を縮める――「無意識」は「無視」と受け取られる
鈴木流顧客心理の掴み方4
なぜ、高密度多店舗出店戦略なのか――顧客心理の変化がもたらす「臨界点」
鈴木流顧客心理の掴み方5
商品の陳列は顧客の目線で考えろ――「合理的」より「目につきやすさ」
第3章 半歩先を読む鈴木流「統計術」の極意を学ぶ
8 鈴木流経営学の原点は隠れた大学院時代にあった
9 なぜ、「現場主義」ではなく「データ主義」なのか
10 データや情報を読み解く「五つの極意」
鈴木流統計術の極意1 売り手から買い手へ、視点を変えると別のデータが見える
鈴木流統計術の極意2 統計データは鵜呑みにするな、その背景や中身を突きつめろ
鈴木流統計術の極意3 同じデータ、情報でも「分母」を変えると意味が逆転する
鈴木流統計術の極意4 なぜ、モノが売れないのか、心理抜きには統計は読み切れない
鈴木流統計術の極意5 仮説・検証で初めてデータが生きる、WHYとWHATの問題意識を常に持つ
鈴木流統計術の極意中の極意 自分の都合のよいように、数字のつじつま合わせをするな
第4章 鈴木流「場のつくり方」を学ぶ
11 徹底してダイレクト・コミュニケーションにこだわる
12 繰り返し伝えることにより基本を「血肉化」させる
13 共有化のための「場」を大切にする
第5章 現場の社員たちはどのように鈴木流経営学を実践しているか
14 社員のコミュニケーション能力を重視する
15 仮説・検証を店舗経営に活かす
16 自分の仕事で「物語」をつくれるかどうか
17 顧客の共感を呼ぶ「場」づくりにこそセブン-イレブンの強さがある
おわりに
鈴木敏文氏の金言集 -
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■鈴木敏文のことば
A.「顧客のために」ではなく、「顧客の立場で」考えろ。
B.仮説づくりは、「どうしてなのか」と疑問を発するところから始まる。
C.「美味いしいもの」とは「飽きるもの」でもある。
D.仮説とは、「明日の顧客」に向けたメッセージにほかならない。
E.人は「損と得」を同じ天秤にかけず、利益より損失の方を大きく感じる。
F.常に変化に対応すれば、市場は飽和しない。
G.どこまで挑戦し、どこで妥協するかで、その人の人生観が決まる。
H.「上質さ」と「手軽さ」の2 つの座標軸で「空白地帯」を見つけよ。
I.統計データは鵜呑みにするな。恣意的な調査は疑ってかかれ。
J.問題意識は、世の中に流布される情報を鵜呑みにはしないことから生まれる。 -
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■マーケティング分析
A.鈴木氏の発想の根本には、次の5つの視点がある。
1.今の時代の動きを把握するために必要な、時間軸で変化の流れを大きく捉える視点。
2.世の中の潮流の中に潜む本質を読み取るための、時間軸を「輪切り」にし、その断面を見る視点。
3.顧客心理を読むために必要な、未来という時間軸から見て今を位置づける視点。
4.過去の常識は今の非常識になるという脱経験的思考。
5.買い手の「合理」は売り手の「非合理」という陰陽両面的思考。
B.同じ25℃という気温(室温)でも、夏なら「寒い」となり、冬なら「暑い」となって売れる商品が変わる。このように同じデータ、情報でも「分母」を変えると意味が逆転する。 -
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顧客の立場でを知りたくて読書。
鈴木敏文氏についての本は初めて読ませてもらった。正直、今まで住んだ地域にイトーヨーカ堂はなかったのであまり馴染みがない。しかし、小さいときから身近にあるセブン-イレブンについての説明は非常に興味深い。改めてセブン-イレブンの凄さを知ることができる。また行ってみたくなる。
読書で線を引くことをやんわりと否定し、線を引くなら自分の考え方と異なる点、新しい情報へ引くなら意味があるとしている。確かに知らなかったことを知るから読書の意味があると思うし、新しい視点を生み出すヒントとなるから当たり前のようで、忘れがちな王道だと思う。
過去の経験から今を生きるか、未来から逆算して今を生きるか、あるいは、そのとぢらでもない柔軟性を持って今を生きていくのが鈴木氏の哲学だという。
成熟社会のマクロ経済には心理学の視点が必要だが最大の氣づき。
もうひとりの自分をもつ、自己客観視を高めることで自分の自己対峙をすることの重要性を知る。
著者の編集が優れているので非常に読みやすい。
読書時間:約55分 -
Posted by ブクログ
"「未来を起点にした発想」を持ち、「お客様の立場で」考え、新しいものを生み出さなければならない。"
セブン&アイ・ホールディングス代表取締役会長兼CEOを務めた鈴木敏文氏の経験を元に、成功した要因や秘訣などを紹介した著書。
民間企業で主にBtoCを中心の業態であるからこそ「お客様の立場で」ということがよく出てくるものの、挑戦するための姿勢や気概、挑戦の足枷となってしまうことなど、どんな業態にも共通することが紹介されています。
もし何かに挑戦する際に立ち止まってしまった時などに、解決の糸口やヒントとなるかもしれません。
短く章が区切られているので読みやすいと思います。 -
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セブン&アイの鈴木敏文さんによるCX(カスタマー・エクスペリエンス)の要諦。構成の勝見さんが鈴木さんに話を聞いてまとめた本。
内容としてはいかに売るか売れるために何をすべきかが中心に論じられていて、CXを変えるための戦略の立て方や組織論があるわけではない。鈴木さんとしてはCXを変えることを考えることがすべての出発点ということなんだろう。
ポイントは何を言おうとお客様の立場に立って考えるのかということ。それはお客様のためにではなく、あくまでもお客様の立場に立つということ。そうでないと、「川の思考」になってしまい「井戸の思考」にはならない。「川の思考」とは川に流れてくるもの(=お客様のニーズ)に石(=商品)を投げて当てるような芸当だけれど、「井戸の思考」とは、自分がここだと思った場所(=自分ならこれが欲しい)を掘って地下水脈(=お客様のニーズ)とぶつかることをいう。すなわち、自分もお客様として考え、自分が欲しいものを徹底して考えるということだ。
一方でそれは、お客様の顕在ニーズではなく、潜在ニーズを探るという行為であって、データをみても街の様子、人々の流れをみても、常に潜在ニーズはなんだろうと考えるということでもある。
また、他社をみないという姿勢もなるほど、という感じだった。他社をみるとマネをしたくなってレッドオーシャンに巻き込まれるし、何よりの弊害はお客様をみなくなって、他社のマネをすることが優先されてしまうこと。これは日本企業あるあるなのではないか。
まあ、簡単に書いてはあるけれど、なかなか難しいのも事実だから、この行動様式を習慣化しないとそもそも入口にも立てない。躊躇していては始まらないので、今日からそのような思考を始めるべきということなんだろう。
なお、本書についていえば、構成の勝見さんの文章がやや長すぎる印象を受けた。もう少し短くした方がリーダブルだったとは思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ野中氏の本。共感・物語りの重要性、その不足を痛感していることから読書。
共感経営、まさにその言葉の通り整理も可能だが、簡単に表現すると、共体験、接触機会なども通して、心を動かすことが人を動かし、大きな流れにつながると言う本質を語った本とも言えそう。
メモ
・企業経営やイノベーションや大きな成功は論理や分析でなく、共感→本質直観→跳ぶ仮説というプロセスにより実現される
・日本企業の三代疾病 分析過剰、計画過剰、法令遵守過剰
・共感とは他者の視点に立ち、他者と文脈を共有すること。
・共感は利他主義を生む
・相互主観性・共感の3段階
1 感性の総合 相手になり切る我汝関係
2 知性の総合 主客分離で相手を捉える我それ関係
3 完成と知性の総合 相手と無心無我で私の主観をこえた我々の主観を生み出す 我汝関係
・イノベーションは演繹思考からは生まれない。
・物量で戦う消耗線か、共感力と知力で戦う機動戦か